戸締り用心、火の用心~公共ルールを守ろう

 ちょっと油断しているうちにまた1週間過ぎてしまった。いや、連日の暑さと疲れが原因ではあるのだが、実はもうひとつ気がかりなことがあった。というのも、半月ほど前から太ももに湿疹が出来ており、単なるアセモだろうと自己診断していたのだが、毎週通っているATLの病院で見てもらったら、ちょっとまずいかも知れないので血液検査してみるということになった。それが先週の土曜日18日のことで、もちろん本当に発症していれば、すぐに病院から電話が来るだろうと多寡をくくっていたのだが、それでもお医者さんから直接大丈夫と言われないと安心できない。そんなこんなで、あまりゆっくりエントリーを書こうという気にもなれなかったのだ。

 そういうわけで、昨日は恒例の病院に出かけた。10時過ぎに待合室に入ると、ほぼ満席。まあいつもの事なので、気にせず週間朝日を手に取り何人がけなんだろうか、大人だったら4,5人は座れる長方形の椅子に腰掛けた。そこで30分ほど待っていたが、なかなか名前を呼ばれない。今日は、単なる注射や薬もらいの人は少なく、診察を受ける人が多いのだと判断し、そうなると背もたれのないこの椅子だと居眠りも出来ないのでつらい。周囲を見渡すと、テレビの前の長椅子に一人分の空きがあったので、即座に移動した。そこで、転寝しながら名前を呼ばれるのを待っていたのだが、子供の声で何度も眠りを妨げられた。

 夏休みも終盤なので、子供を連れた人が多かったのは事実だ。しかし、この込み合うことで有名な病院に夫婦二人で子供を連れてくることもないのに、と心の中で舌打ちしながらまぶたを閉じようとしたら、妙なものが目に入った。ん?と思って目を開けると、正面の長椅子(僕のかけている椅子と丁度正対している椅子)にやや太目のお母さんがおり、その横にわらわらと子供がいる。目で数えると5人、まあ遺伝子とはなんと残酷な仕事をするのであろうかといわんばかりの小さいのがいた。頭から小5、3、1幼稚園年長、年少と言ったところか。その中の小5くらいと思しき女の子が、長椅子を机代わりにしてノートを開き、なにやら書き物をしている。漢字の書き取りだろうか。その横を退屈している幼稚園二人組みがウロウロ歩き回り、ときどき小5の姉の尻を蹴ったり叩いたりしている。

 それを見ていた母親が凄い剣幕で「こら、○○と××(子供の名前を言ったが良く覚えていない)、ねーちゃんが勉強できんが!大人しくせんね!!」。僕は閉じかけたまぶたを大きく見開き、母親の顔をまじまじと見つめた。最初は僕が寝ぼけて母親の言葉を聞き違えたのだと思った。込んでいる待合室。立ったまま待っている患者もいる。中には立ったまま目を閉じて明らかに気分の悪そうな人もいるのに、この馬鹿親子は6人分の席を確保しているのだ。いや、子供たちが隙間を空けて座っているので、詰めれば8人くらいは座れるのではないか。しかも、退屈して暴れ回る子供を叱るのに、姉が勉強できないので止めろという、この思考回路は一体なんだろう。

 僕は怒るより、あきれてしまいそのカバのような母親をまんじりと眺めてしまった。人間心のどこかに何か悪いことをしているという気持ちがあれば、他人から見つめられた時に目をそらすものだが、この母親はにらみ返してきた。俗に言うメンチを切るという奴だ。頭にきて怒鳴りつけてやろうかと思ったその瞬間「ああ、遅い、遅い。一体何時まで待たせるんかね、この病院は。早く帰ってご飯の支度をして、いやその前にダイ○ーに買い物に行って、あ、銀行でお金、入れとかんと引き落としが…」と、いきなり喋り始めた。それも独り言をぶつぶつ言う感じではなくて、確実に第三者に聞いてもらえるような音量と話し方であった。待ちくたびれて頭の中で考えていたことが口をついて出てきたのだろう。

 急におかしくなって僕の憤りもどこかにいってしまった。その後もこのカバ母は5人の、いや宿題やってる子供以外の4人を叱ったり、叩いたり、ときどき思い出したように「ああ、遅い。ご飯が、ダ○エーが、銀行が…」と喚き続けた。すっかり気勢をそがれてしまった僕は、また腕組みして居眠りをしようとしたが頭が冴えてきて眠れない。眠るのは諦めてもう一度あたりを見てみると、母子連れ、父母子連れ更に祖父・祖母・孫連れなど、子供を連れた家族の多いこと。駐車場は例によって一杯だったので、みんな車に乗って一家揃ってやってきたのだろう。夏休み最後の日曜日に家族の思い出作りに病院というのが今の流行なんだろうか。しかし、である。今更こんなことを言うのもなんだが、かわいい子には旅をさせよというではないか。初めての病院通いなら分かる。具合が悪くて不安な子供をたった一人で知らない病院に行けというのは、確かに酷かもしれない。

