第5回宮崎国際ジャズデイの光と影 その2

 はっと気が付いてみたら夢だった。というのは最悪のオチであることは百も承知で使わせてもらう。はっと気が付いたらGWが終わっていた。GSではない。あれはとっくに終わった。ジュリーとショーケンが腕達者な連中と一緒にPYGを結成したときに終わった。でも、「花・太陽・雨」とか「自由に歩いて、愛して」とか良かったよな。などといっても今どき誰もPYGなんて知らんか、そりゃそうだ。てか、前回の続きを書かねばの娘だということをたった今思いだした。前回の続き、そう、ストリート音楽祭での情宣活動の話だ。

 橘通3丁目のCステージ横での情宣活動が悲惨な敗北だったことは前回書いたとおりだ。いくら人通りが少ないといっても、隣接の飲み物を売ってるテントには千客万来である。それなのに、我がテントには人が寄ってこない。ポスターを机とテントに貼り、パネルの裏面に「チケット販売中」と大書して目立つところに置いているのに全然誰も近寄ってこない。敗因の一つにテント内にいたのが胡散臭そうなオッサン2人だったことが、あげられる。いやオレはさておき、もう一人の担当者N原さんは胡散臭くはないな。ま、どっちにしてもオッサン2人が目をきょろきょろさせて行きかう人を見て居るから、近寄りがたい。隣のテントは若者の男女が数人いるので、若い女の子を見て男性客が寄ってくるし、若い男の子を見て子連れのママさんたちがやってくる。それに引き換え、こちらは、うーむ、オレはZEK3のTシャツを着ていったのだが、残念ながらCDデビューしたZEK3の神通力も通じなかったようだ。

テント情宣

 さて、そうしているうちに副委員長のH原さんが突然現れて、人通りの多い、メイン会場そばのアートセンター前で情宣活動が出来るように話を付けてきたという。よっしゃ、善は急げや、さっさと後片付けをしてわずか2枚しか配布できなかったフライヤーをごっそりもって、こちらも開くことのなかったお釣り用の金庫も持って移動した。流石にアートセンター前はすごい人数である。それはいいのだが、ビラ配布用に確保していた机が無くなっている。テントの位置といい机が行方不明になることといい、誰かが僕たちの活動の邪魔をしているのではないかという疑念が浮かぶ。もしそうであれば鉄パイプかバールでド頭勝ち割ったるぞとキケンなことを考えつつ、とにかくセッティングが大事と机を探し何とか通りに面して配置することが出来た。その時には実行委員長のH高さんを始め、何人か他の実行委員も合流した。時間は16時をとっくに回っており、ステージには地元のジャズ・バンド、Honey Comin’ jazz @ smallがチューニングを始めていた。管楽器の入ったジャズ・バンドでトロンボーンはチャンネーである。向井滋春のトロンボーンもいいが、チャンネーのトロンボーンもいい。いや、オレはたいていチャンネーの、それも若くてきれいなチャンネーの演奏は好きだ。などとどさくさまぎれに訳の分からないことを書いたが、そうこうしている間にこちらも準備が整った。何の準備だ?フライヤーの配布だ。

 前回の情宣の失敗は待ちの姿勢だったからだ。待っていても結果はついてこない。これだけ沢山のお客さんが目の前にいて、しかも今から演奏するのはジャズのコンボだ。ジャズに全く無縁な、興味のない人は少ないだろう。ということは目の前のお客さんは全て見込み客ではないか。Honey Comin’ jazz @ smallの演奏を聴こうと席に着いているお客さんにまずフライヤーを配布した。中には積極的に手を伸ばして受け取ってくれる人もいる。いい感触だ。席に着いているお客さんに配り終わったころにバンドの演奏が始まった。A列車などおなじみのスタンダードを演奏する。メンバー紹介のMCもあったが情宣活動に専念していたので聴き逃した。ステージ前のお客さんに配り終えたので、今度は通路にいるお客さんに向けてフライヤーを配布。実行委員何人かで手分けしてやったのだが、この手のビラ配りは負傷ってケガしてどないすんねん、不肖ワタクシに一日の長がある。目の前を通る人がビラを受け取る人か受け取らない人か瞬時に判断がつくし、またビラを手渡すタイミングは体にしみこんでいるのではずれがない。これは苦学生だった頃に、学費のためにやったポケットティッシュ配りの経験が役に立った。などというのは大ウソで学生時代に配ったビラも、あれはボランティアというか自主活動というか、まあ当然無償の活動でした。ライブやイベント関係のビラも配ったけど、一番良く配ったのは大衆団交とか、移転反対とか学費値上げ粉砕とか、あ、そんな話はお呼びで無い、お呼びで無い。こりゃまた失礼しました~。

