幻野から遥か遠くへ 続「俺たちに明日はない」

 10.21(国際反戦デー)に発売予定だった頭脳警察のアルバム発売が遅れたのは、「歌詞カードの誤植」が原因だったらしい(NACHT MUSIK 3RDより)。アマ×ンに誤爆をしてすまなんだ、ああ、すまなんだと拳キチのおっちゃんのフレーズでお茶を濁す。で、今日の新聞を読んでいたら、なんと日本人男性の喫煙率が戦後最低になったらしい。戦後って、何時の戦後だ、応仁の乱か、などという寒いギャグは止めておく。こういうネタは細川の殿あたりに任せておけばいいのだ。あ、今ネットで調べなおしたら、「戦後最低」ではなく「過去最低」であった。それで過去って何時だよと調べてみたら、なんだ、たかが1986年以来だ。しかし、男性喫煙率が36.8%ということは、ざっと3人に1人しか喫煙者は居ないという計算になる。また天下を取った鳩山総理も「(タバコの)税収が減ったとしても健康の方が大事だ」、などとのたまっている。喫煙者にはつらい時代がやってきている。あ、僕はタバコは、もう止めて5年は過ぎて、日常生活は非喫煙者ながらも行過ぎた禁煙ファシズムとは断固闘うという姿勢をキープしている。こんなこと書くと燐さんからお小言頂くのだが、そこは頭脳警察のアルバム発売に免じて許して欲しい。

 などと訳の分からないことを書いているのは、昨日の続きでアルバム『俺たちに明日はない』の紹介、6曲目の「BRAINWASH」だ。「BRAINWASHED」なら、ジョージの遺作になるのだが、関連性はない(と思う)。ちなみに「BRAIN SALAD SURGERY」ならEL&Pで、こちらはますます関係ない。あ、ELPといってもレーザーターンテーブルの開発、販売をやっている会社の話ではない。などと、補足しなければならない時代がくるとは、あの70年代では想像もつかない時代に僕たちは生きているのだ。って、なんかこんなフレーズ昨日も書いたような気がする。いえ、『TVなんかにコケにされ K察に嘘作られ すぐに流行に乗せられて 歴史はバカが作り出す』というイントロから、『ウイルス撒いてソフト売る タバコを責めて大気汚染隠し 自分で住みにくくしてる だってだってオレ達バカだもん』という皮肉たっぷりなラス前まで、さあどっちがどっちを洗脳しているのか。しかし、ここでのパンタは「バカ」という言葉を吐き捨てるように歌っている。尚、e-daysのインタビューにタバコを旨そうに吸うパンタの写真がアップされている。

 7曲目は「ヒトを喰った話」。お、ひかりごけの話か、それとも佐川君の話か、いやいや映画の話かと思ったが、どうも近頃流行の「草食系」とか「肉食系」なんていう分類(?)のことを指しているようだ。あれは、良く分からないというか、積極的に分かりたくないというか、なんなんだ一体。草ばっかり食ってるのも嫌だし、肉ばっかり食ってるとコレステロールが溜まる。そういうときは「ヘルス・エンジェル」だ、などと話がP-Modelになりそうだ。で、おまえはどっちだ、という声が聞こえるが、しいて言えば「悪食系」というか「雑食系」だな、多分。昔から女の趣味が悪いと、いや、その、これは余計な話であった。わはは。

 曲と演奏の感じは「コミック雑誌なんか要らない」に近い。ギターもあえてチープな音を出しているし、ピアノもそれ風だ。『クサばっかり喰ってんじゃねぇ ニクを喰え サラを喰らえ ドクがおまえをまともにするさ クダばっかり巻いてんじゃねぇ メスを喰え ヒトを喰え』などと『喰えない』歌詞が延々と続く。肝心なところは全部カタカナにしてあるが、それが余計込み入った連想を促す。