 しかし、一度連れて行って道順も分かり病院内の決まりごと(保険証を出して受付をして大人しくして待って名前を呼ばれたら返事して診察室に入る)が分かれば、後は一人で行かせてもいいのではないか。いや、そうする方がいいだろう。特にここの病院のように毎回待合室が一杯になるようなところは。子供を連れて病院に行く、行かざるを得ない理由もあるだろうが、何となく過保護という構いすぎじゃないのかな。などと考えていたら、またもやぶっ飛ぶようなものが目に入った。

 ここは病院の待合室なので携帯の電源は切るように注意文が壁に貼ってある。僕も電源を切ると何かと後が厄介なので、携帯は車の中に置いて来るか、今日のように明らかに2時間近く待つことが予想される時は、悪いことだと思いながらもバイブにしてウェストポーチに入れておく。少なくとも待合室で携帯を開けたり、ましてや通話などはしない。ところが、その「携帯禁止」の張り紙のすぐ下で3人が3人携帯を開いて眺めている。うち一人は明らかにメールを打ち始めた。おめーら、どういう神経してるんだ。日本語読めないのか。ルール破るのがカッコイイと思ってる中学生か?赤信号は皆で渡っても赤信号なんだよ。と、怒りがこみ上げ目眩がした。

 ここは、ビシッと注意せねばと立ち上がりかけたが、その時看護婦さんが僕の名を呼んだ。僕は学校教育の成果なのか、名前を呼ばれるとすぐ「ハイ」と大きな声で返事をしてしまう。このときも反射的に「ハイ」と大声で答えたら、携帯開いていた3人がハッとした顔で僕のほうを見た。まるで、何か人間ではないものを見るような目つきだ。そうそう、この手の最低の決まりごとを守れない奴らは呼ばれても必ず返事をしないのだ。だから返事をする人間をまるで別人種のような目で見るのだ。僕は「オマーラ、携帯開いてんじゃねーよ」と目に力をこめて、あたりを睥睨しながら診察室に入った。

 血液検査の結果は良好だった。先生からも「正直、病気が出てきたんじゃないかと心配してたんですが、良かったですね」と言ってもらい、一安心した。診察室を出ると待合室は平穏だった。携帯を開いてる人間もいないし、騒いでる子供もいない。やはり病は気からというのが今日の結論であった。あれ、何か話の主題が違ってるような気がするが。そうそう、この病院で長らく読みたかった高橋義孝の「酒飲みの詭弁」を見つけた。番町書房と出版社を控えて、ネットで調べたがどうも廃盤になってるようだ。あ、本の場合は絶版か。とりあえず、近況報告でした。
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コメント

読みながら・・・

結果が怖かったです。データ、ネガティブでよかったですね。
安心しました。
結構ATL(というかLDH自体・肝機能などなど・・・)、夏場に上がりやすいので要注意ってイメージがあって。。。。なんか皮疹とかリアルに想像しちゃいました。
すみません、職業病ですね。

さて医療者にとって子供はとても中学生や高校生といえ1人では来ていただきたくないです。たとえ風邪でもやっぱり怖いです、急遽針さしたり薬ぬったりするのに・・・保護者の同意なしではよっぽどでないと見れないです。怖いです。
でも、そんな田舎もん(これは宮崎の人といういみではなくダサい行動をとるカバさんたちのこと)がくるともっと手に負えないですね。
そういう時は残念ながら(M)患者リストに入れますね。(Mondai)
そして、いちおう個別に場所を確保したりあえて優先的に先に診察して
すっと帰ってもらうなど策をとりますよ~ふつうは。
でも患者の権利云々あるから出て行ってほしくても「出て行け」とまではできないですね。
一応張り紙じゃなくて外来の冷静を作ることも診療の補助=看護だと思うんですが・・・
そこのナースは見て見ぬふりですか?腹ただしいですね。
たぶん宮崎はコミュが狭いだけに逆に患者も医療者もいえない医療が存在するんでしょうね。なんかそんな気がしました。逆に都会の電車と同じですね。
おもいっきり医療者目線ですみません。

ああ、なるほど!そういう見解があるんだ

いやー、dahliaさん、ご指摘ありがとうございます&ご心配頂いて恐縮です。そうですが、本職は「データがネガティブ」などと仰るのですか。勉強になりました(心の中のつぶやき~どっかで使たろ、そこで言うたるねん、この用語医学界のジョーシキやでぇ)。

