長崎ぶらり旅 総括編その2

こちらは帰りに乗った特急「白いかもめ」
 諫早を過ぎて、浦上に着くと景色は完璧に長崎であった。どういうことかというと山の上までずっと家が建っていて、人口密度ならぬ家密度がかなり高そうな景色という意味だ。それと余談だが今回の旅行で乗った特急列車「かもめ」は何とA列車だった。「テイク・ジ・A・トレイン」だったのだ。デューク・エリントンだぜ。どんな列車だったかは前回のエントリーで少し触れたが詳しくはこちらを参照して欲しい。どうりでココロ浮き浮きした楽しい列車の旅だった。そしてついに長崎駅に到着した。予想よりこじんまりした駅だった。「かもめ」から降りると線路が行き止まりになっていてその先に改札口があった。時計を見ると予定より5分早く、15時55分だった。すぐにホテルに行くのも勿体ない感じだったので、コインロッカーに荷物を置いて1時間駅横のデパートで買い物をすることになった。

 母と配偶者は二人して何か見たい(買いたい)ものがあるようで、長女もその中に入りさっさと専門店街に入っていった。僕は携帯からエントリーを送り、それからデパートの2階にあったタ○レコに入った。もっとも駅の歩道橋越しに「本○らけ」があるのはしっかりチェックしていた(長崎駅の前には大きな歩道橋、しかもどういったらいいのかいろんなビルや道路に直接つながる、ええと立体交差といえばいいのか、まあ複雑に交錯した歩道橋がかかっており、その中央部分は通路というよりちょっとした広場であった。座り込んでギターを弾いているストリートミュージシャンもいた)。タ○レコは、いずこも同じ秋の夕暮れであり、あまりぱっとしたものは無かったが、悲しい習性でエサ箱を一人で夢中で探っていた。ふと隣に人の気配がした。驚いて振り返ると長女で、配偶者達と一緒に買い物するのは飽きたという。「本○らけ」に行くかと聞いたら二つ返事で乗ってきた。しかし嫌になるくらい僕の行動パターンと同じだ。何も長崎に来てまで「本○らけ」に行かなくてもなあ、と思いながらも足取りは軽かった。

 ビルの2階に入っているその店舗は、蔵書の数もなかなかではあったがいかんせん時間が限られていたのでゆっくり見て回れなかった。中古CDは最初どこにあるか分からず、ずいぶんうろうろしたが、何のことは無いレジの前の大きな本棚の1面が全てCDであった。しかしながらめぼしいものは無く待ち合わせの時間が近づいたので集合場所の駅前に戻った。みんな結局ウィンドウショッピングだけかと思ったら、母だけ大きな紙袋を持っていた。聞いてみたら文明堂があったので、早速カステラとヨーカンと、ドラ焼きなどを買い込んだようだ。駅からタクシーに乗ってホテルに向かった。ホテルは稲佐山のほうにあるのだが、そこに行くまでの道は流石長崎であった。つまり急な坂や細い路地が多くて、こりゃ運転は大変だと思った。タクシーは良く見たらマニュアル車である。半クラッチが上手くなることだろう。運転手さんはあまりおしゃべりなほうではなかったが、それでも長崎のことをいろいろ教えてくれた。あまり商売気がないのだろうか、観光するのにタクシーは高いから電車を利用したほうがいいなどと言っていた。坂の多さは長崎の特徴だが、そのせいで原付バイクがやたら多い。逆に自転車はほとんど見かけない。運転手さんに言わせると長崎の人は自転車がこげない人が多いそうだ。また原付のナンバーは5桁である。それだけ原付バイクが普及しているというか坂の多い長崎には必需品だそうだ。この5桁のナンバーは写真を撮っておくべきだった。
駅の歩道橋

