じゃんけんピースがすいついた(食いついただったかも)

 何故かは知らねど、この前からこのフレーズが頭の中をぐるぐる巡っている。いわゆるじゃんけんの時の掛け声というか「じゃんけんポン」のローカルバリエーションである。僕が小学生だった60年代(残念ながら西暦である、元号の昭和だと誤読してくれると嬉しいのだが)の宮崎県北部では、いやもっと細かくいうと延岡市立緑ヶ丘小学校で使用された掛け声のひとつである。他にも「じゃんこうほい」とか縮めて「じゃんけんちぇす」とかいうのも使った。じゃんけんをするときの掛け声は各地で色々なものがある。関西に居た時「いんじゃんしよう」と言われて、何のことかと思ったらじゃんけんだった。他にもじゃんけんとはちょっと違うが「ボンサンガヘヲコイタ」とか「散々苦労して死んだ」とか訳の分からぬ表現も教わった。なかなか味わいのある言葉達ではある。

 ところで、じゃんけんだがそのルーツはどんなもんだろうとナニゲニ調べてみたら、意外にも九州ルーツ説が強いことを知った。長崎ルーツ説や熊本ルーツ説もあるようで、広義に考えても西日本ルーツであることは間違いなさそうだ。ちなみにチョキの形は今でこそ人差し指と中指を伸ばした形を使うが、子供の頃は間違いなく親指と人差し指を伸ばしたものを使っていた。「男チョキ」とか「田舎チョキ」とかいうらしい。更に、じゃんけんで必ず勝つ魔法の手があった。「男チョキ」の形で手のひらを伸ばすというやつだ。親指と人差し指が「チョキ」で中指・薬指・小指が「グー」、そして手のひらの部分が「パー」の力を持つので、相手が何を出そうが必ず勝利するのだ。もっともこれを出すと必ず「お前はズルイ」とケンカになるので、実社会では使わないほうが賢明である。

 じゃんけんしてあいこになった時の掛け声もさまざまなものがある。「じゃんけんピースがすいついた」の後は「あいこでアメリカ、ヨーロッパ」と続く。「あいこ」の「あ」と「アメリカ」の「あ」が韻を踏んでおり、「アメリカ」と来たら「名前のない馬」と続きそうだが、残念ながらまだ60年代でビートルズがバリバリ現役の頃、いや我がポンニチではタイガースがバリバリ現役の頃だから3人組の「アメリカ」は存在しておらず、必然的に「ヨーロッパ」につながっていったのだろう。まあ、時代的にはアメリカもヨーロッパも雲の上の存在で、身近に感じることは無かった。特にヨーロッパというのはどこかの国の名前だという様な認識しかなかった(スマソ、小学生の頃というのはこの程度の認識しかなかったと思う)。したがって海外のテレビドラマは全てアメリカ物だと思い込んでいた。話は飛ぶが僕の祖父は「奥様は魔女」や「ルーシーショー」などを見ると必ず「ガイジンはなんで面白くもないところで笑うのか訳が分からん」とこぼしていた。

 確かに、ドラマを見ていると別段面白くも何とも無いところで笑い声が入る。当時は吹き替えなどという言葉はあってもそれがどういうことか理解できなかった(「吹き替え」という表現は確かそれほどポピュラーではなかったように思う。それより「声の出演」という言い方をしていた。「逃亡者」の「声の出演」に「睦五郎」とあり、「ムツゴロウ」を知らなかった僕には面白くも何とも無いのだが、祖父達はその名前で大笑いしていた。しかしやたらカギカッコが多くて読みにくいな)。ただ僕はそれ以上にテレビ画面に出てくる様子と笑い声に違和感を感じていた。つまり、背景のセットや笑い声などからして相当に大きな舞台で録画しているのだろうが、観客の様子を全く写さないのは何故だ、という疑問が解消しなかったのだ。当時はアフレコなどという単語の存在すら知らなかった。

 例によって話が飛びまくっているが、実は今日はじゃんけんの話はあくまで枕で、この「ピース」について発見したことを書こうと思ったのだ。「ピース」というのはええと、標準語では「めんこ」というのか、僕たちの田舎では「パッチン」といっていた子供用の玩具の一種だ。大きさは1円玉くらいで「めんこ」と異なるのは、その大きさだけでなく販売方法も大きく違った。「めんこ」は大きさに応じて単価が決まっていて、1枚ずつ買えたが、「ピース」は2枚で1円だが20枚が筒状に重ねてあり、それを蝋で固めて売っていたのだ。遊び方も「めんこ」と異なり、1枚ずつにばらした「ピース」を親指と人差し指ではさみ、はじくようにして飛ばす。そのあとじゃんけんで順番を決めてお互い相手の「ピース」の上に自分の「ピース」が乗れば勝ち。勝てば相手の「ピース」は貰える。たしかこんな遊び方だったと思う。また別なバリエーションでは、教室の机の真ん中に線を引いてその両端に「ピース」を置き、息を上から吐きかけて「ピース」を飛ばし、相手の上に乗せたら勝ちという遊び方もあった。