 気が付くとHoney Comin’ jazz @ smallの演奏は終わり、スガダイロー・トリオのメンバーがチューニングをしている。こちらのフライヤー配布にも力が入る。「今から演奏するスガダイローと山下洋輔のスペシャル・グループが明日市民文化ホールでコンサートします。地元の都城の小中学生の吹奏楽部と一緒に演奏します」などとアピールしながら配った。すると1人の人が「チケットは会場で買えばいいの」と聞いてきた。「当日券は500円高くなるので、今、ここで前売り買った方がお得ですよ」と、これは営業マン時代に鍛えた急がせる決め手で購入を勧める。財布を出した。やったー、1枚チケット売れたぞ。それから勢いに乗ってガンガンフライヤーを手配りしている最中だった。「フー、ミヤザキ・ピープー、フー」という素っ頓狂な声が聞こえてきた。振り返ってステージを見ると蝶ネクタイに半ズボンというけったいな格好したお兄さんがマイクを前にして何やら絶叫している。この人が有名なノイズ中村さんというスガダイローのマネージャーであることを後ほど知った。とにかくハイテンションで客を盛り上げるが、ん、大丈夫か、これから演奏するのはスガダイローだぞ、林栄一と本田珠也と3人で土神というユニットを組み、超強烈なフリージャズを展開したスガダイローだぞと心配だったが、そこはプロのスガダイロー。ストリート向けの聴きやすい演奏をかましてくれた。ところでこのノイズ中村さん、ユニークな人で彼のいろんな失敗談をスガダイローがツイッターでアップしている。僕のお気に入りは、「一昨日を英語でイエスイエスタデイって言ってます。」とか「いや~押しがけでエンジンかかって良かったですよ!JAL呼んだらいくらかかったかわかんないす! と飛行機呼ぼうとしてました。」なんてエピソードだ。翌日、打ち上げで少し話をさせてもらったがいつもニコニコいい笑顔をしていた。

 最終的にはCステージそばからアートセンター前に移動して、約2時間。持参したフライヤー、多分1000枚は完パケ。チケットも6枚売れて何とか情宣の結果は出すことが出来た。本来であれば、そのまま街に繰り出して祝杯を挙げたいところだが、明日はイベント当日。市民文化ホールに朝9時インなので、素直に家に帰りお酒も控えめにして床に就いた。日曜の目覚ましを8時にセットするなんて何年ぶりだろう。昼間の疲れもありすぐに熟睡。気が付いたときは♪朝日が昇るから起きるんじゃ無くて目覚めるときだから旅をする~などと拓郎の「人生を語らず」を口ずさみながら♪ゲラアップ、スタンダップした。あれ、いつの間にかボブ・マーレーになっている(笑)。

