連休最終日に贈るみやざき国際ストリート音楽祭レポート その1

 あっという間にゴールデン・ウィークも最終日である。今年は、いや正確に言うと今年も安・近・短で連休を誤魔化したのだが、いつもと違っていたのは、『みやざき国際ストリート音楽祭』が連休の頭にあったことだ。忘れないうちに、今日はそのレポートをアップしよう。ストリート音楽祭の母体になる宮崎国際音楽祭は今年で15回目になるのだが、ストリート音楽祭のほうは今年で5回目、僕が見に行くようになってからは3回目である。例によって、Y尾君と午後2時半に待ち合わせという約束をしていた。それと、前回ZEK3に一緒に行ったS藤君も誘おうとしてメールしたり、電話したりしたのだが当日までNo Reply(by 甲虫)であった。しかし、当日の午後1時前だったか、突然携帯が鳴り出るとY尾君が地獄の底から聞こえてくるような声で、前日から発熱して今布団の中でのた打ち回っている、残念だが本日はリタイアという意味のことを言ってきた。病気じゃしょうがないのでお大事にといって、僕は外出の準備をして家を出た。

 日の光はそれなりに温かかったが、風が結構冷たい。そういえば去年もちょっと曇り空で途中雨がぱらついたなどと考えながら、大きな橋を渡り歩行者天国の入り口のところをさしかかった。おっと、その前に毎年このストリート音楽祭は5月の連休の最終日に行われていたのだが、今年は県外の観光客も巻き込むという狙いから連休初日に変更になった。今年のイベントの実行委員長であり、いつも店内ライブでお世話になっているH高時計本店のH高社長が地元紙に語っていた。その成果はどうだったかというと過去最高の5万人の人出があったとのことだった。当日、現地でH高社長がステージによってはまだまだ人出が少ないとこぼしておられたが、最終的には多くの市民が音楽に親しむ機会が創出できたのではないか、良かった良かった、めでたし、めでたし。

 今回のストリート音楽祭の参加者をチェックして僕が組み立てた予定は15:25~16:15の宮里陽太スペシャル・セッション、16:30~17:30のJABBERLOOP、そして17:40~18:30のTOSHI NAGAIカルテットfeaturing向井滋春というパターン。実はaikoのボーカルも聞きたかったが時間帯がTOSHI NAGAIカルテットと重なっていてこちらは諦めた。初っ端の陽太バンドが15:25のスタートだったので、1時間前に会場を見て回りそれからと思っていたのだ。

 会場に入ると、路上でエレクトーンやアコギを演奏しているストリート・ミュージシャンが多く目に付いた。一昨年見かけた光景だが昨年は無かった。こういうミニ・ライブがたくさんあると華やかでよい。シンガー・ソングライター系のミニ・ライブも結構あり県北で人気の真北聖子さんもやっていた。今プログラムを見ると『サウンドフリーマーケット』という名前で4つのゾーンがあり宮崎市内外で活躍しているミュージシャンの発表の場として確保したようだ。そういえば、ハードコアパンクの3ピースバンドなんかもやってたけど、それなりに若い客がついていた。みんな思い思いに椅子に腰掛けたり中央分離帯に座り込んだり、マイクの前で手を振り上げたりしていた。非常に心和む風景だった。

ちょっと違和感あったけど、それもイベントの楽しさ

 目指すDステージに行く途中に何やら道路に人だかりがあり、そこに大勢の子供たちが座り込んでいた。なんだろうと思って覗き込むと『落書きストリート』というイベントで地面に長い紙を貼り付けそこに絵の具やクレヨンで自由にラクガキできるというものだった。しかも完成した作品は3日間限定で展示するらしい。ラクガキという言葉から山口フジオちゃんを思い出した。彼は身体を壊していたがどうなんだろうと今調べてみたら同じ5.2付けでタワー・レコードでのミニライブ(本人曰くリハビリ・ライブ)のことを書いていた。まだまだ本調子ではないみたいだがバンドで演奏できる日もまもなくのようだ。良かった、よかった。

