5枚組みのパンはいかが?

 このところ学生時代のバカ話ばかり書いていて、ここ最近の日記を書いてなかった。今日は、久しぶりに身辺雑記でいくかと思っていたのだが、この土日(実はこれ先月書いたエントリーで、下書きのままほったらかしにしていたものです。したがって「この土日」というのは3/27,28のことです)でなかなかいい買い物というかブツを手に入れたので今日はその話を書いていこう。先日タワレコを物色していたときだ。このところCDはネットで注文するかフルモトで手に入れるというパターンで、いわゆるショップの棚を順番に眺めて品定めするなんてことがなかった。お金も全然余裕がない今日この頃なので、欲しいものはたくさんあるけど当然そんなに買える訳はないので、それぞれなんだかんだケチをつけながら見ていた。「お。岡林のコーナー、随分増えたな。ついこの前までは『狂い咲き』と『私を断罪せよ』しかなかったのに、うわ、ライブだけでも3,4枚出てるやないか。美空ひばりのカバーのやつはレコメンドになっとるぞ、こりゃ蔵が建つな」とか「なんや高田渡のアルバム、1枚しか置いてないやないか、もう商売にならんのか、薄情なもんや」とか「おいおい。清志郎で商売するのはいいけど、タイマーズまでフォローしてるのもいいけど、『夏の十字架』も清志郎の作品だぞ。あ、加藤和彦も大分少なくなってるな。賞味期限が切れたんか!くそったれ」。

 いえ、本当はあれも欲しい、これも欲しい(by ブルーハーツ)状態なんですが、何しろ懐が寂しいので、今日はゼッタイにこれだけはないとダメというものしか買っちゃダメゼッタイと自分自身にゼッタイの2重枷をかけていたのだ。で、とりあえず国内のアーティストのコーナーを1順して、次にガイジン(死語というかベサツ語か!?)のコーナーをAから順に回っていたそのとき、タワレコのレコメンドのところというか、いわゆる目の高さの位置にDVDだとか、雑誌だとかキャンペーン商品を並べている棚があって、そこに「今だけ2500円、ラッピングもします」なんて書いてあるコーナーがあった。「何が『今だけ』や、ボケェ、急がせる決め手で消費者の購買心を煽ったらあかんぞ、こら」などと心の中で毒づいていたのだが、そこに並んでいるCDの魅力的なこと。5枚のアルバムが1セット2500円で、さらにペーパースリーブ製である。ミュージシャンもリッキー・リー・ジョーンズやドクター・ジョン、リトル・フィート、オーティス・レディング、ハリー・チェイピン、プリテンダーズ…。またもやあれも欲しい、これも欲しいと頭の中で歌い始めたそのとき身体が固まった。目に飛び込んできたのはB-R-E-A-Dという5文字。「ブ、ブレッド、もしかしてあのブレッド。ベスト盤買おうと思いながらも、どうしても選曲に納得がいかず、単品でファーストとサードだけ買おうと考えてウィッシュリストに入れたまま幾星霜、あのブレッドの1枚目から5枚目までがセットで2500円?貝です、Shellです。違う、買いですこれは」

どやっ、これで2500円。但し歌詞カード無し!

 ということで、手に入れたブレッドのセットをここのところ毎日聞いている。いやー、いいんだよな、これがまた。このグループを初めて知ったのは「イフ」の大ヒットからだと思う。高校に入ったばかりの頃、同じクラスだった友人(注:先日ZEK3の宮崎ライブを一緒に見たS藤君でした)からシングル盤をまとめて安くで売ってもらったことがあり、その中にこのシングルが混じっていた。なんともいえないフワフワしたイントロとファルセットの効いたボーカル、そして歌詞もちょっと洒落ていて気に入った僕はなけなしの小遣いを貯めて(今、ふと気がついたがこの当時からお金に不自由していたのだ。うーん、根っからのルンペン・プロレタリアートだったんだ、僕は)、彼らのLPレコードを買った。それが3枚目のアルバムである『MANNA』だった。『MANIA』ではない。表ジャケットは教会の入り口みたいなところにメンバー4人が映っている写真だったが裏ジャケットは家内製手工業時代のパン屋みたいな点描画だった。ライナーを読むと「MANNA」とは神様用のパンのことだと書いてあり、アルバムタイトルも『神の糧』という仰々しいものだった。