そうですか、今時のガキいや、お子ちゃま方には、注射も薬塗ったりするのも保護者の同意が必要なんですか。知らないこととはいえ大変失礼しました。しかし、こういうたらナンですが、世の中全体が過保護化しつつあるのでは、という気がします。もっとも医療関係者の方にすれば、注射したショックで子供がどうにかなったら、今のご時勢ではすぐ訴訟だ、医療ミスだなんだかんだと、ドサクサ紛れで火事場ドロボーみたいな輩が多いのも事実ですね。友人で神経内科の医者がいるんですが、彼から某県立病院と某一○瀬病院は仲が悪く、色々あったと言う話も聞きました。この手の話は知らずにいるほうが幸せですが…。

おこちゃまではなくとも中学生でも子供だけなら診察してもらえませんよ。
高校生でも病気の内容によってはダメみたい(私の経験ですが)

田舎暮らしが(いや非都会暮らしと言うか)長くなり
具合が悪いときは車で病院、は当然のことになってるけど
子供達が乳幼児のころは大阪に居て、まず病院で駐車場があるところが
少なくて、あっても停めれるかどうかは運次第だった。
だから、徒歩2分の近くの医院に家族全員何でもかんでもかかってた。

何はともあれ、drac-ob氏には良い結果で良かった。
あせもを掻きこわしてとびひにならないようにしないと
(と自分にも言い聞かします)

ご忠告ありがとう、しかし

遅かった。イッツツーレイトという奴よ。キャロルキングの名曲よ。邦題は「心の炎も消え」という詩的なタイトルだったけど、今では誰も知らない、ノーバディノーズの悲しいお話。

ええ、何が言いたいかというと、昨日(正確には日曜の夜)寝ている間に無意識に掻きまくり、ものの見事に「とびひ」とやらになっているのよ。チクショー全身痒いよー。掻き毟りたいよー。

「触らぬ何やらに祟りなし」と申します

昔、子供を産んだイヌやネコに手を出してはいけないって、教わりませんでしたか? 普段はおとなしい、顔見知りのイヌやネコであっても、そういう時は気が立っているので、噛みつかれるかもしれないって。
5人も子供抱えていたら、それはもう動物としては勝ち組です。強くなくてどうしましょう。利害関係のないオスの、視線による威嚇ぐらいでは、動じないのも当然ですよ。

暑い時にかゆいのは、しんどいですね。「暑いか、かゆいか、どっちかにしてくれーっ!」と叫びたくなります。

なるほど、そういうたとえで

教えてもらうと、大変良く分かります。そうか、あのカバは勝ち組のカバだったのか。だから一族郎党引き連れて、いや我が子5人引き連れて誇らしげにベンチを独占していたのか。

しかし、僕は子供の頃から「グリコ少年」だったから「カバヤ」ごときに負けるはずはナイのだが…。あっ、グリコのシンボルマークは「バンザイ」だった。やはり勝てないのか。

詳細良いますと

(特に)疑ってたことを否定するようなデータに対してネガティブを使いますよ。普通のデータにたいしては(プラス)OR(マイナス)しか使わない気がします。
神内って隙間の領域ですもんねいろんな圧が押し合いへし合いでしょうね。医療もただの奉仕活動じゃないですもんね^^患者さんからお金取るんだから、より良いものをつくり上げたい・・とおもえばついたり離れたりすることもありますよ。これがないとたぶん見れたもんジャないとおもいます。
すんません。思いっきりあつくて。

dahliaさん
>そういう時は残念ながら(M)患者リストに入れますね。(Mondai)
この話はどこの病院でもやっているのでしょうか?だとすればさしずめ小生などはその典型です。先日もある医局の部長職の医者に、「説明がなってない、患者の不安を煽るようなものの言い方は辞めろ!」、「予約で2時間待たせるのはタイムマネージメントがなってない!」、ポイントを抑えて短時間に手短に説明しているというが、先日の検査の結果もインフォメーションしないで、おまけに一人5から10分の診察時間と言っている割には余りにも患者を待たせすぎと」怒ったやった。この医者は市立病院のせいなのか、役人根性丸出しの医者で、質問には的確に答えないし、そんなことにどうしてこだわるのかなどと言い返す。そして診察時間になっても30分は遅刻してくるが、患者が2つの診療科を受診するので、たまたま遅れると怒り出す始末。待合では不満も聞こえてくるが、医局の部長だから患者は何もいえないようだから、小生は面と向かってクレームをつけたことがあった。診察室で30分もいいあいをした後、埒が明かないので、「院長にこのことを報告しに行く」といってやったら、急におとなしくなってしまい。それから気を使うようになったが、小生は「M」なのでしょう。
患者はお客さんでもある・・・そんなことなどは微塵にも思ってないのだろうね。2時間も患者を待たせておいて医者であろうが看護婦であろうが受付慈雨印であろうが、其れが日常で平気な顔をしている。問題解決能力のない病院はいずれはつぶれると思うのだが、競争原理が働かない位置に病院はあるから安心しているのだろう。公の病院の給料は公務員と同様税金だということを完全に忘れている。