 「めんこ」と比べて、表面のデザインにバリエーションが無く、また小さくて遊びにくいこともあり、あまり人気の無いゲームだったが僕は何故か好きだった。大人になってレトロの駄菓子屋などで昔の玩具を見かけるようになったが、この「ピース」だけは残念ながら見たことが無い。ところでどうして「ピース」が突然甦ったかというと、ずっと何故あのアソビを「ピース=平和」と呼ぶのだろうか。確かに「平和」なアソビではあるが、と思い込んでいたのだが「ピース」は「PEACE」ではなくて「PIECE」、つまり「破片」とか「かけら」の意味のほうの「ピース」ではないかと気がついたのだ。今、念のために英和辞書を引いたら「(盤上ゲームなどの)コマ」とあった。うん、辞書は引くものだ。人間幾つになっても勉強だ(と、自分の英語連想力の無さを誤魔化す英文科中退であった。余談だが、最初のじゃんけんの際の掛け声の分類と変化を調べると立派な言語学のフィールドワークになり、僕を毎年落とし続けた岡田○エ教授に一矢報いることが出来るのだが、残念ながら僕は忙しい。エントリーを3日おきでないと書けないくらい忙しいので、どなたか奇特な方がやっていただけるといいのだが) 
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コメント

つい、こちらに食いついてしまいました。
っていうか、このエントリーに気づいていませんでした。

たしか、下関では
「じゃんけんじゃがいもさつまいも」
「あいこでアメリカヨーロッパ」
だったと思います。
今は、じゃんけんも全国的に「最初はグー」に統一されていて、面白くないですね。
こっち(福岡)に来た当時、凄いとおもったのはじゃんけんの早さ。
「じゃいけんシッ!」
「あいこでシッ!」
「シッ!」
「シッ!」
「シッ!」
と勝負がつくまで早いテンポでじゃんけんをしているのを見て驚いた記憶があります。まあ、めったにここまであいこが続くことはないですが。

ところで、「ボンサンガヘヲコイタ」は、「だるまさんがころんだ」のことではないでしょうか?
下関では「うごきまーす」という遊びでした。「インド人のク■ンボ」という言い方もありましたがこれは今はNGかな。

パッチンは下関でもありましたが、私はめんこの方言だと思ってました。まあ、私はオンナノコだったからその遊びはしませんでしたので、違うものだったのかもしれません。

コメディやお笑い番組でやたらとSEで(無意味な)笑い声が入るのは、最近の日本でもそういう傾向がありますね。エンタとか箸が転んでも可笑しい年頃の若いお姉ちゃんの生SEですよ。

あ、こんなのが2ちゃんの過去ログにありましたよ。
http://tv.2ch.net/tv/kako/1002/10020/1002066949.html

言語感覚の鋭い燐さん、流石です

実は、このエントリー自分でも気に入っていたのですが米が全くつかず、みんなにあんまり喜んでもらえなかったのかと、少々落ち込んでいたところでした。もっともアップした翌日にブログ拍手が1つついていたので、誰か共感してくれたんだとちょい嬉しかったのも事実ですが。もっともうちの常連さんだったら必ず、じゃんけんに関する様々な言語学的展開があるのでは、と期待したんだけどね。

「ボンサンヘ(省略形)」は「ダルコロ(これじゃダルビッシュが殺した、いやいやもっとひどい意味があわわ)」のことです。「インド人の××ンボ」は、こちら宮崎でもやってました、というかいってました。この手の表現も今は一切ダメだというのもどうかと思います。一度忘れないうちに子供の頃の遊びとその言語学的展開、内なるサベツ用語を含む、みたいなテーマで書いてみようと、こらっ、またそんな安請け合いして、本来のエントリーをしっかり書け、と、天の声が聞こえる…。

じゃんけんに関してはこんなサイトがありました。

じゃんけんの地方差
http://homepage3.nifty.com/fwjd1945/column/1999-07-13.html
日本のじゃんけん 世界のじゃんけん
http://www.netlaputa.ne.jp/~tokyo3/janken.html

ダルコロのもっとひどい意味っていったい・・・

そうですね、コメントが全然ついてないのは不思議ですね。(だから見落としたか?)

「印度人の黒○ボ」は、ゲーム的にも、いかにも後ろ向いている時にみんなではやし立てているみたいなので完全にNGでしょうね。
こういうのもやっぱダメなんでしょうねえ。作詞は野口雨情なんですケド・・・。

「南京ことば」
http://shsw18325.hp.infoseek.co.jp/douyou/kasi/kasi140.html
ついでに「じゃんけんぽん」
http://shsw18325.hp.infoseek.co.jp/douyou/kasi/kasi167.html

生き物である限りはそれぞれ差があるわけで、ある程度の差別が出てくるのは仕方がないことなのですが、要は必要以上に貶めないことだと思うのです。
ダース・ベイダーは黒い、トルーパーは白い、デース・スターは丸い~~~♪(by帝国讃歌:元ネタ「帝国マーチ」)

燐さん、連続コメントありがとう

やっぱりじゃんけんというのは不思議な遊び(というか順番決め、いやルール決めの方法だな)ですね。意外だったのは東京でも「いんじゃん」を使う地域があるということでした。もっとも、この手のサイトにでているじゃんけんは、地方における標準語的じゃんけんとでも言うべきもので、実際はもっとえげつない、受け取り方によってはややサベツ的な言い方もあったと思います。

ちなみに燐さんのコメントを読んでから、頭の中で「アホがみーる、ブタのケーツ」というフレーズが音楽とともに鳴り響いています。そうか、コメディNo,1のアホの坂田のテーマだった。
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