なかなか圧巻でした

 陽太のライブまでまだちょっと時間があったので、会場である橘通りの一番北のほうまで歩いてみた。宮崎の町の真ん中の交差点のところに警察関係の車両が停めてあり、そこから通行制限が始まっている。普段、車しか通れない場所を徒歩で気ままに歩くというのは実に気持ちがいい。車に乗ってる人間が「天下の往来を誰が何の権利があって規制するんじゃ、ボケェ」などといって警察車両に突っ込まないかとワクワクしながら見ていたが、非常に残念なことに宮崎市民・県民は順法精神に富んでいるというか、簡単に言うと大人しくてシャイ(まさしく、僕の性格と同じだ!!)なので、そのようなハプニングというか、アクシデントは発生しなかった。しょうがないのでコステロの「アクシデンツ・ウィル・ハプン」を口ずさみながらDステージに戻った。途中、これも去年発見した焼酎チャリティ、つまりお金を払って焼酎のロックや水割りを戴くのだが、その代金は全額チャリティに寄付されるという素晴らしいタイアップ企画に異議なし、全面的に支持、ああ、インターナショナル我らがものと協力した。

 しかし、考えてみると5万人からの人出があり、その中で知り合いに出会うというのはやはりある程度運というか縁は異なものというか、何がしか人知を超えたものがあるのではないか。というのも、陽太のステージに、片手で焼酎ロックの入った紙コップを持ち歩いていたら、誰かに名前を呼ばれた気がして振り向いた。そこにいたのは1年前も偶然この会場であった知人夫婦だった。小さい男の子と一緒に、今住んでいる大阪からこの連休を利用して帰省してきており、このイベントを僕が再三勧めたことを覚えていてくれて、家族で見に来てくれたのだ。もっとも彼らも僕がそこを歩いているなどとはつゆ思わず、たまたま奥さんのほうが「drac-obさんも来てるはず」とか話題にしたらしい。僕はその声が偶然耳に入ったのだが、いや、やはり今考えてもちょっと不思議な気がする。彼らと少し立ち話をしていると、人ごみの中から陽太が歩いてきた。一杯入った勢いで声をかけた。

 真昼間からややハイテンションで紙コップ持ったオッサンに声をかけられた20代の男の子はどうするか。①シカトする、②スルーする、③無視する、ってどれも同じや、オッサン、真面目にやれや、堪忍、かんにん、キャインキャイン。…えーと、陽太君は一瞬怪訝そうな顔をしたが嫌がらずこちらの質問に答えてくれた。先ず気になったのは、今回のライブのメンバー。「キーボードは鹿児島から、あ、去年も一緒のやつです。ベースはど・ジャズのやつじゃなくて別のバンドをやってるんですけど、今回はスムーズ・ジャズで行くのでエレキベースを入れました。ドラムは、彼も去年出た小林出身の海太郎です」。おお、なんと陽太カルテットベストメンバーといっていいくらいのラインアップではないか。ピアノの松本圭使は去年ここで見て、その後の陽太カルテットで見たかったのだがタイミングが合わずそれっきりになっていたし、ドラムの海太郎は去年初めて見て、その若さに似合わないパワフルでテクニカルなドラミングにショックを受けた。その後、My Spaceで見た(聴いた)陽太がやってるクラブジャズのジェネレーション・ギャップが実にいいと言ったら「今年はやつらを宮崎に連れてこようと思ってます」という力強い発言があった。いいぞ、いいぞ、出来れば野外のジャズフェスみたいなところで聴きたいが、勿論、毎度まいどのライフタイムでも全然異議はない。今年のひとつの楽しみが出来た。