drac-obさん

病院で携帯を使っているばか者に何度注意したことでしょう。
しかし本当に携帯は(最近のものでも)、世間で言うほど医療機器に大きな障害になるのでしょうか。ペースメーカー使用者には障害となるような話を聞きます。

そうであれば医者も、看護士も病院関係者で、患者と接触する人間は、小とあるごとにそういう説明をするべきで、張り紙で済まそうとすることにも問題ありでしょう。

いや、もしそうでなくても矢張り、公共の場で携帯を使うことは小生には許せません。レストランで女子大生らしき女が2人でピピと携帯ゲームをやっているのを怒鳴ったことが有りました。多分小生の声のほうがうるさかったかもしれませんし、場の雰囲気をも壊したことでしょう。でも我慢できないものはできない・・・この年になっても。

sawyerさん
おもきりdrac-obさんのブログで横レスですねw
失礼します。こんにちわ。大阪の770床ほどの私立病院でNsしてます。
う~んMリストは多分大きな病院はあるでしょうね。特に精神科のある病院はあります。そのうえ国公立だとある可能性が大きいでしょう。
でもまあ(M)リストにいれますと私が簡単にいったのは冗談ですよ。
あくまでNsに暴力振るったりアル中やモヒ中で警察も巻き込まないといけない程度のPtに対してです。
sawerさんのクレーム?というか病院の評価(批判)程度なら全くNPです。
医者や看護婦に意見することは全然間違いじゃないですよ。
それはMではないのでどんどんしちゃってください。
今時「3時間待ちの3分診療」とか「地域クリニックが老人のサロンとなっている」なんて都会ではないです。医療者も患者もとても客観的に良いところ・悪いところは見てますからね。
利用者がとてもたくさんの情報を持っているので良いところを選ぶし、病院のだめなところはどんどん批判するから淘汰されるんですよ。
ただ、システムやノウハウはありますがその分コストはかかります。
どちらを選ぶかは患者さんですよね。

あ、あと携帯はペースメーカの半径50センチ以内になければNP
だから実際は待合室で使っても大きな問題ないはです。ただエコーとかCTとか検査する場所に近いともしかしたら万一影響があったら責任もてないので使わない方がBETTERというよな感じです。機器から2メートル以上離れていたら大丈夫とかいいますが・・・厳密ではないようです。
最終はモラルの問題です。気分悪くてしんどい人がそばにいてるのに何も横でピコピコしたりするのは可笑しいでしょう?

いやー、なかなか読みごたえのある米

頂いて、大変嬉しいです。以前から書いていることですが、僕のしょーもないエントリーに比べてコメントの充実度は凄い、と、毎回思います。今回も僕の勝手な思い込み「子供は一人で病院に行け」という話をネタに一気に話が広がって、目からゆがんだレンズ(byリザード)が落ちてきました。

sawyer先輩へ
DRAC興亡史を興味深く読ませていただいてるのですが、そこで登場する先輩の学生時代の感性と今の先輩のブログの感性が大変近いのに驚きます(生意気言ってすいません)。僕は最近、悪いくせがあって、どうせこいつとは話しても理解しあえないと思うと言葉が出てきません。電話のときに『もしもし、どうした』と言われるのはしょっちゅうです。腹の中では『お前と話すだけ時間の無駄じゃ』と思っているからでしょう。もっとも最近はそれが顔に出てきているようで、ちとマズイ状況です。

Dahliaさん
まいどまいど、専門的見地からの指摘ありがとうございます。いや、熱くなるの大いに結構です!いろんな質問に対してズバズバ直球で答えていただいて小気味いいです。これからもヨロシク。

>最終はモラルの問題です。気分悪くてしんどい人がそばにいてるのに何も横でピコピコしたりするのは

のところは大賛成です。ただ「可笑しい」などと可愛らしい表現は止めて、頭がルイクした意味での「おかしい」としたほうがモアベターよ(などと小森のおばちゃま風に、と言っても知らないかな。小森のおばちゃま)。
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