 稲佐山登山道入口と書いた石碑の横を走るときに、運転手さんがこのすぐ近くに福山雅治の実家があり、休みの日にはファンの女の子が写真撮ったりしてると教えてくれた。その家は翌日のタクシーの運転手さんがわざわざ回り道して止まってくれて、おかげで写真を撮ることが出来た。そこからホテルまではすぐだったが、このホテルも急な坂の上にあり道路から50メートルほど登ったところにあった。タクシーが止まると、すぐにホテルの人がドアを開けてくれた。相手を見て驚いたのは、まだ若いオネーサンだったことだ。この手の観光ホテルのドアマンは男の人というイメージが強いのだが、このホテルは女性スタッフが結構いた。皆、笑顔が良くて挨拶や礼儀がきちんとしていた(長崎は美人が多いということをヒトコト報告しておきたい。Purple_Hazeさん、一編行ってみたら?)。荷物をキャリーに積んで、エスカレーターで3階のフロントに行った。時間は5時半を回っており、旅の疲れと空腹でチェックインを早く済ませ、お風呂を浴びたらすぐメシだと気分はルンルンだった(表現が古いな)。しかし現実はそう甘くなかった。

 フロントにいたのは60前くらいのオールバックの男の人だった。こちらの名前を言うと、一瞬怪訝な顔をしたが、すぐに「ああ、宮崎の中学校の付き添いの方ですね」などと言って来た。こちらは応援に来たのであって、付き添いのつもりではなかったが説明も面倒だったので適当に返事をした。部屋のカギと翌朝のミールクーポンを渡してくれたが、その間一切顔を合わせない。けったいなオッサンやなと思いながらも、「晩御飯は何時から?出来れば部屋食がいいんだけど」と言うと、右肩がピクリと動き無表情な声で「夕食は伺っておりません」と答えた。「え、メシは別か」と一瞬あせった。このホテルの予約は次女の学校のツアーを企画した旅行会社の担当者が取ってくれたはずで、その交渉は配偶者に全て任せていたのだ。僕は結構諦めのいいところがあって(いや、事と次第によりますが)、「じゃ、ホテルのレストランでいいか、せっかくだから卓袱料理が食べたい」といったところ、このオヤジは「本日はレストランも一杯です」と冷たく答えた。「何ぃ、ということはまた町まで戻って食事しろというのか」とちょっと気色ばんだら、周りの若いスタッフが慌てて「いやこれからちょっとレストランや厨房と相談して、なるべくご期待に沿えるようにしますので、とりあえずお部屋でゆっくりされてください」とフォローした。その間クソオヤジは一切視線を合わせない。というか顔を上に上げず、ずっと下の帳簿か何かを見たままだ。2泊3日の旅の中で唯一不愉快だった記憶だ。

 部屋は9階の一番奥にあった。12畳の和室で、その奥のベランダの前に3畳くらいの板の間が付いていた。窓から見える景色は素晴らしかった。長崎港がいや、長崎の町が一望できる素晴らしい景色だった。このときは6時前でまだ日が差していたのだが、この部屋から見える景色の素晴らしさは太陽が沈んだその後にあった。噂に名高い長崎の夜景だ。中学の修学旅行のときにバスガイドさんに教えてもらった「長崎の夜はむらさき」という歌のフレーズが浮かんできた。部屋でお茶を飲んでいたらすぐに電話がなり、先ほどのフロントの若い女性が丁寧にお詫びを言って来た。話を聞いてみると今日は、合唱のコンクールに参加する中学の生徒や父兄の予約で一杯で、レストランも部屋食も無理だとのこと。ただこれからまた外に出て行って食べるのは大変なので、子供たちと一緒のメニューでホールでの食事だったら大丈夫、今日迷惑をかける分明日は必ず部屋食が出来るようにする、という内容だった。ナイスフォローじゃないか。クレーム処理はかくありたい。いや、電話してきたのが先ほど見かけた若くて可愛いオネーサンだったから甘くなったわけではないことを断言しておく。
ホテルから長崎の街を見下ろす

 食事の問題も片付いたので、お風呂に入ることにした。ホテルの案内書を読むと3階と4階に露天風呂が都合3箇所あって、時間帯で男女を分けているようだった。この時間に空いてるのは3階の大浴場だったので、さっそく浴衣を片手に出かけた。暖簾をくぐって脱衣室に入ると、ざっとみて3,40人分くらいのロッカーがある。入っているのは2,3人という感じだったので、さっさと服を脱いで浴場に入った。透明なお湯だったので温泉とは思わなかったが、後で説明書を読んだら冷泉を湧かせているとのことだった。疲れが一気に取れていく。ぼんやり外を眺めていたら、ガラス越しに露天の浴場が見えた。サッシの開き戸を開けてそちらに入った。目の前を長崎港が見える。その景色を眺めながらの露天風呂は誠に気持ちが良かった。夕方6時過ぎというと、会社では電話や連絡がひっきりなしに入ってあわただしい時間帯だが、僕はこんなところでのんびりしている。ああ、なんという解放感だ。これこそが旅の醍醐味。日常から非日常への、いわばステアウェイ・トゥ・ヘブンである。

