ワタクシと北関東(JEP)の出会い マイティーチャー理論学習編

 「…しなさい」、ポーンというチャイムの音がしたかと思うと突然ガチャンという激しい音がした。ちょっと厳しい顔をした常務が僕たちをにらんでいて、まずはH田君に「H田君、今このマイティーチャーはなんていったかな」と口調は優しそうだが目は決して笑っておらずじっと彼の反応を見ていた。事務所の暖房が効きすぎていたせいか、常務のマイティーチャーの研修が始まったばかりではあるが、僕とH田君は共に夢の中へ、夢の中へ、行ってみたいと思いません、が、つい油断してゴールデン・スランバーがやってきそうだったのだ。いや、オープニングは覚えていた。常務がいかにも種も仕掛けもありませんというような手つきでシートをマイティーチャーにセットし真ん中のボタンをガチャンと押したら「このシートではなんたらかんたらすったらもんだの、…しなさい」かなんか無機質の女性の声が流れたと思ったら、ポーンとチャイムの音が、それもあんまり鋭角的な音ではなく、そう田舎の有線放送というか、あの農家の庭先にある机の上にバイブというかビブラフォンというか、あのマレットで叩くやつ、あれを叩いて緊急連絡とか農協からのお知らせなんてのを流していた時代があるのだが、知らんか?そうか、知らんか。まあいい。

 要するに、あきらかに居眠りしかけていたというかもう少し好意的に書けば、緊張感を無くしかけていた僕たちに、今このシートが言ったことは何だったか復唱してみろという指示である。H田君は、こういうところがやはり体育会系というか、爽やかスポーツマンで「すいません、聞いていませんでした」と潔い。自発的にごめんなさいしたH田君と違って、こちとら諦めの悪さは天下一品、あ、オレはチャーシューの大ね、ネギ大目、ニンニクも入れてや、ってそりゃ京都の名物ラーメンだっちゅうの。そうじゃなくて、往生際が悪い僕は、「あ、僕は聞いてました。はい。確か『このシートではかっこを使った式の勉強をします』、うん、そうです、間違いなくそう言いました」と必死で頭の中に残っていた音声を再現して答えたが、そのあとに何か言ったような気もしていた。僕たちをにらんでいた常務はいきなり破顔一笑という感じで、にっこり笑い「はい、これが学校の授業だったらどうだ?先生が何か言いました。でもぼんやりしていたH田君と××君は聞きもらしてしまいました。実は、その聞きもらしたところがその日の一番大事なところだったらどうする?」



 今度は柔らかな感じで質問してきた、こういう風に大声で怒った後急に優しくして心理的に不安定な状態にさせておいて、都合のいいことだけ信じさせようというのは典型的な洗脳というか、学生時代にコノヤロと石を投げつけてやった十一教会(あ、マジで十一で検索しないでね、ほら合同結婚式のあそこだよ)とか、こっちは本当だかどうだか知らんが、草加せんべいみたいな宗教団体なんかが良く使う手なので、僕は眉に唾をつけながら聞いていたが、先ほど居眠りを指摘されたH田君は名誉挽回とばかりに「いや、それは勉強が分からなくなる原因だと思います。ちゃんと聞きなおしをしないといけないと思います」などとマジでレスしたもんだから、常務の機嫌ますます良くなり、「そう、それが大事なんだけど、どうだい、実際、小学校だと1クラス40人近くの児童がいるが(何度もエクスキューズが入って読みにくいかもしれませんが、当時は1クラス40人前後というのが標準的な小学校だったかな。確か44人になると2クラスに分けることが出来たと思うが、このあたりはguevara129さんあたりに聞いてみないと、もしかしたら違っているかもしれん)、その中で一人だけ手をあげて質問できるかい?」と今度は僕に同意を求めてきた。

 「あ、僕、いや私は手を上げましたね。そういう時は、はは、昔からイチビリだったんですわ。手を上げて注目されるのが快感みたいなところもあって…」と答えた僕をスルーして常務は話を続けた。「まあ××君みたいなのは、確かに1クラスに1人くらいいるけど、そういうのは特殊であって、たいていの子供たちは、やはり手を上げたら笑われるんじゃないかとか、先生から怒られるんじゃないかと心配になって手は上げられないもんだ。学校でそうやって聞きもらしたところはそのままでいいかな、H田君」と常務はひねくれモノの僕を見捨てて、素直に返事をするH田君に質問した。「いや、家で復習しないと、落ちこぼれちゃいますよね」などと、当時流行した落ちこぼれなんて単語を入れながら真面目に答えるH田君であった。