 と、ここまでかいたのが5月7日。そのまま続きを書いてアップすれば、まだ5月も上旬といえる時期に終わっていた作業を、本日27日にやっている。空白の20日間は何だったのか。いいわけになるが続きは書こうと思っていたが、正直、光の話から影の話になるので、若干気が重かったことと、その間に別のイベント、そうサヒカブイの午前様までカラオケ大会とか中山うりのぼっちライブへの参戦など、新しくエントリーのネタになることが次々あり忘れないようにちょこちょこ下書きしているうちに、この話をすっかり置き去りにしていたのだ。置き去りにしたあの悲しみは、とまるで吉田拓郎の歌である(あれ、このフレーズは2回目か)。それを思い出させてくれたのは昨日、ロックバーに来店した名医S原君である。カウンター越しに話をしていたのだが、突然、「ところで『宮崎国際ジャズデイの光と影』の続きはどうなった。もう書いたのか」と聞かれ、クリビツテンギョー。え、あんなしょうもない話を読んでいてくれたのかと一瞬ビビった。正直にまだ書いていないことを伝え、それでも自慢じゃないがオレのエントリーのシリーズものは完結するほうが珍しい。たとえば「フォークソング・クロニクル」、たとえば「過去への旅路」、たとえば「帰ってきた過去への旅路」、あ、過去への旅路は最初の関西ツアーの話が終わっていないのに、2度目のツアー話を書き始めたのでさらに混迷と停滞、でいずど・あんど・こんふゅーずど状態である。ま、要するに完結しないことが多いと言い訳したが、そのままにしてはいかんと本日書いている次第。

 さてイベント当日は9時集合だったので、5分ほど前に市民文化ホールに行った。スタッフの楽屋に入ると、すでに実行委員長と副委員長を始め多のメンバーが揃っていた。大多数のメンバーが集合した段階で、昨日までの状況報告を実行委員長が行い、本日の予定と注意事項の説明を受ける。実行委員はステージ・搬入搬出担当、受付・案内・物販担当、ケータリング担当とそれぞれ役割が決まっており、その担当ごとのリーダーの指示に従って、事前の打ち合わせ、そして本番前の最終打ち合わせを行うことが決まった。僕は場内警備の担当だったが、これは事前に準備することはあまりない。ステージが始まる少し前に準備することはあるが当面はこれという仕事はない。ステージの担当は朝一番から搬入をしており、午前中いっぱいは機材搬入や設営で忙しそうだ。仕方ないので午前中はあちこちうろつき、何か手伝えることはないか探したが、ほとんど何もなかった。そうそう、学生チケットが不足したので、手持ちのチケットを自宅に取りに帰ったくらいかな、12時にはケータリング班からもらった弁当を食べた。宮崎名物チキン南蛮が結構なボリュームで入っており、食べたらおなかいっぱいになり眠くなった。昼休みだし、自分の車の中でのんびりしようと思い駐車場に向かうと、その手前の喫煙スペースにタバコを吸ってる人がいた。スタッフかアルバイトの人だと思い「お疲れ様です。」と声かけしたら、その人も満面の笑みを浮かべて「お疲れ様です。」と答えてくれた。なんと本日の山下洋輔スペシャル・グループのドラム、高橋信之介さんである。昨年もしなやかなドラムを聴かせてくれたが、今年もまた聴けるとはなんという幸運だ。自分の車の中でリクライニングを倒して少し昼寝をしようと思ったが、4月にしては強烈な日差しで全く眠れなかった。しょうがないのでまたホールに戻った。

当日

 13時からはいよいよ準備も本格的になった。あちこちに案内のパネルを貼ったり、物販の机を配置したり、そうそう今回のイベント・プログラムにアンケートや様々な案内用フライヤーの差仕込み作業もあり、これは結構大変な作業だった。それでも大勢のスタッフと協力して流れ作業でやるのは楽しかった。今回、このイベントの実行委員として参加したが、全てボランティアで自分の時間と体力を使って何が楽しいのかとよく言われたが、みんなで協力して1つのことをやることが楽しいのだ。音楽が好きだから出来るのであって、音楽に興味のない人から見れば単なる酔狂である。道楽である。それがどうした、オレのハンドル・ネームはDRACや!しかし、今回のイベントを通していろいろ考えることはあった。まずこんな小さいなシティなのに、なんというのかイベントの縄張り争いというのか、地元に民放テレビ、メディア、行政関係、全て仲良くやればいいのに、なんだかんだメンツの張り合いがある。たとえば、このジャズデイの当日に別の企画をやっている団体が目玉イベントをぶつけてくる。今回の打ち上げで知事も話していたが、両方のイベントから誘われているので、時間が重なって困ったそうだ。またジャズデイのイベントとは直接関係ないが、毎年夏に行われるジャズの野外イベントの日に市内で祭りが行われる。ジャズのイベントを押しているテレビ局と祭りを押しているテレビ局があるのだ。自慢じゃないが宮崎は民放が2局しかない。たった2局なんだから手を取りあってそのまま行こう(by Queen)となればいいけど、なんというのか、意地の張り合いである。