 いい加減のぼせそうになったのでお風呂から上がり、部屋に戻った。その途中で次女の部活の先生と配偶者がソファで喋っているところに遭遇した。挨拶して通りすぎようとしたら、配偶者が僕を先生に紹介した。僕の顔を見た先生は「あらー。娘さんはお父さんそっくりですね。でも、動作はお母さんそっくりですよ」などとのたまった。長女は僕に顔が似ていると言われるが次女は顔も性格も配偶者そっくりだとみんなから言われているのでちょっと驚いた。やはり他人から見ると、そう見えるのだろうか。しかし動作はお母さんそっくりというのはどういう意味だろう。

 母や配偶者もお風呂を済ませ、長女も一緒にホールに食事に行った。結構大きなボールルームで、中華料理の円テーブルが10卓ほど出してあり、各テーブルの真ん中に○○県××中学と学校名がかかれていた。見ると鹿児島、宮崎の中学ばかりだ。次女達のテーブルのすぐ隣に、今回付き添いとして参加したお母さん方がいた。僕達の席もそこに在った。配偶者は当然全員知ってるが、僕と母は初めての人たちだったので挨拶して席についた。出されていた料理は長崎だけあって皿うどん、牛肉と野菜の炒め物、鳥のから揚げ、サラダなどだ。子供たちの喜びそうなメニューだが、メタボ解放闘争を全力で取り組んでいる僕には子供だましとしか思えなかった。しょうがないからビールでもと思ったが、場の雰囲気で注文できそうにない。しょうがないからどんぶり飯にフリカケかけておかずと一緒に掻きこんだ。そうそう、付き添いのお母さん方は5名ほどいたが、中に一人だけいいなと思う人がいたが、流石に母、配偶者、子供のいる前では何も出来ない。いや、イナクテモ何も出来ないんだけど、とりあえず見栄で書いてみただけ。

 しかし、料理の味はともかく量は多かった。なにせ育ち盛りの中学生用に作ってあるから、食べても食べても減らない。残すのはもったいないが、腹も身の内である。しかし、こういうところが先生だろう。テーブルに出されたものは全部食べないとダメだと鶴の一声がかかり、子供たちも必死で食べていた。それでも、皿によっては残っているものもある。食事の間ずっと僕をスルーしていた次女だが、このときばかりは「父ちゃん、これ食べてくれ」と助けを求めた。僕は毅然と断った。父親はスルーされると傷つくのだ。

 いい加減お腹がパンパンになった状態で部屋に戻った。部屋のドアを開けて、間仕切りのふすまを開けた瞬間息を飲んだ。そこから見える夜景の素晴らしさに言葉が出なかったのだ。長女と二人携帯とカメラと引っ張り出して何枚も写真を撮った。最初はフラッシュを焚いたせいで反射して写らなかった。フラッシュを切って、部屋の電気も消して写したらなんとか撮れたが、やはり夜景はその撮り方があるようで自分の目で見た美しさを写真として残すことは出来なかった。ちょっと大袈裟だが小1時間は景色に見とれていた。特に明るいうちは気が付かなかった右手にある大きな橋がイルミネーションでライトアップされていて、その点滅する姿はなんともいえない幻想的な風景だった。ずっと先の山手のほうを見ていると時々小さな光が動く。車のヘッドライトだ。あの小さな明かりの中に人がいて運転してどこかに行こうとしていると考えると、なんだか不思議な感覚にとらわれた。

 さて、明日はいよいよ長崎観光と合唱の応援である。用意周到な僕は前日、本屋で「まっぷるぽけっと長崎」という新書サイズのガイドブックを購入していた。その本を初めて開いて明日の行動を計画した。あ、こういうのは用意周到ではなくてマディ・ロープというのか。つまりドロ縄だ。