 「そう、H田君はいいことを言ったね。家で復習するのは大事だ。学校で聞きもらしたところ、または分からなかったところ、さらには間違えて覚えたところを補うのが家庭学習だ。その家庭学習のやり方はいろいろなものがある」とここで常務はいわゆる家庭学習の必要性とその方法について解説した。細かく書いてもしょうがないので、簡単に書くと問題集やプリント類は授業で習ったことを正しく覚えているかどうかを確認するにはいい方法だが、もし覚えていなければ当然問題も解けないし、興味も持てない、投げ出してしまうのも当たり前だ。学校で分からないところを補うといっても、家庭には先生はいないから母親が先生代わりにならざるを得ない。しかし、母親は料理や掃除、洗濯はプロだが勉強を教えるプロではない(このあたり、若干女性蔑視的な考えというか「わたし作る人」「ぼく食べる人」的なベサツ意識があるのではないか、本来、女性のみが家庭を守るべき、子供を育てるべきだというのは間違っているのではないか、などと当時のワタクシは考えて質問しようと思ったが、まあ黙っていた。

 「さらに、お母さんたちが小学校の頃と今の小学校の授業は同じだと思うかね、××君」と今度は突っ込みようのない質問をしてきた。「いや、変わってるはずです。確か、つくば中教審路線が、いや、その、僕たちは旧課程でしたが2年下の後輩は新課程で、僕たちが習った等差級数なんか習わなかったなんていってましたから。あ、逆に僕たちは命題とか証明は教科書に出てなくて、数学の教師が手作りのプリントで、逆は必ずしも真ならずなんて…」「あー、もういい。聞かれたことだけ答えるように」と常務はこれからがオイラの本領発揮、あることないこといって煙に巻いて結局問題点はなんだったんだという詭弁テクニックをしっかり封じ込んだ。流石は研修の講師を任されるだけある、って当たり前だのクラッカーだが。

 「今、××君がちょっと言ったように教科書は10年に1回大きく変わります。細かく言うと1/4改定というのもあるけど、これはもう少し先で勉強すればいい。今の段階では10年に1回の大改定で教科書の中身ががらりと変わり、お母さんたちが習ったやり方と全く違うやり方で子供たちは勉強するんだ。だから昔算数や数学が得意だったというお母さんたちも学校の先生の教え方とは違った教え方をしてしまってかえって子供たちを迷わせることになる場合が多いんだ」と説明した常務は、例として「右」という漢字と「左」という漢字の書き順が違うとか、足し算の繰上りの考え方が違うとか具体例を入れて教えてくれた。そのあと教師用指導書を持ってきて、そこで今の算数・国語の教え方の違いなどを詳しく教えてくれた。

 「で、学校の授業で習ったことを全部覚えていればいいけど、それは無理だし、子供の集中力にも限界がある。そこで、家庭学習が必要になり、ただその家庭学習も分かるところだけやっても意味が無くて、分からないところを分かるようにしかもお母さんがヒステリーを出しながら教えるのではなく子供たちのペースで分かり易く学べるのがこのマイティーチャーなんだ」と話はやはり自社の商品に戻って行った。「つまり最初に君たちに質問したこと。このシートが何と言ったかという質問は学校の先生の授業だとすれば、君たちは聞きもらしをしてしまったわけだ。さあ、聞きもらしをしたらどうすればいい」と常務が聞いてきた。思わず僕は「聞きなおせばいい」と反射的に答えてしまった。

 にっこり笑った常務は「そう、聞きなおせばいいんだ」と言いながら、マイティーチャーのボタンの一つを押し続けた。また再生が始まった。『このシートではかっこを使った式の計算をします。(1)の問題を読みなさい』、もう一度ポーンとチャイムの音がして、またもや常務がガチャンと音を立てて機械を止めた。「ほら、聞きなおしができただろう。こういう風に聞きもらしたところが何度でも聞き返せるんだ。しかもこのマイティーチャーは決して叱らない。手を挙げて叩いたりもしない」などと当たり前だのクラッカーみたいなことを言う。「いや、それは当たり前…」と言いかけると、「何が当たり前だ?君はマイティーチャーをテープレコーダーなんかと同じように考えているだろう」「違うんですか」ちょっとキレ気味に僕は答えた。

 「違う、ちがう。マイティーチャーはプログラム学習の5原則に基づいて作られた視聴覚機器なんだよ。単なるティーチングマシンではない。」重々しそうに常務は言った。「プログラム学習の5原則、ですか」「そうだ、スキナー教授という心理学者は知ってるだろう」「え、いや、その心理学は般教で落としてしまって、いやその、教育学部ではなかったので」「なんだ、知らないのか、だったら黙って話を聞きなさい」

