ただ当てもなく思い出すまま

 意外に思われるかもしれないが、僕は形式美の人である。様式美といってもいいか。つまり物事の手順というか段取りというか、そういうものがきちんと決まらないとダメなのだ。矮小なレベルで言うとたとえばパンツを穿くときは右・左どちらの足を先に入れるかが決まっており、何かの拍子でそれが反対になると、一度穿いたパンツを脱いでもう一度最初からやり直すこともある。もちろんどうしても時間的に無理なときは、そのまま行くが、そのときは一日中気分が悪く、何をやっても「あいきゃんげっとのーさてぃすふぁくしょん」である。この前もチャットで『ブログを書くときに1行目が決まらないと書き出せない』とコクったところ(このあたりのヤングな言語感覚をほめていただきたい。僕はほめられて伸びていくタイプなのだ)、心優しい某猫だぬきさんから『じゃ、2行目から書き出したら』といわれ、おお、それは素晴らしい、目からうろこが落ちた、などというわけもなく、それでもたまには何も考えずエントリーを書き出してみようかと思った次第だ。

 今日は2日連休(世間様では3連休というが、土曜日が必ず休みになるような労働条件の下で働いてない零細企業の社員は日曜・祭日の2連休でもありがたいのだ。トノさん我がポンニチにはいまだ革命のときが来ません、などと今は亡き殿山泰司氏に報告する)の初日だが、明日から上の娘が修学旅行に行くのでその準備の買い物に行こうかと話をしていた。あ、その前に昼飯に何を食べるかという重大なテーマがあり、家族会議に諮ったところ、父は風来軒のラーメン、父の遺伝子を色濃く受け継いだ長女も同じくラーメン、配偶者はラーメンも600円に値上がりしたから外食はダメ、それでなくても修学旅行でお金がいるのだからカップ麺にしなさい、最近勉強のことで母親に叱られてばかりいて、その上、機を見るに敏な性格の次女はうちはビンボーだからおとうが作るうどんでいい、外食は贅沢でしょっとやや切れ気味。

 という、明るい家庭は家族の会話からなどという幻想に一切惑わされない我が家は統一テーマの昼食が決まらない。ええい、面倒だから塩スパ作ると僕が言ったが配偶者以外誰も喜ばない。即座にその案は却下して、丁度実家の母から野菜を沢山頂いたから取りに来いという電話も入ったので、配偶者一人残しでラーメンを食べに行くことにした。車で走っていると対向車線が妙に空いている。あちこちに白バイやパトカーもいる。なんだろうと思ってみていると女子マラソンだった。丁度シーズンでこの前も確か青島マラソンとやらでコメディアンの萩本欽一や東国原知事も参加してにぎやかだったが、今日のマラソンはいまいち盛り上がってないようだ。それでも沿道で旗を振って応援している人も多かった。ラーメンを食べて実家に行くとテレビでもマラソンをやっていた。京都の女子駅伝だ。この手のスポーツには全く興味がないので、ぼんやり眺めていたら今の京都の景色が映るのでだんだん興味深く見始めた。

 丁度2区の最後でトップが京都だったが、この2区の選手がいい顔をしていた。いや、あの、可愛かった。実の母と娘二人の前で女子駅伝のこの子が可愛いなどと発言するとそれでなくてもない信用がますます落ちていくことは必定なので黙って見ていた。もっとも名前と所属はしっかりチェックして後でネットで調べた。ワコールの湯田選手だった。しかし最近のスポーツ選手は綺麗な人が多いな。ビーチバレーの何とか言う選手はモデルだというし、卓球にも最近はアイドルいるらしい。しかし、ワコールの女子陸上部の選手プロフィール見たけどもう完全アイドル紹介ですな。女子バレーもそうだな。カオル姫が出なくなったらプリンセス・メグの復活とか、あ、僕は個人的に大山加奈が好きです。あの大きな体を小さくして監督の言うことに「ハイッ」と答える素直さが好きです。何故かというと僕の身の回りにいる女の人は誰一人「ハイッ」って答えないからです。