 しかし、「イフ」のようなソフトロックというか、甘いバラードを期待して聞いてみたら1曲目、2曲目は結構ハードなロックサウンド。もっともワウワウやファズを多用しているのがいかにも70年代前半的。アルバムの中の曲も「イフ」的なものとちょっとハードでR&Bのフレイバーがあるものとはっきり分かれる。どうもデビッド・ゲイツってやつが作る曲は甘口、ジェイムス・グリフィンというのとロブ・ロイヤーというコンビが作るものが辛口担当のようだった。この感じ、何かに似てるなと思って良く考えてみたら、10ccにおけるスチュワート・グールドマン対クレーム・ゴドレーの関係に似ているのだ。「砂糖菓子に蜂蜜ぶちまけて食う」(by 僕が1回生のときの先輩のA部さんがデレク&ザ・ドミノスの「レイラ」を聞いていった感想)ような、ひたすら甘いだけのサウンドにきちっと楔入れてたのが、ブレッドにおけるグリフィン・ロイヤーチームだった。もっともこのお二人が2005年で亡くなっていたとは知らなかったが。

 で、乏しい小遣いの中で買ったアルバムだったので『神の糧』は良く聞いた。トータル・アルバムというのではないが、非常に変化に富んだ楽曲も多く、ブレッドというバンドの持ち味を見事に表現したアルバムだった。今にして思うとサード・アルバムというのは、そのバンドの実力が一番試されるものではないのだろうか。ミュージシャンにおける1枚目の作品とはアマチュア時代というか下積み時代に作りおきしていた楽曲やアイデアがほとばしるものがぶち込まれた、相当に凄いものが出来ることが多い。セカンドアルバムってのも、ファーストの延長プラス多少の変化球でナントカなる。どっこい、サードアルバムってのは、全くまっさらな状態で勝負しなけりゃならないので、そのミュージシャン(バンドでも同じ)の真価が問われるものになる事が多い。このあたり、あなたのお好きなバンドの3枚目のアルバムを連想して欲しい。その3枚目がお気に入りのアルバムであれば、そのミュージシャンがあなたにとってのマイ・フェイバリット・ミュージシャンであるはずだ。

 などと、まるで「ロック評論家」みたいなことを書いてしまったが、実はブレッドは3枚目のアルバムが大変気に入った後、シングルで大ヒットした「灰色の朝」が聞きたくて溜まらず1枚目のアルバムも買ったのだ。

 1ドル札の中にメンバーの顔写真が入ってるという人を喰ったようなジャケットで、シングルジャケット。エレクトラのアルバムはダブルジャケットがなくて、なんだか物凄く損したような気になったものだ(そういうのってありませんでした?なけなしのお小遣い、大枚2千円も出して購入するアルバムなんだから見開きで内ジャケットにも写真やイラストがあって欲しいとか、歌詞カードというかライナーも厚いもののほうがありがたいというか、そういう意味でユーザーを一番喜ばせてくれたのはエルトン・ジョンのアルバムでした。ジャケットの紙もしっかりしていたし、歌詞カードはちょっとした冊子だったし、写真はやたらふんだんに使ってあるし。もっとも残念なことにエルトンのアルバムの写真は、その枚数が増えるのと反比例して頭髪が後退していくという厳しい現実もありました、って話が飛びすぎだ)。

