岩石日記

 休みの日の楽しみは朝寝坊である。が、予定があって早く起きなくてはいけない時は、それなりに心の準備と目覚ましの準備などをちゃんとする。それが人の道である。逆に言うと予定していないことを急に入れられると腹が立つのは、これまた人として当たり前の感情だとは思いませんか?11、12日の連休は仕事が入る可能性が高かったのだが、なんとか休めることが決まり、昨夜はのんびり夜更かしをしていた。珍しく配偶者も子供二人も起きていて何か話をしていた。下の子の部活の発表会が明日、新富町で行われるので弁当の準備と送迎の段取りを母子でしているようだ。ゆっくりした時間だったら僕が送ってもいいと思って聞いてみると8時30分集合なので、遅くとも7時40分には家を出ないとマズイ。とてもじゃないが起きる自信がなかったので、栄えあるドライバーの役目は配偶者に譲った。

 朝、いつもの習慣で7時半に目が覚めると母子喧嘩が始まっていた。着て行く洋服がどうとか、弁当がどうとか言ってる。触らぬ神に祟り無しと、シカトしていたら、ケンカした母子が口を揃えて、僕に会場まで送っていけと言う。「ふざけんな、たまたま目が覚めたが、これからまた寝るのだ」と言うが聞かない。片方だけがワーワー言ってるなら無視できるが、母子で似たような声で、カンシャクで喚かれるとマジで頭が痛くなるので気を取り直して覚悟を決めた。この段階で僕が不機嫌だったことについて異議のある人は「あんたが大将、あんたが君子」としか言いようがない。モーストオブザピープルはゲットアングリーになっちゃったりしてトゥゲザーしようぜって、いかんルー大柴のブログを読みすぎた。

 そんなわけで中学生の娘を送っていくことになったのだが、このバカ娘がとんでもないことを言いやがった。なんと僕に対して、車は配偶者の車を運転していけというのだ。我が家は、今までのエントリーでお分かりのように僕が一番虐げられている。これは若い頃ドストエフスキーなどを読んで「虐げられた人びと」の影響を受けたから、では当然ない。単純な力関係の結果である。その歴史を書いていくと「実録 泣いてたまるか」になってしまい、涙でキーボードが打てなくなるので止めるが、したがって当然の如く僕の普段使う車は1000CCの小型車、配偶者は2000CCのワンボックスと、ここでも力関係が具現化している。たしかに僕の車は小さいがターボのヤン車(ヤンキー車、中古で買ったのだが明らかにボーソーを主とした使い方の車で、室内灯が真っ赤だったのには肝を冷やした)なので、車に弱い娘が嫌がったと思い、「後ろの席じゃなくて助手席だったら酔わないぞ」と言ったところ「そうじゃなくて、お父さんの車は音楽が…」と言葉を濁す。「音楽がどうした?」と、こちらもムッとして聞きなおすと、配偶者の血を色濃く引いた次女は逆切れして「お父さんの車の音楽は趣味が悪い!」と絶叫しおった。

 「何を、てめー」と子供相手に本気で怒りかけたら、こんなことでヘソを曲げられて送迎をパスされたらかなわんと思った配偶者に、二人とも上手く丸め込まれて家を送り出された。休みの日の朝なので、道路はすいていたが会場までの場所が初めてだったので最短のルートで走った。左右には松林、右手の奥に太平洋、センターラインには先のほうが灰色になってはいるがワシントンパーム、まさに南国宮崎のハイウェイである。この日僕の車だったら加川良の「南行きハイウェイ」(guevarra129さん、ありがとう。著作権クソクラエだっ!)か、エンケンの「寝図美よ、あれが太平洋だ」あたりが流れていただろう。あるいはドゥービーか、イーグルス、ブレッドなんかも可能性はある。いや意外とクラフトワークやYMOといったテクノ系の音を流していた可能性もある。しかし厨房が好む音楽である。ヒトトヨウ(?)だとか大塚愛(ま、可愛いから好きなんだけど、オヤジとしての威厳があるから彼女の歌は元ネタがあるなどと言って顰蹙を買っている)、挙句は「湘南の風(風じゃなくて風邪と打ちたくなるような鼻声だ)」などを聞かされる。要するに我が家の厨房の好む音楽と配偶者が好む音楽は近いのだ。

