新春をコトホグ話

 おめこ、というメールがデューク中島先輩から届いた。いったいどうした、なにがあったと思って開いたら、すぐに「とよろ」と書いてあり、なるほど、続けて読めば「(あけ)おめことよろ」という意味になるなと納得したが、新年早々人騒がせなメールであった。というか、正月早々オ×コネタで盛り上がるD大OBというのは如何なものであろうか。このあたり花の75年度生のPurpleさんやTHIS BOYさんにも問題提起してみたい。ということで本年最初のエントリーに入るのだが、実は昨日の大みそかに携帯から短いエントリーをアップした後に続けてアップしようとして未遂に終わったネタがあるので、そちらをどうぞ。

 先ほど、今年最後のエントリーをアップしたつもりだったが、大事なことを忘れていた。何日か前に昼休み時間に体験した出来事と、こちらはその後だが、とある鉄板焼き屋さんで体験した話の二つは忘れないうちに書いておかねばの娘である。それでは順番として、先日の昼休みの話から始める。

 働くオジサンたちにとって重要なテーマの一つに昼飯の問題がある。僕は外回りの仕事が長かったため、昼は外食というパターンが多かったのだが、ここ最近はずっと内勤のため弁当を注文することが多い。いや、最初のうちは外食の癖が抜けず、お昼になると近くの喫茶店やファミレス、ラーメン屋というところに食べに出かけていたのだが、わざわざ出かけて行ったのに客が多くて気に入った場所をすでに取られていたり、読みたい週刊誌やマンガが(本当はその店に置いてあるんだけど誰かのテーブルの上に積み重ねてあったり、他のお客が読んでる真っ最中だったりして)無かったりすると損したような気持になるので、ピースオブマインド(心の平静)を考えて弁当を注文するようになった。要するに出かけるのが面倒になったのだ。それでも毎日、日替わりの弁当を食べているといろんなことがあって、ある時はおかずだけしか入っていない弁当に遭遇したこともあった。弁当の器を持った瞬間、ずいぶん軽いなと思ったがまさかご飯が入っていないなどとは想像もつかず、弁当のふたを開けた瞬間は、間違いなく凍りついた。その時は写メを撮りエントリーにもアップしたし、あとで弁当屋さんが代金を返金してくれて、とっても得をした気分になったもんだ。

 それはさておき、和洋中華それぞれの良さを組み合わせたおかずの入った弁当を食べるのは、昼休みの大きな楽しみでもある。弁当屋さんの月刊献立表があるので、事前にその日のおかずを確認できるのだが(そしてあまり好きではないおかずの時は、外に食べに行くなんてこともできるし、近所のコンビニで買ってくるなんて選択肢もあるのだが)、僕はあえてそのメニュー表は見ない。お昼の時間になり弁当箱を机に乗せて、そっとふたを開けて覗くその瞬間がたまらないのだ。その日のおかずが、あらかじめ分かっていたら感動というものが無い。昨日は串カツがメインだったから今日は煮魚か焼き魚ではないかと想像して、開いた瞬間にチキン南蛮がにっこり笑ってこちらを見ていると、思わず知らず笑みがこぼれる午後零時30分という瞬間は誰にも邪魔をされたくないのだ(多分誰も邪魔しないとは思うが)。

 そして、先日の弁当のおかずはこういうラインアップだった。アジフライ、手製のトマトソースのかかったハンバーグ、ケチャップのついたプレーンオムレツ、春巻き、マカロニサラダ、いんげんの和え物。どうだ、どうだ。え、大抵の弁当、とりわけホカ弁なんかはたとえば「しゃけ弁」とか「ノリ弁」とか、あるいは「から揚げ弁当今だけ390円」とかはメインのおかずが1品あり、あとはキャベツの千切りだとか一口のパスタとか、まあそんなもんしか入っていないが、この弁当ときたらアジフライ、ハンバーグ、プレーンオムレツとメインを張れるおかずが3品。まあ人によっては春巻きもメインとしてみなすことができるかも知れないが、僕に言わせれば初代タイガーマスクというか獣神サンダーライガーというか、まあ、ジュニアへヴィー級クラスだね、春巻きは。これがシューマイとかギョーザとか中に入っているものがちょっと変わるというか、外側の皮がへなへな系になるとジュニアヘヴィーから一気にライトヘヴィーくらいに上がる。まあたとえていえば、デビュー直後のドラゴン藤波というところか、なんせ崎陽軒のシューマイ弁当は好物なのだ。またお金が無い時に食べた王将の餃子2人前と大盛ライスのうまさを分からないやつとは共に天を戴かず、つまりは不倶戴天の敵である。人民の敵である。ちょっと大げさかな。しかし、そういう感覚分かるでしょう。王様のスープだったか、童話で贅沢の限りを尽くした王様に最高の料理を作るよう言われたコックの使った最後の調味料は空腹だった、て話。要するに腹が減ればなんだっておいしいのだ。くそったれ、最近はやりのB級グルメに代表されるプチブルグルメは総殲滅じゃ。

