イナゴの日

 今朝は長女の絶叫で目が覚めた。「ぎゃー、あの、、○ッタ、イナ×、自転車、ウワー、遅刻するー!!」何を言ってるか聞き取れない。配偶者が金切り声で、「お父さんに頼みなさい」。これははっきり聞こえた。また何か忘れ物か、何なんだろうか、と思いながら起きると、高1の長女が半べそで玄関に立っている。訳を聞いてみると自転車にイナゴが張り付いていて、何をやっても動かない、自転車に乗れないから遅刻するというようなことを聞き全身の力が抜ける。「自転車にイナゴって、払えば逃げるだろう。それとも坊ちゃんの布団のようにびっしり自転車全体に張り付いてるのか」等と言うがとにかく自転車の所に来てくれと請願されたので、行くだけは行って見た。

 確かに前輪の躯体のところに一匹イナゴが張り付いている。そういえば僕が中学3年生の時、引っ越した先が古い農家の家で横に馬小屋(!)があり、自転車はそこに置いていた。通学初日に自転車の所に行くとハンドルが動いている。それも左右2箇所共だ。これが大学時代なら二日酔いか悪い薬のやりすぎで(冗談ですよ、冗談)ブットンデいることが原因となるのだが、当時はまだ坊主頭の中3生。神に誓って悪いことはしていない。何だろうと思いハンドルに眼を近づけたら、腰が抜けそうになった。蛇だった。蛇が2匹丁度左右のハンドルの所に巻きついて、鎌首を持ち上げていたのでハンドルが動いてるように見えたのだ。

 今、キーボードを打っていても、マイマザーイズランニング(母が走る、その心は関西弁でオカンが走る)の状態になってしまった。どうやって、その蛇を追っ払ったかは記憶に無い。もしかしたら父親か母親に泣きついたかもしれないが、僕の両親は一切子供に構わない方針だったので、多分『自力でやれ』かなんか言われたと思う。とにかく死ぬ思いで、蛇を追い払い、学校に行ったがしばらくは自転車に乗るのが怖かった。余談になるがその農家は築50年は過ぎていた家で屋根裏に6畳と4.5畳の二間あるような古い大きな家だった。蛇も出た。大きなミミズ(カンタロウミミズと呼んでいたが、こいつはボトルネックのギターは弾かなかった)もしょっちゅう出現した。クモやムカデも千客万来という有様だった。

 ある冬の日風呂に入ろうとして、大きな木の蓋を開いた。忘れていたが風呂は当然五右衛門風呂である。すると風呂釜と壁の間のモルタルの所に何かくねくね動く物がある。長さは15~20センチくらいだ。僕は当時からド近眼だったので、それが何か解らずメガネをかけて見た(既にその頃はいろいろなことに慣れっこになっていたので、『またミミズか』てな反応だったと思う)。大ムカデだった。不貞腐れてそのまま入浴していたら刺されて大変な事になっていただろう(そのまま入るわけないやろ、オッサン。嘘ついたらあかんでぇ。キャインキャイン)。しかしそういう環境だったので、結構鍛えられた。何しろ同級生の女の子に蛇が怖いと言ったら鼻の先で笑われたのだ。

 それはさておき、娘の方だった。イナゴを追い払い自転車を渡すと、重たそうなカバンを積んで半べそ状態で学校に向かった。今から行っても遅刻だな。理由は何と言うのだろうか、まさかイナゴを理由にする訳にもイカンだろうと考えると笑いたくなった。夜帰ってきて、本人に何と言ったか聞いたら『どうせイナゴと言っても許してもらえないから、ひたすら謝った』等と言っていた。そんな話をしていたせいか、子供が高校の、あれは何というのか、ビラで良いのか、えーと、学級通信とか言うやつや図書館便りみたいな、所謂フロム学校当局トウ両親というか学費負担者という形式のわら半紙を何枚か持ってきて読んでおいてくれと言う。

 この手の学校関係は配偶者に任せていたのだが、高校になってからは娘の進学先が僕の母校であったという単なる偶然の一致にも拘らず、窓口は僕のほうにスライドされつつある。仕方が無いので図書館便りを読んだが、1学期に図書館に納入された本と著者名が羅列してあるだけでぱっとしない。書いてあることは、例によって今のうちにいろんな本を読んでおこう、読みたい本はリクエストして下さいというような旧態依然とした広報活動である。そういえばやはり高校の時クラスの後ろの壁に読みたい本のリクエストみたいなのが張ってあり、みんな好き勝手なことを書いていた。僕はSFやミステリ関係のものを書いたと思うが、いまだにはっきり覚えているのは、「ノストラダムスの諸世紀」なんて書いたことだ。ゲーテのファウストを読んだからというとカッコもつくが、実は水木しげるの「悪魔くん」か、何かの影響である。隣の席のS原君はさすが、その後ドクターになったくらいの賢い人だったので辻邦生の「背教者ユリアヌス」なんかをリクエストしていたのだから、同じ授業を受けてもこうも違うものかと感心した記憶がある。

 などと古い事を思い出しながら、今度は担任の先生が書いた学級通信を読んでいると、やたら自分たちの学校に誇りを持てとか、この学校の精神は『自主自律』だとか書いてあった。そうそう。自主・自律、確か校歌にもそんなフレーズがあったなどと考えていたら、余計なことまで思い出した。実は高校3年生の時に文化祭を『自主管理』しようとして、見事に失敗し、生活指導の先生に嫌味たっぷりに絞られたことがあったのだ。その時の先生のセリフは「今までうちの学校で自主管理なんてやろうとした奴にろくな奴はおらん。過去何人かそういう馬鹿がいたが、みんな人生躓いてるぞ!!」。その時は「ふざけるんじゃねえよ」などと思っていたが、今になってみるとやはり先生、見る目があったね。しかし本人が懲りてないから困ったもんだ。アハハ。

 ここまで書いて先程の「同じ授業を受けてもこうも違う」というところを訂正しなければならないことに気が付いた。同じ授業は受けていたかもしれないが、やってることが全く違ってたんだ。『自主管理』なんか考える暇があったら、公式のひとつでも覚えていれば人生が違っていたかもしれんな。ま、今更言ってもな~。そうそう、ここのところは長女に絶対見られないようにしないと、それでなくてもオヤジとしての威厳が無いからな…。
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ムカデの話

こんにちわ。
ムカデの件ですが、ボクは一度弁当の中にはいってたことがあります。
中学生のときでした。
弁当の時間になり蓋をあけると弁当箱の隅にムカデが¬の形ではいっていました。
なんだか見てはいけないものを見たような気がして、慌てて蓋を閉じました。
そのあとどう始末したのか、どうも思い出すことができません。

忘却とは忘れ去ることなり

もりさんこんにちわ。ようこそ当ブログへ。そうですか、弁当箱の中とは強烈なインパクトですね。生きていたのか、既に昇天していたのかが気になりますが…。その後のことは恐らく脳が記憶することを拒否したのでしょう。何かのきっかけでそれが戻ってくると人格が崩壊するような恐怖がって、お客様を脅かしてどうする!!また京都ネタ、音楽ネタカキコに行くのでヨロシク。
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