 有料道路を使ったおかげで予定時間より随分早く着いたが、既に同じ学校の友達も着いていたので、子供を降ろしてとんぼ返りで自宅に向かった。CDはオートチェンジャーで入れ替えるのが面倒だったのでFMをつけたら、なんと60年代の特集をやっていた。ピーター&ゴードンとかDC5、シュープリームス、ビーチボーイズなんかを聞きながら走る道路は快適だった。そうそう、英米だけでなくシルビー・バルタンやボビー・ソロなんて人の歌も紹介されました。あ、お断りしておきますが流石にここにあげた人たちはリアルタイムではなくて僕が洋楽を聴き始めた70年には既にオールディーズになっていたので、そこのとこヨロシク。男女二人の掛け合いで番組は進行していたが、終了時にDJの名前を聞いてビックリ。女性は今陽子、ピンキーでした。男性は佳山明生。続いてクラシックの番組が始まった。「皆さんおはようございます。お元気でしょうか。黒田恭一です~」えっ、黒田恭一?なんと高校生の頃プログレ関係のライナーや音楽専科のレコード評なんかで、やたら格調高い文章でそのバンドの特徴をズバッと斬っていたクラシック評論家の黒田さんだ。

 話の内容も語り口もすっかり穏やかになっていたが、プログレに狂っていた高校生の頃に好きだった数少ない音楽評論家だった。トリアンヴィラートのライナーはこの人だったような気がするが自信はない。朝のさわやかな時間帯に聞くヴィヴァルディやヘンデルは心地よかった。機嫌もすっかり直ったのだから僕も単純である。家に帰った後はいろいろ雑用をしているうちにお昼になり、以前belmie2001さんがコメントで宮崎市内に2軒あるタ○レコのうち1軒が閉鎖するのでCDが安くなってるという情報を思い出し、いざ出陣と自転車で出かけた。車ばかりで排気ガスを充満させるのは、決して本位ではないからというのは本当ではなく、このところウォーキングをサボってるので罪滅ぼし(?)のため、メタボリック粉砕闘争貫徹なのだ。しかし、そんなことをいいながら昼飯に豚骨ぎとぎとのラーメン大盛りを食ってるのだから、どうしようもない。「人生はどうしようもないことの繰り返しである」という自己流格言を放って誤魔化す。

 で、期待を胸に中心街のタ○レコに行ったが、安売りしているような様子はない。もしかしてイ○ンのほうかと思ったが、ここから自転車で行く気力はなかった。しかし、CDショップというのは行けば行ったで、あっという間に1時間、2時間過ぎるものだ。欲しいものもあったが、このところ中古で買ってるCDやまだ1,2回しか聞いてないCDも多いことを思い出し断念。音楽は聞いてこその音楽であり、CDやDVDを集めることが目的ではないのだ。コレクターになったらおしまいである。タ○レコを出て、ビレッジ・ヴァンガードなどという生意気な名前の、本屋もどきみたいな店を冷やかし、あまりにごちゃごちゃしていて気分が悪いので、本来のT中書店で口直しをした。まだ「紙の爆弾」は出ておらず「ストレンジデイズ」でも買おうかと思ったが、こちら方面も積ん読状態のものが多いので止めた。本は読むためにあるのです。本棚に入れられて忘れ去られるのはその本と所有者にとって不幸なことだ。てなことを考えていたら携帯がなり、部活の子供を迎えに行く時間になっていた。

 えー、実はこのあと上の子の数日遅れの誕生会で、家族で焼肉を食べに行き何故か特上ロースが僕だけ枚数が少なかった問題について検討したり、トップランナーの下地勇を見て、日ごろの洗脳のおかげで子供たちを下地ファンにしたことを書くつもりだったが、もう眠くて駄目です。続きは、とやるとまた忘れそうなので、明日は明日の風が吹くといって、今日お日様に干した布団方面に撤退する岩石生活者であった。
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コメント

ええと、「子供げない」おじさんですw

一青窈とか大塚愛とか、Net Radioとかから流れてる分には、それなりだと思いますけど、では積極的にCDを買うかと言われると、困りますよね。まぁ、悪くはないのですけど。