 というところで今日は終わり。さあ、プログラム学習の5原則などと、ちょっと硬い言葉も出て来ました。これからどうなるのだ、僕。

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コメント

知らないけど懐かしい感覚で

>農家の庭先にある机の上にバイブというかビブラフォンというか、あのマレットで叩くやつ

…マヂでんでん知らんです、うはは。。でもいいなあそんな農協のお知らせとか。のどか。おれの天草出身の友人は町に本屋がなくて、近くの家の庭先に「小学○年生」とか雑誌並べて売ってたっていってたです。関係ない話でどもども。

天下一品なんですが

鹿児島に出来てからだいぶ経つというのに、未だに行ってません。
気にはなっているのですが・・・
どうも色んな人の評価を聞きすぎてしまったようです。

本来なら、自分の舌で確かめるべきなのですが、食べた人の感想が「あれは...ラーメンじゃないナニかだ。」とか「九州人もビックリ的な脂っこさ」だとか、もう一体ナニがどうなっているのか・・・

そんなわけで、実際美味いのか不味いのか、近々確かめに行こうと思っているところであります。

しかし、ナニゆえこの動画でPet Shop Boysなのか?
しかも何故Always on my mind?
他に選択肢は沢山あっただろうに。。。

まぁ、久しぶりに聞けたからどーでもいいんすけどw

あ、ちょtっと訂正です

農家の庭先ではなく、勝手口の土間に置いてある机と書くべきでした。庭先だったら雨が降ったとき困るっちゅうの。で、何故このようにリアルに掛けたかというと僕の父方の祖父がこういう、なんていうのかなカントリーDJってとバンジョーの音が聴こえて来そうなのでローカルDJというか、早い話防災無線放送の担当者だったんですね。

夏休みとか冬休みに遊びに行くと、ときどき役場から連絡が入り、それを確認した後、例の鉄琴みたいなやつというか、あれは鉄琴そのものだな、それをチン・ポン・カン・ポーンと鳴らして、「皆様にご連絡します。本日は盆踊り大会の練習を麓公民館で夜7時から開催いたします。ふるってご参加ください。チン・ポン・カン・ポーン」てなもんです。ああいう、なんというか不特定多数にメッセージを送ることにガキの頃から興味があったわけですね。あ、爺さんがやってたのは勿論無給、いわゆるボランティアってやつです。それとも地区の役員というか、そんなのだったのかな。今となっては全く分かりません。

子供の頃ってのは妙なものにあこがれる訳で、もっと小さい頃憧れたのは母方の祖父で、郵便局で仕事しているわけです。そこに電報の連絡が入るのですが、まあ、無線ですね。その電報文を伝達するのに読み間違いが無いように「たばこのた、朝日のあ、ストーンズのす」とかいうわけです。あ、ストーンズはウソね。ああいうのもいいなあと思ってみていました。そうそう、それと切手に消印押しますよね、ああいうスタンプを押す音や動作が好きだったな。

で、今気がついた。どうも僕は小さい頃から無線関係が好きだったようだ。通りでパンタの「マーラーズパーラー」が大好きなわけだ。クラッシュの「無線衝突」も。

うーん、本家本元の天一を食わずに

鹿児島のフランチャイズを食べて、判断されるのもちょっとつらいかな。というか、ですね。この天下一品通称天一は、僕は北白川の本店で初めて食べたのは確か76年だったと思います。午後2時過ぎくらいの客もほとんどいない時間帯に、どうしてもおなかが減って、飛び込みで入り「大」を注文しました。ドン、って感じでテーブルに置かれたラーメンを見てクリビツテンギョウ。どろどろしたスープにメンマが4,5本、狸のキン■マを広げたのかと言いたくなるようなチャーシューが1切れ。それだけですよ、それだけ。その時はネギはプラスチックのざるから好きなだけ取って入れていいというルールを知らず、そのまま食べたらゲロマズ。だって丼に割り箸突っ込んだらズブズブと沈んでいく感じ。思い切って丼の中央に割り箸を立てたら、一瞬だが確かに立った。

それくらい濃いめの豚骨ドロドロスープに伸びきったようなメン、そして何故か印象に残らなかったメンマとチャーシュー。こんなもんラーメンじゃねー、と絶叫したかったけど空腹には勝てず完食。しかし二度と喰わぬと固く決心。