 ということで、なかなか本編の出島観光の話や新地中華街探訪の話に行きつきませんが、どうぞゆったりとした気持ちで見てあげてください。こんな社会に、つばを吐きダイナマイトに火をつけろ(by ボ・ガンボス)、じゃなかった、こんな世知辛い世の中にこういうのんびりしたエントリーは大事だ、と思うのは僕だけか?続きます。え、もういい加減終われって?じゃ、なんとか次回でまとめてみようかな…。

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コメント

なるへそ、

長崎は可愛いおねえちゃんが多いんですね。
しかしタクシーのドアを開けてくれた若いおねえちゃんが電話の主だとすぐわかると言うのはさすがです。
僕は一緒に食事したお母さんの方も気になっていますが。

いえいえ、どういたしまして

このオネーサンは金・土・日とずっとホテルに詰めていたようで、一体何時が休みなんだろうか、大変な仕事だな、もしできることなら彼女が休みの日に一緒にぶらり旅が出来るといいのだが、などと考えましたが、当然考えただけでした。

一緒に食事したお母さんは40になったばっかりということで、こちらもど真ん中ストレートのストライクでした。写真を撮りたかったのですが、あそこで特定のお母さんの写真など撮っていたら明らかに変質者扱いされたでしょう。無念でした。♪偲ぶ偲ばず無念坂~あ、あれは無縁坂か…。

簡単夜景撮影講座

夜景を撮影する時の問題点は、とにかくシャッター速度が遅いということです。
つまり、長時間シャッターが開いているので、その間に手ブレすると、光跡がよれよれした写真になってしまいます(それはそれで、味のある写真が撮れたりもするんですけどね)。
液晶で見る限りは、よく撮れていると思っても、拡大するとダメなことが多いです。
一番よいのは三脚を使用することですが、旅先に持っていくのは面倒という場合、または携帯の場合、とにかくカメラを静止させることが必要なので、手で持たずにどこかに置くというのもよいです。
それもかなわぬ場合は、脇を締めて、身体をどこかに密着させ、しっかり持って、とにかく動かないようにしてシャッターを切ること。息をつめても、それでも多少はブレますけどね。
撮影のモードが選定できる場合は(たいがいはできると思いますが)、「夜景」モードを選びます。「夜景+人物」ですと、手前の人物のためにフラッシュが焚けてしまいますからご注意。
できれば、シャッターは自力で切らずに、セルフタイマーを使うとよりよいです。ボタンを押す時に、どうしてもそれが伝わるからです。
手前にガラス(窓)がある場合は、写り込みをふせぐために、ガラスにレンズ部分をピッタリくっつけましょう。
デジカメはいくら撮ってもタダですから、一度練習してみるといいでしょう。別に夜景のキレイな場所ではなく、家の前でもベランダからでもいいですから、やってみるとどんなあんばいかよくわかりますし、けっこう楽しいですよ。

狸さん、サンクス・ア・ロットです

流石、花火写真評論家なんつうと怒られますか、実践的にあちこちで写真撮ってますよね。僕は普段は携帯オンリーなのですが、今回は配偶者のデジカメと母のデジカメを預かって、面白そうなものがあればすぐ写真に撮っていたのですが、普段使ってないカメラなので機能が良く分からず、ただそのまま撮っただけでした。

枚数だけは一杯撮ったので、mixiの写真館にアップしようかとも考えてます。その前にエントリーで使わなければ…。

長崎

行ったことありませんが、
先日、長崎の「自転車ネタ」のTVを観たばかり。
自転車走ってないというか、自転車乗ったことすら
ない人ばかりらしい。自転車屋さんも有るけど、
自転車じゃなくて、バイクを売ってるんだって!

いや、とにかく坂道ばっかりで

それも半端な坂じゃない。自転車なんてとても無理です。しかし、その土地に行って見ないと分からないことが多いですね。まさか同じ日本で自転車が乗れないなんてところがあるなんて…。その代わり原チャリは良く見かけました。なんつってもナンバーが5桁ですから、その普及度が分かります。福山の「桜坂」も長崎をイメージして作られたのでしょうね。

ああ、また長崎に行きたいな~。
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