 このアルバムの中でもひとつのハイライトである8曲目、「赤の女王」。最初、単純に重信房子のことかと思ったが、ことはそう単純ではなさそうだ。サウンド的にもシュールというかアヴァンギャルドなどという死語を思い出させる。リズムの展開もユニークで面白い。ギターも唸っているね。歌詞的には古くからのパンタファン、頭脳警察ファンにはニヤリとさせられるものが多い。『夢物語に枝折り挟んで 戦士の伝記を口ずさんでる 一角獣からたしなめられても 支配の鎖 引きちぎれ それが水晶の鎖としても』。一角獣?ユニコーン、T・REX、マーク・ボラン。水晶の鎖?クリスタル・ナハト、ベルリンの壁…。このあたりは、お好きな方にはたまらないPantax’s Worldである。

 駆け足になるが9曲目、「黒の図表」。イコライザーを使っているのか、ボーカルがテクノっぽい。先ほどP-Modelに触れたが、それよりもっと今風な、そうPerfumeっぽい。しかし歌詞のほうは「美術館で会った人だろ」のアンサー・ソングみたいで面白い。まあ79年、80年の歌に今更アンサー・ソングでもないだろう。途中で入るエレピはドアーズを連想させるな。あ、ドアーズも血のイメージあるよな。『淡い緑 深い緑 色とりどりの 街の賑わい おまえが望んだ世界だろ おまえが選んだ未来だろ 美術館に隠れたら 美術館に隠れたら 神の奴隷で溢れかえっていて 時間に囚われ 額に繋がれ』。

 いよいよラストナンバーの「残照」。曲調はアルバム『反逆の軌跡』に入っている「今はすべてを忘れて」を思い出した。あの曲も初めて聞いたときはパンタもこんな歌を作るのかという新鮮な驚きがあったが、驚きの度合いはこの曲のほうが上だ。まるでパンタとトシの人生の総括だ。『まだ夢を見てる奴 あきらめた奴 みんなイチから始まり またイチで終わる 声をなびかせ そよぐキミの横顔 さあ もう一度乾杯 俺たちの人生に 夜明けは遠くに消え去って はるかな友へ いま何を想う』。まさか頭脳警察を、パンタをここまで長く聞くとは思わなかった。30過ぎたら立派な大人になって、ロックなんかからは足を洗うもんだと思ってた。いや、そういう世の中の流れだと思っていた。40過ぎたら惑わないものだと思っていた…。全然話が違ったオレの人生だけど、さあもう一度乾杯、オレ(たち)の人生に。

 ボーナス・トラックで入っている「俺たちに明日はない」は、パンタのギターとトシのパーカッションだけで演奏されている(エレキも多分パンタだと思う)。まさに初期頭脳警察のサウンド。歌詞もこっちのほうがカッコイイ。そう、頭脳警察はカッコイイのだ。オマケに三里塚での頭脳警察のライブを貼っておきます。このときの若者達が「俺たちに明日はない」などと歌う日がやってくるとは…。



スポンサーサイト

コメント

また昔話ですみません

故M原君三兄弟と大阪城野外音楽堂で観た1990再結成LIVEを
思い出します。
「悪たれ小僧」からの曲を 結構やって、レコードでは
「生死をかけて何をかいた?」の所を 
「SEISHIばらまいて マスをかいた」と 歌ってました。
(こう言うのまで禁止用語で コメント はねられるとは不便ですな。
漢字でないと 痛快さがつたわりませんので、
 頭の中で 漢字に変換して下さい。)
「頭脳警察7」の紹介で PANTAが、
「なお、”帰ってきた”は 付いていない。」と
ギャグを飛ばしたのですが、聴衆に受けず、すべってました。

DRACで T岡さんと言う地味目な女性が 限定リリースの
頭脳警察 1STを 最初に手に入れたのが、驚きでした。
そのLPを みんなで また貸ししまくって、じゃりじゃりにしてしまったことと 
放送局だったか、文連の誰かが持ってた「セカンドアルバム」と
「幻野祭」の二枚組LIVEを同じく DRAC内で また貸ししまくって、
私もダビングさせてもらったことを思い出します。
正式に 再リリースされるまで、お宝のテープでした。