 などと話がとんでもない方向に行くのが、形式美を守らないエントリーの悪い癖である。まあ、なんだかんだ言いながら京都の独走と我が郷土宮崎代表が健闘するのを応援しながら見続けた。画面に映る風景も西京極から今出川、百万遍、北大路など懐かしい景色である。ルートは西京極から宝ヶ池(?多分、国際会議場)の往復だから1回生の頃住んでいた修学院から大学への通学ルートやちょっと町に出ようというときのルートで大層懐かしい。途中で進々堂の看板を見て、雨の降る朝に詩仙堂まで散歩に行きその途中でホットミルクと一緒に食べたサンドイッチの味など思い出していた。この雨が降る日の詩仙堂はお気に入りの散歩道だった。しかし、マラソンや駅伝の中継を見ていると必ず沿道に一緒に走る人がいるのは何故だろう。やはり陸上をやっていて選手と伴走しているつもりになるのだろうか。それとも単なるイチビリだろうか。今回もそれを考えながら見ていたら、走るだけでなく自転車に乗ってカメラを向けている人もいた。良く見たらビデオでこれは明らかに選手の記録用に撮っているのだろう。子供や母と喋りながら見ていたら、いつの間にかアンカーになっていた(そういえば、途中でテレビに映った地図を指差し「ここにお父さんは下宿していた」と修学院の位置を教えたら、母が一言「ちゃんと勉強していたら」とつぶやいたのを僕は聞き逃さなかった。もちろん聞こえない振りをしたが)。

 アンカーの走りを見ていたが京都のトップは変わらず、宮崎は5,6位の競争だった。ところが三重のアンカーにものすごい人がいた。野口みずきである。オリンピックの金メダリストである。いや速いはやい。あっという間に先行していた選手を抜き去っていく。見ていた僕たちは「反則じゃ」とか「化け物」など口々に罵ったくらい、いやお話にならないくらい速かった。アナウンサーも「抜かれた選手も野口さんなら仕方がないと思うでしょうね」などと解説者に話しかけていたが、まあ、そうだろう。この駅伝は西京極の競技場からスタートして最後はまた同じ西京極の競技場に戻ってくるのだが、京都はやはりダントツの新記録でゴールした。その後2位、3位と入ってくる、我が郷土の宮崎は4位争いをしていたのでいよいよ次に写るかと期待していたら、なんと野口さんがアップで写った。嘘だろ。確か16位くらいだったはずだから12人も抜いたのか、と驚いたが競技場に入ってくるところを映したのだ。

 と、まあ珍しく親子でスポーツ観戦などしたのだが、その間に上の子の修学旅行の話になった。今の子供たちは恵まれてるというかなんというか、修学旅行も海外か国内か選択式になっている。僕の子供の高校もロンドン(おい、ロンドンだぜ、楽しいロンドン、愉快なロンドンじゃない、モノホンのパツキンの住んでる大英帝国の首都だぜ)方面か信州・東京方面か選べるようになっていた。クソッタレ、約30ウン年前の僕の頃は修学旅行は廃止されていたのにいつの間にそんな軟弱な学校になったんだとOBとしては大変不愉快である。もっともイギリスに修学旅行に行く場合はホームステイをさせられその間は日本人同士の交流禁止で全部英語で過ごさなければならないし、当然費用も国内の倍以上である。僕の娘は我が家の経済状況と己の英語力ならびに食生活(彼女は米がないと全く元気の出ない純ポンニチ人である)を鑑み、0.3秒で国内を選択したらしい。