その決心が揺るいだのが79年だったか、烏丸中学前のアパートに住んでいた時。夜中に腹が減ってどうしようもなくなり、近くの天一に行ってチャーシューの大を食べた。その時はネギ入れ放題ルールを聞いていたので、親の敵とばかりに丼を溢れんばかりにネギをぶち込み、上からこしょうをかけて、ついでに辛子味噌という見るからにお前は赤軍派かと言いたくなるような真っ赤な練練の味噌を割り箸で掬ってぶち込んで食ったら…。至福の時が、ああ、何このスープの脂脂ぎとぎと、ドロドロ感。これはまさしく公害ヘドロに対するアンチテーゼではないか、チャーシューももしかしたらシャブで味付てるのと違うか、頭の中にドーパミンが増えていくのが分かる。ああ、世界の真理が見えた。シッダルタの見た世界はこれだったのか。

などというのはちと大げさだが、いつの間にか3課とあけずに夜食として食べに行くようになってしまった。そうなると、サイドメニューのから揚げ3本250円を最初に頼んで、当然ビールの大瓶も頼んでから揚げつまみにビール飲み、その後仕上げにチャーシューの大にネギ山盛り、辛子味噌べったりの生活を2年続けたら人間がダメになった。

というような覚悟を持って食べてほしい。そうそう、別件だが、僕がやはり学生時代にお世話になった京都王将のチェーン店が鹿児島の確かキシャバだったと思うけどあったよね。国分にもあったっけ。で、大阪王将は前から宮崎にもあったけど、こんどは京都王将系列の鹿児島王将のチェーン店が4/1からオープンしているらしい。何十年ぶりかで王将のホイコーロとギョーザというパターンで行く予定であるが、もしかしたらムースーロにするかも、いや待て、リーチもいいし、エンザーキも、と心は迷い続けるのだった。

というような長いコメを2つも書いたので今日のエントリーは休みます。

無線といえば

昔アマ無線にはまってました。
ぼくは最初のオンエアがモールスなんです。めずらしいです、これ。
要は話すのが恥ずかしかりやだったからですが(汗
で、いざマイクにぎったら名前は、かわせのか、りんごのり、大和のや、ですよ。
これはもう決まってます。「か」が為替って郵便用語なのはやっぱり電報から始まってるんでしょうね。
昔の郵便局はしぶいすよね。おれもバイトしたことあります。

あれ?なんでだろ?

こんなにも常識を覆したグルメリポートなのに…


全然食べに行く気にならねぇ(笑)

取り合えず、スゴく体に悪そうってのだけは伝わりましたw

チェックメイト・キング・ツー、チェックメイト・キング・ツー

こちらホワイト・ロック、どーぞ!!なんて、懐かしいコンバットでの無線のシーンですな。大体ヘンリー少尉かサンダース軍曹かどっちかが、でっかい水筒みたいな無線機を片手に持って連絡取りあってましたね。

話は一気に大学時代に飛びますが、僕は夏休みに帰省すると測量会社のバイトをしていまして、桜島の測量を泊りがけで何度かやったことがあります。あの広い溶岩地帯を機材を背負いながら動くわけですが、まだ携帯の無い時代だったのでトランシーバーで連絡取り合ってました。ズトさんのコメ見て、何となく思い出した話です。そういえばトランシーバーを英語でWalkie-talkieと呼ぶと習った時は、うーんマンダムじゃなかった、うーん納得でした。

なーに、オンナコドモみたいなこと書いてんだよ

奥方も手を焼くやんちゃなzappy君が、あの綱渡り的冒険主義者のzappy君が、「スゴく体に悪そう」なんて寝言書いてるんじゃねーよ(笑)。

男は身体を張ってナンボだろうが。かごんまの天一に突撃せんかい!!ちなみに、あそこの餃子をうまいといったのは広島は福山出身の後輩だけです。餃子は止めておくように。

今日のコメ返しは短いけど、眠いので更新は無しね。

我が家のある集落では、今現在でも、
ポンポンポンポ~ン♪   放送が入りましてよ。

老人クラブのご用事の時なんて、入れ歯を鳴らしながら話されるので、とっても趣があります (^^)

え、そんな土居中にお住まいで(笑)

土居中と書いてありますが、中学校の名前ではありません。念のため。いや、でも実際味がありますよね、あのチャイムのあとに、あ、今イメージしたらどうしてもおじいさんの声しか浮かんでこない。そういえば、あの手の放送では女性ジョッキーがいないような気がしますが、ワタクシの思い込みでしょうか。

ところでGPZさんも燐さんとこの近辺ですか?

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