おお、懐かしい思い出ですね

故M原君の話も懐かしいのですが、T岡さんも懐かしいですね。僕が3回生のときの新入生でした。大人しい目立たない子でしたが、熱狂的な頭脳警察のファンでしたね。彼女とファーストの話をしていて、どの曲が好きかと聞かれて「言い訳なんかいらねえよ、てめえのマ×コに聞いてみな」ってのは凄いよなと、まるで同性に話すような感覚で延々と話をして、相手はうら若き乙女だということにはっと気がつき、「いやいや、やはりブルジョワジー諸君とか、道なき道を、がええな、うん」などとフォローしたことを思い出しました。ちなみに彼女は革命家ではなくて、僕たちの作ったミニコミの熱心なシンパでした。

>文連の誰かが持ってた「セカンドアルバム」と
「幻野祭」の二枚組LIVEを同じく DRAC内で また貸ししまくって

あれ、文連でしたっけ?商学部のH本が借りてきたのは間違いないけど、僕は新聞局だったか放送局のやつから借りたと思っていました。guevara129 さんがもしかしたらご存知かもしれませんが…。

持ち込んだ人の顔は思い出すのですが、名前や所属はあまりよくおぼえていません。たしか、『日大闘争の記録』というとんでもないLPといっしょに4FのCSのボックスに持ち込まれたように思います。CSにはプレイヤーがなかったので放送局で聞いた記憶があります。少なくても新聞局の人間がもちこんだものではないと思います。
 実はその持ち込んだ人、去年西部講堂での頭脳警察のライブで顔を見かけました、記憶があいまいなので、声をかけそびれてしまいました。

おー、素早いレス、ありがとうございました

今日のエントリーを書いて、さて終りにしようかと思っていたら、guevara129さんのコメントに気がつきました。『日大闘争の記録』は、回ってこなかったですね。H本が、結構無理をいって借りてきたのはいいのですが、まあDRACのココロあるロックファンの間をライク・ア・ローリングストーンとばかりに転げ回り、また事実僕がレコードを落として割りそうになって大慌てしたことがありました。

しかし、おかげさまで当時は幻の名盤といわれた「頭脳警察セカンド」と「幻野」をしっかり聞くことが出来ました。「セクトブギウギ」なんか未だに口ずさむことありますよ。♪民コロ、ケルンパ、フロント、ブント、男が女にシャセイドー、アカ軍ぽしゃって革○体操、セクト公害ナンセンス~

この前の驚愕

T岡さんという名前ではないですが、「リュートの演奏が趣味の薬剤師」でカマトトを絵に描いた公家みたいな顔のおばさんが「頭脳警察のコンサートによく行った。この前も行った」と言ったのでビックリ仰天でした。
そのおばさん、10回ぐらい会った記憶があるのにどうも人の顔をあまり覚えない人らしく、また忘れられており、「いいですよーだ、こんなおばさんに顔覚えられトランでも」と冷ややかに接していたのに、その一言で俄然彼女の言動に興味を覚えてしまいました。もっともその人ずっととろくさーくおじょうひーんに話しているので、結局その落差を理解できぬまま会もお開き。
世の中ワカランもんだと帰宅しました。

意外なところにいる頭脳警察ファン

T岡さんも、多分ご結婚されてるはずだから姓は変わっていると思いますが、彼女は確か文学部だったので薬剤師にはなってないと思われます(笑)。

人は見かけによらないといいますが、何を隠そうこのワタクシこそ見た目は典型的ながり勉タイプでロックなんかゼッタイ聞かないように見られていました。いや、今に至っても、です。まだ30代だった頃バイトの学生にロックの話をしたら「無理してあわせなくていいですよ」と言われ、頭に来たので「アナーキー・イン・ザ・UK」を歌ったら、今度は逆にアブナイ人間だと思われて、敬遠されました。

でも結構パンタのファンって意外なところにいるんですよ。
非公開コメント

プロフィール

drac ob

Author:drac ob
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

QRコード

QR

鳩時計

フリーエリア

ブログ内検索