 それでも、飛行機で羽田に行きそこから長野まで一気に行ってスキー、1泊して東京に戻りそのまま3泊、東京にいる間はお仕着せのツアーバスではなくグループごとに計画を立ててあちこち見学して、最終日は東京ディズニー・シーとやらに行くそうだ。そういえば、修学旅行のグループが決まり東京のどの辺りを見に行ったら楽しいか聞かれたことがあった。こういうときこそ父親の威厳の見せ所だ。「いいか、まずは吉祥寺に行け。そこに昔『いせや』という神話空間があった。今はビルを建てているらしいから、そこに行って合掌して高田渡の霊を偲べ。次に池袋に行けばモモヨさんがライブをやってるかもしれん。あ、新宿行くなら歌舞伎町よりロフトだ。アキバは思ったより小さい町だから止めとけ。そうそう新橋からゆりかもめに乗って海の上を走るのも良いぞ」などと後半は比較的真面目に答えたのに全くシカトされてしまった。

 修学旅行につきもののお小遣いは学校では特別制限しないが一応の目途として3万くらいというラインがあるらしい。普段は質素を標榜しているが、こういうときに負けん気を出すのが貧乏人の悪い癖である。僕は配偶者に「確かに家は貧乏だが、子供に恥かしい思いをさせたらいかん。倍の6万持たせろ。万一に備えて財布は3つ、それぞれ3万、2万、1万と分けて持たせろ」と言った。こういうときが男の器量なのだ。珍しく配偶者が逆らわなかった。どうもおかしいと思ったら、子供にミヤゲを要求していたようだ。まあ、僕も娘に中古CD屋の地図とリストを渡してここに書いてあるのを買って来い、分からないときはメールしろと言ったのでお互い様であるが。あ、もちろんバカ娘は拒絶しおった。親の心子知らずである。しかもいうに事欠いて「お父さんの聞くようなCDを持っていたら友達に笑われる。それだけなら良いけど友達がいなくなる」といわれた。フン、所詮オンナコドモにはロックはわからねぇ。あ、いけねぇ、石原がロックならオレはロックでなくていいと言ったばかりだったのだ。

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コメント

ネズミーランド

教育の一環であるべき修学旅行が、言論統制の権化、現実逃避の“夢の国”で、一体何を学ばせるというのか。もちろん、その気になって見れば、得るべきものは多いですが、人生経験の少ない年代ではなかなかそこまで見抜くのはムリというものでしょう。
しかしながら、千葉県にありながら“東京”とは、昨今流行りの「不当表示」として訴えられないのは、どうしたことでしょうね。イメージ戦略に長けた出銭ランドに、一矢報いたいところですが、それよりももっと公共性の高い施設「新東京国際空港」というのもあるんだった…。
これについては、「千葉は東京の植民地ではない!」として、千葉県民に問題提起してほしいもんですなぁ。

♪チバ県よいとこ、一度はおいでよ

などとのんきに歌っている場合ではない、ということですな。おっしゃるように「東京」とか「新東京」とか名乗ってる癖して、行政管轄は「チバ県」というのはオカシイ。それとも平成のバカ合併とやらで東京都と千葉県が合併するのか。カクメイが起こったら、東京都民も北総台地で落花生作りをやらされるのか、などと妄想が浮かんできました。

ディズニー・ランドは「つくば博」のとき行きました(いつの時代や!)。アルコールが禁止されてると聞き、ぶち切れた私はウィスキーのポケットビンを持ち込み一人でシュプレヒコールを叫んでおりました。単なる危ないおっさんや。

こんばんは。
どこへ行っても、結局中古CD屋を探してしまうのは悲しい性ですな。
僕もはじめての町ではまず中古CD屋です。

でも娘さんの修学旅行に頼むのはちょっと・・・。

旅の恥はかき捨てならぬ

旅のCDは拾い物というのが、僕のポリシーです。知らない町の中古CD店(ま、今はツ○ヤとかGE●などチェーン店がほとんどですが)をうろついて、その町の文化レベルと図るのが僕の一番好きなフィールドワークです。

と、書くとナニゲニよさげですが、早い話がジャンキー、依存症の一種です。お互い困ったものですね。これぞ、同病相憐れむってやつですか。
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