 それで大喜びしてファースト・アルバム聞いて見ると、既に当時確立していたブレッド=ソフト・ロックの大家、というイメージではなく結構ハードな音やデビューの69年当時にシンセなど導入した音作りもしていてちょっと驚いた。さらに、それまではほとんど気にしていなかった歌詞がどうもやたら皮肉っぽいというか、裏側に込められた意味は決して性善説じゃない、ということが分かってきた。そもそも「Dismal Day」ってのは二日酔いで気分の悪い朝という意味じゃないか、ってのが分かったときの驚き。何しろ、高音のハーモニーとコーラスで完璧なシングル、それとあまり評価されてないけど間奏のベースラインが渋くて、至福の2分19秒は考えようによっては物凄く厭味だったのだ。で、ここに歌詞を載せて意訳して、腐っても元英文科の意地を見せたろか、と思ったがそういうのは面倒なので、何かと参考にさせてもらっている「本町受験英語」さんのページをリンクしておくので、興味をもたれた方はどうぞ。さらに、蛇足のオマケみたいなことを書くと、僕たちポンニチでは「Bread」というと「ロバのパン」だとか、いわゆる「パン」(これを2回重ねていうと、なにやら女性ベサツの言葉になるらしい。使用例としては、対面している女性に「このパン×2回」と大声で発生してみると分かるかと思います)、というほんわかしたイメージしかないが、本来の英語圏ではもっとシビアな意味で使われることが多いっていうか、そういうニュアンスなのだ。「人はパンのみにて生きるにあらず」という言葉もあるし。もっともこのフレーズを筒井康隆だったか「人はパンの耳のみで生きるにあらず」などとおちょくっておりましたが。そりゃパンの耳だけじゃ生きて行けん罠。



 えーと、3月末に書き始めて、それからほったらかしにして何度か書き込んだこのエントリーですが、いよいよまとまりがつかなくなって、どうやって終わらそうか迷っている今日この頃ですが、実はこのエントリー用に書こうとしたくすぐりがあって、それはファーストアルバムのライナーノーツに書いてあったことなんですが、アナログのレコードは実家の倉庫にしまいこんでいてどこにあるか分からず遂に見つけきれませんでした。したがって僕の高校時代の記憶を頼りに書いていくので、かなり間違っているとか意味合いが異なるかもしれませんが、とにかく事実関係よりも面白さに比重を置く拙blogとしては、文責無しで書きます、ってしつこいなオッサン。

 というのも、えーと、72,3年くらいのブレッドに対する評価はデビッド・ゲイツの大甘路線でヒット曲を連発していてそこそこ勢いのあった頃なので、ライナー書いた人も相当リキ入ったんでしょう、69年のデビューアルバムがチャート上で全くの不振だったことをどう書いたか。以下は記憶をたどってます。『…、このブレッドはデビューした時期が不運だった。69年といえばクリームを解散したクラプトンがトラフィックのステーヴィー・ウィンウッドらと「ブラインド・フェイス」を結成した年だし、サウンド的にも比較されやすいクロスビー、スティルス&ナッシュがデビューしたのも69年。そういったスーパー・グループのデビューの影に隠れてブレッドのデビューアルバムはほとんど評価されなかった…』。えー、これを読んだ僕はあることわざが頭に浮かんだ、いわく「ひいきの引き倒し」。いや、ブレッド好きなのは僕もそうだけど、比較対象がブラインド・フェイスやCS&Nじゃねー、ってか土俵が違うでしょ。ま、例によって最後はグダグダになったエントリーですが、このブレッドの5枚組み買って損はしません。ご購入はお早めに。ちなみにバラで買おうという方は僕的には1枚目が一番のオススメです。次は3枚目かな。というところで、次回はきちんとした音楽話を。そうだ、昔目指していた若手ロック評論家スタイルでいくぞ~、って毎回掛け声ばっかりやないかオッサン。かんにんや、キャイン、キャイン。それと最後に「灰色の朝」を聞いてる子供が絶叫する動画が以前YOU TUBEにあったので、それを貼ろうと探したらバックにフルコーラス流れてる動画があったので貼っておきます。この子供の踊り、音楽にあってるのか微妙なところにアジがあります。


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コメント

この5枚組みセットはいいですね!僕もモンキーズとか狙っています。何種類も出てるんですよね。

今晩は。ワーナーとかいろんなレーベルから出てるみたいで、僕は偶然タワ×コ(今更伏字にしても意味ないか)で見つけたんですが、その後のタワ×コのメルマガで他のミュージシャンのものも知りました。惜しむらくは紙ジャケが安っぽいのと歌詞カードが無いのが…って、1枚500円だから文句は言えないですね。
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