ところで、この前教えて貰ってamazonで注文した松村 雄策の「岩石生活入門」が、先週届いたので読んでみたのですが、色々興味深いですね。率直に言って音楽評論になってないというか、内容要約すると3行で終わってしまうような話を延々と書いてる。音楽評論としての情報量は驚くほど希薄で、本人もそういうのを承知で敢えて脱線させて、私小説的な曲芸と言葉遊びを終始やってますね。
要するに、彼は音楽を語るつもりは全くないのですね。ある状況下の自分の「気分」というか「情緒」を、延々と説明している。それが評論として成立しているかどうかは私には疑義がありますが、あの時代の空気を思い出して、ある意味非常に興味深かったです。そういう意味では、drac-obさんが彼に共感して、このブログの文体も彼の影響があるのは、なんとなく判る気がしました。そうなんですよね。このブログも、あの時代の「気分」とか「情緒」を語りたいのですよね。

なぜでしょう

安売りコーナーありませんでした?これから続々出すという店員からのリーク情報だったんですが、ガセだったんでしょうか。どうもすみません。でも、ミッ○店閉店は間違いない情報です。

meruci さん、いつのまにシド

になってしまったんですか?コメントの雰囲気が似てるなとは思いましたが…。松村雄策は、かってのロッキング・オンの中で随分コケにされていましたが、いわゆる「評論」ではない彼の思い入れの入った文章が好きでした。文体の影響があるというのは、意外でした。どちらかといえば山下洋輔や殿山泰司には随分影響されたと思ってましたが。あ、あとシーナマコトと天才アケタ。

「あの時代」といえるような時代はなかったんじゃないかなと思ってます。いわゆる全共闘世代と違って、「山をも動かす」という経験はなかったから。しいていえば後退戦の中で、一瞬の希望を分かち合った友人たちは確かにいたので、そのことを忘れないためにこのブログは続けています。ただそれだけだと重たいので、普段は出しませんが。

まいど、まいどのジャズやクラシックの

安売りコーナーは、あったけど他はなかったですね。しいていえばヒップホップは少しばかり安売りしてました。以前宮崎でブイブイいっていた西○楽器店がCD販売を止めた時は半額とか捨て値みたいな金額で大バーゲンしたので、期待したのですが。
belmie2001さんが謝る必要は全然ないっす。多分買取じゃなくて、イ○ン店に持っていくのでは?あるいは、月末あたりに一気にバーゲンとか!?

流通のお話

国内産のCDは、基本的には書籍と同じく返品が可能です。
ですから、メーカーは売上枚数ではなく、“出荷”枚数を発表したりする事もあります。
「買い取りにするからさぁ、安くしてよ~!」というのがアリなのかどうかは、私はわかりません。
もちろん輸入盤に関しては、買い取りですよね。だからSALE品は輸入盤が多い。
おっしゃるように、チェーン店には他店に持っていくというテがあります。
よい獲物をGETできることをお祈りいたしまーす。

単純に面白がってます

ID替えたのは、ごめんなさい。判るように書いたつもりでした。何年も色々なところで同じID使ってると、検索エンジンとかに捕捉されて馬鹿野郎にプロファイリングされるのが、鬱陶しいので…。

ところで、私が興味があるのは、ある時代の「情緒」や「気分」なのかもしれません。だから何ら論難する気もないわけです。その意味では、ここは「ポスト団塊世代」という忘れていた記憶を呼び覚ましてくれるから、ありがたいです。もちろん、下世話な興味として、ロシア研究者の塩川伸明がソ連崩壊後に書いた「社会主義とは何だったか」などの一連の著作を、例えばguevarra129さんが読んだらどういう感想を持つのかとかは、ちょっと知りたい気もする訳です。まぁ、手前勝手な面白がり方ですが。

もっと下世話な興味としては、話の脱線のなかで私が忘れていたものを再発見できれば、それでいいわけです。要するに、唐突にTriumviratが出てくることがありがたいわけで。それを見て、いそいそとamazonにMediterranean Talesを注文しちゃったりするわけです。