あ、 キーボードが映ってない

 陽太と別れて、ステージの席を確保しようと歩いていたら小さいお子さんを肩車した人とばったり出会った。陽太君の父君である。久しぶりなので、ご挨拶して立ち話。奥さん(父君の)と奥さん(陽太君の)を紹介していただいた。去年、H高社長の屋上庭園でお会いしているのだが(いや、宮里さんご夫婦とはたしかポレポレで初対面だったと思う)、改めてみるとお二人とも美しい。特に陽太君の奥さんは可愛い魔女ジニーというか、ハクション大魔王のあくびちゃんに似ていた。あ、これ褒めてるので、誤解無きように。時間が来て、ステージが始まった。僕は前から3番目くらいの席に、宮里ファミリーは最初、最前列にいたのだが演奏初めに陽太君ジュニアがぐずり始めて(ステージの父親の方に行こうとしていた。いつも一緒に居る父親が目の前にいるんだから当然といえば当然の行動だが)、回りの人に気を使ったのだろう、途中で立ち見の方に移動していた。

ソプラノ吹いてるから後半の演奏だな、これは

 挨拶ナシで演奏が始まった。ファンキーなナンバーだ。エレキベースがいい感じ出してる。こういう音は若い人たちに聴き易いだろう。陽太のサックスは久しぶりだが、やはり腹の底に響く。立て続けに2曲演奏して、陽太のMCが入った。「1曲目は『ファティーグ』という曲で疲労(fatigue)という意味の大学時代の曲です。」初めて聴いた演奏だったが、2曲ともスムーズ・ジャズを意識したと本人が言うとおりいかにもそれ風なサウンド。大学時代というと二十歳そこそこの頃だろうけど、いい曲作ってるな。しかし、この後の陽太の発言はその日最大の収穫だった。話した言葉全ては覚えていないが、今日はストリート音楽祭なのでスムーズ・ジャズ中心の演奏をしますが自分自身はバップでジャズを覚えたからバップが一番好きです、みたいなニュアンスだった。そうなのだ。男はバップなのだ。軟弱なソフトアンドメロウだとか、日和見フュージョンだとか、ウェストコーストだとか、脳天気野郎に用はない、とことんバップじゃ、ハードバップじゃ、などとオジサンは一人で快哉を上げていた。オンナコドモに受けるジャズばかりやってるんじゃねーよ、などとこれは余計だった。

イケメンのキーボード松本氏

 次の2曲はバラードで「クリーンアップ」という曲と、もはや定番になりつつある「ハッピーツリー」。ソプラノに持ち替えて吹く陽太の音の心地よさにすっかり出来上がってしまった。あ、焼酎のロックの影響もややあったけど。そしてラストナンバーはこれまた学生時代に作ったという「フトズビーチ」。日南海岸にある富土(ふと)海水浴場をイメージして作ったというメロディアスな曲。最初の方こそ、フレーズにナベサダを感じたが、途中からは間違いなく陽太の音。いや、自信たっぷりに信念持って吹いておりました。途中松本圭使のキーボードのソロも良かった(風で譜面が飛ばされ、演奏しずらそうだったのはちょっと残念)。そして圧巻は海太郎のドラム。いやー、叩く叩く。あなた、これで弱冠16歳ですよ、世が世ならまだ花の高校2年生。学園生活をエンジョイしているはずの歳で、ジャズバンドでドラム一本で喰っていくというその気合やよし。もっとも、音楽の演奏を文章で書いてもその良さ、凄さは伝わらないが今回はなんとつい先日のストリート音楽祭での陽太バンドの音源がYOU TUBEにアップされていました。YOU TUBEはアーティストの著作権上、いろいろ問題があるのは重々承知ですが、地元宮崎ジャズ界のボトムアップと更なる発展のため、ここは何卒ご承諾下さいと宮里ファミリーに土下座してアップさせていただく。ということで、このエントリーというかストリート音楽祭のレポート第一弾はここまで、続編は改めて。





 そうそう、書き忘れたけどラストの演奏でパーカッショングループが参加してサンバというか、カリプソというかとにかく中南米リズムあふれるいい演奏でした。1時間も無い演奏時間にメリハリとそれなりの盛り上がりも計算されたステージで、演奏終了後宮里さんに思わず「陽太君も貫禄出てきましたね」と話しかけたのであった。つづく。

これで16歳、後世畏るべし

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