 ちょっと興奮してしまったが、その色とりどりのおかずをみていてふと気がついたのは、ハンバーグにはトマトソースが、プレーンオムレツにはケチャップが、一心同体というのはこういうことを言うんだろうと思わせるようなたたずまいでいるのだが、おかずスペースの中央にトライアングルの形状で、その存在を誇示しているアジフライにつける調味料が見当たらない。あれ、どこだ、まさかまた入れ忘れてるんじゃないよな。しかし前回はご飯が入ってなかったから、弁当屋さんも返金という大技を見せてくれたがアジフライの調味料が入ってないからとクレーム出すのも大人げないし、まして返金てのはちょっと虫がいいか、てなことを考えていて、それでも視線は真剣に弁当箱の中を探していると、ありました。いんげんの和え物が入っているアルミホイールのおかず入れの隙間にありました。箸でその袋を取り上げると、ん、と一瞬我が目を疑うその色は白というかマヨネーズ色というか、こちらが予想したウスターソースの色ではなかった。

 「タルタルソース、か」と思わず声に出してしまったが、アジフライにタルタルソースねぇ。いや、ダメだなんて言う気は毛頭ない。ウスターソースより多分栄養もある(かな?)みたいだし、味も上品であることは認めるが、しかし。アジフライには、やっぱりウスターソースじゃないのか、いや、この際醤油の袋が入っていてもいい。許そうじゃないか、黒色液状調味料連合とでもいうか、ウスターソースと醤油、この2つがあれば人生何でもできる。しかるに、どうしてタルタルソースが。もしや不良在庫一掃キャンペーンなのか。と、疑惑がだんだん浮かんでくる。どうなんだろうな、アジフライにタルタルソースつけて食べる人が増えているんだろうか。それとも単なる間違いでタルタルが入ってしまったのか。他の人の弁当をちらり覗いたが、みんな問題なくサクサク食べている。これは他の人にはちゃんとウスターソースが入っていたと考えるべきか、やはりタルタルソースが入っていたが、この21世紀に生きる人たちはアジフライにタルタルという組み合わせに違和感を持たない、あのカツオの刺身にマヨネーズつけて食べるという食の常識を覆す人たちばかりなんだろうか(カツオにマヨってのはちょいといけますが)。

 そういうことを考えていたら、ふと学生時代のエピソードを思い出した。最近話題に出ないが、僕の学生時代に強烈なインパクトを残し、堺の風の又三郎とでも言うべきF田敏雄君の話なのだが、あるとき学食で一緒にAランチを食べていた。あ、Aランチというのはお昼の定食のランクで、上からSランチ、Aランチ、Bランチとあって金額的にも内容的にも中道現実派的なおかずで無難だったのがAランチ。そのランチには必ずキャベツの千切りが山盛りついてくるのだが、そのキャベツにウスターソースをかけていたらF田君が目をきらきらさせて、「お前、ウスターソースそんなかけるもんちゃうぞ。なんで南九州の人間はウスターソースをびしゃびしゃになるまでかけるんや。A水さんがうちに泊まりに来たとき、うちのオヤジが言うとったぞ。『なんや、あの下品なソースのかけ方は。あれでは味はわからんぞ』てな。お前も人から笑われんためにもソースは少し、軽くかけたほうがええぞ」。

 さあ、その発言を聴いたワタクシ怒りました。「あほんだらぁ。おまえらの住んどる関西と違って南九州は暑いんじゃ。暑いと汗かくやろ、汗かいたら体から塩分が少なくなる。人間水分と塩分が無くなったら死ぬんやぞ。せやから、ワシら南九州の人間はソースはだぼだぼかけるんじゃ、ボケ。ダボ」。これに対して、F田君も一歩も譲らず反論して別館1階の学生食堂で時ならぬソース論争が発生した。このテーマはその後再三にわたりBOXでも展開され、サークル員のうちの関西一派は「ソースはちょっぴりが上品やねん」という主張、片や南九州・四国連合は「ソースはたっぷり、それが贅沢、それがリッチ」という主張でお互い譲らない。結局どうなったかというと、あるときまたもやBOXでF田君とソース論争をしてたら、それを聴いていたボーリョク学生のT原さんがF田君に対して「あほ、南国の人間が塩分取りたがるのは当たり前やんけ。だいたいお前が上品とか下品とか言える柄か」と一喝して終わりというまことにあっけない顛末であった。

 それ以来、F田君は学食や中島食堂で僕がソースを豪快にかけるの見ても直接何も言わなくはなったが、未練たらしい目つきで「お前な、あ、ええわ、ええわ。お前らに物事教えてもわからへんしな」などと再度挑発するようなことを言いながらも、直接対決は避けていた。しかし、ある日僕は書店でとある本を見つけ購入した。そしてF田君が例によってシッタカブッタ顔をしてBOXでだべっているときに、その本を彼に差し出してこういった。「おい、お前。ソースをたっぷりかけるのは下品だというとったよな。だけど、この前、今一番勢いのある作家はシーナマコトだと自慢げに言うとったが、ホンマは読んだことないやろ。これシーナの最新エッセイや」。僕が彼に見せつけた本は、ご存じ『気分はだぼだぼソース』であった。

 ここまで書いてきて、無性に腹がへったので今から晩飯を食う。続きは気が向いたらまた。

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