ひきずって

 私の場合、まだどこかで、「ひきずって」います。ひきずって、背負って、私の場合、学生時代が終わってからも、サヨク的な労働運動してきましたから。今、休職してやっとはじめて、いろんなことがどうでもいいような気がしてきました。barrettさんのいわれる本も読んでみます。最近読んだ本「思想としての全共闘世代」の中の小坂修平の次のような文章が心に残りました。
「マルクスよりもマルクス主義が歴史的に果たしてきた役割が問題なのであり、マルクス主義は人びとに社会関係の矛盾に目を開かせる功績は果たしたものの、同時に社会の不正義に憤る人々の意識を囲い込み変容する装置であり、スターリニズム国家やマルクス主義的な思想や党派内部の抑圧を正当化する装置だと考えてきた。」
そのとおりだと感じました。
 「あの時代」という意識は私にもありませんが、私が20代だった頃と仕事も労度運動も、そして大好きな音楽も大きく変わってしまったことは間違いありません。
   
 
  
  

最近CDの拾い物、掘り出し物が

あまりないですね。昨年はナニゲニ棚を見てたらスレイドのベストがあったり、PFMの紙ジャケットがあったりしたのですが。国内盤は意外なものが長く残ってたりします。「幻野」とか「村八分」のボックスセットなんかそうそう売れないのにしっかり入ってます。フリクションの’79ライブは買いましたが、自分の目で見た時ほどのインパクトはなかったですね。狸さんは最近当たりのCDありました?

おー、確か「地中海物語」とかいう

邦題だったのでは。僕は「二重えくぼの幻影」(しかし凄いタイトル、直訳だ)が好きで、未だに歌詞が口をついて出てきます。「はろーあいどらいくあだぶるでぃんぷる、ぐっどあんすとろんらんにんだうんまいすろーと」などというフレーズです。トリアンビラートは過小評価されてますね。クラフトワークは、あれほど高い評価を受けてるのに。しかし一時期のジャーマンロックというのは観念的で凄かったです。カンとか今はどうしてるのか、まあ、あまり関わりたくはありませんが。

いろんな形でこのブログを楽しんでいただければ、僕も更新しようという意欲につながりますので、たまには褒めてあげて下さい(笑)。

いつから「左翼」が「サヨク」として

おちょくられ始めたのか。「優しいサヨクのための嬉遊曲」あたりが、そのはしりだったと思います。時代に対して斜に構えてニヒリストを気取る、あるいはしょうゆだ胡椒だといって「ネット右翼」を気取る馬鹿が多くてうんざりです。あ、しょうゆじゃねーや、ソースだ。格好悪くても、不細工でも「運動」する人には何らかのオーラがあった時代は去ってしまったのでしょうか。しかし、「運動」がいろんな意味で変節したのは確かですね。僕自身はせめて「持続する意志」だけは持ち続けようとは思っています。このブログもその一部と言えなくはないか…。

皆さん、正直ですね

drac-obさん、実は褒めてるつもりなのです。伝わってないのかなぁw
guevarra129さん、「思想としての全共闘世代」読んでみます。
私は良く判らないものは、やっぱり良く判らないです。判らないものを、判るとは言いたくないだけです。

働かざる者

慢性病のため(不治の病!?)、もう長いことCDなど買っておりませぬ(泣)。
中野(隣駅)まで行くと、5枚で1050円という中古屋があるのですが、最近は目が悪くなったのと、集中力がなくなったのとで、よう探せんのですわー。トホホ。

時々、むしょうに“速い+重い+やかましい”ものを聞きたくなり、若い衆に意見を聞いたりしてますが、なかなかこれというものに出会えません。
何かお薦めのものがございましたら、お教えください。

ありがたいことにこのブログに

遊びに来てくれる方は、みんな酸いも甘いも噛みしめた大人(タイジン)ばかりなので助かります。こちらは思ったこと感じたことを勝手に吼えていれば、いろんな角度からコメントもらえるので毎日楽しみです。このところ仕事の疲れで早く休んでいて、なかなか更新できませんが、皆さんのコメントを読んでそれにレスすればいいかな、などと革命的敗北主義に陥ってます。いかんなぁ。

みんなビンボが悪いんや

この前も使った「チューリップのアップリケ」からのフレーズですが、ビンボはつらい。欲しいCDや本を我慢しないといけないから、などとシオラシイことを書きましたが、何ぼビンボしても欲しいCDや本はいかなる手段を使っても手に入れようとしてしまいます。あ、万引きなんかしませんよ。“速い+重い+やかましい”ものといわれても最近の音はほとんど知りません。barrettさんやbelmie2001さんはお詳しいみたいなので良きアドバイスお願いします。僕はいかんせん70年代から抜けられないので、マウンテンとかラフ・ダイアモンドなんかどうでしょ。
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