 そうこうしているうちに開場時間が近づいてきた。15時に実行委員とサポーターの全体説明会が行われ、最終確認が入った。その後は、各部署ごとに分かれ、打ち合わせ。僕は警備担当なのでリーダーのB東さんと一緒に打ち合わせ。このホールの警備を何度もやっている学生バイト5名とサポーターの人たちと役割の確認をする。ドア係、案内係と役を振っていき僕は指定席の担当になった。車いすで来られる方もいるので、その座席スペースの確認などを行う。もっともこちらの仕事は受付が始まった後からが本番なので、しばらく時間の余裕はある。その時間を利用して忙しそうな部署の手伝いをした。案内のパネルを貼る仕事があったので、持参した強力テープで貼りつけて居たらホール・スタッフのT本さんが飛んできて、「そのテープは使わないでください。このホール専用のテープがあるからこれを使ってください」と注意された。不透明なばんそうこうみたいなテープだが、これだと剥がした時に痕が残らない。そうか、僕の持ってきたテープは粘着力はすごいが、剥がすのに苦労するし、第一、強力な痕が残る。それを知った僕は鬼の首を取ったように指定外のテープを使っているスタッフを見つけると、「あ、それはダメです。これを使いなさい」などといってたのでずいぶん嫌がられたと思う。上等や、人間嫌がられてナンボや、そんなこというてるから友達がすくないんや、おう、それがなんじゃい、人間死ぬときは一人や、そんな強がりばかり言ってると数少ない友達も離れまっせ、それは堪忍、キャインキャインと殿山泰司ごっこは始めるときりがないのでやめる。

 16時になりホワイエに客入れを開始した。会場入り口は2か所あり、一般客用と指定席(こちらにサポーターと招待客も並ぶのだが、それが不徹底だったため後で地獄を見た)用に分かれている。初めはパラパラという感じだったが、だんだん人が増えてきて一般客は最後尾がどこだかわからない。通常この手のイベントの時は最後尾と書いたプラカードを持った人がいるのだが、なんとそういうプラカードは準備してないし、第一誰がそれを持つのかも決めてない。こういうところがプロのイベンターとボランティアによるアマチュア集団の違いだ。前日の情宣活動の時にジャズデイのパネルの裏に「チケット販売中」とマジックで書いたことを思い出し、裏が白いパネルがもう一枚あるので、そこに最後尾と記入してもらい、行きがかり上僕が持った。最初は簡単にさばけていたが、次々やってくる客、そして致命的だったのはチケットの開場時間と実際の開場時間が異なっていたため不満が重なる。副実行委員長のH原さんがお詫びのパネルを作成していたが、ホールの入り口に掲示したので人が増えて来たら見えない。仕方がないので大声でお詫びしながら並べて居たら、「招待客、サポーターが一般に紛れて居ないか確認して」と受付担当のM崎さんから指示が入る。

 「一般客の最後尾はこちらです。お手持ちのチケットが招待客の方、サポーターの方はいませんか。」と叫んでいると、やはりパラパラと招待客のチケットを持っている方、サポーター会員証を持っている方が五月雨的にやって来る。その人たちを指定席のコーナーを案内するが、いかんせん人手が足りない。ようやく学生バイトが1人来たので、僕より背の高い彼に最後尾のパネルを持たせた。客の列はその段階で、1列では並びきれず大きく蛇行して並んでもらった。後日、この判断にクレームがあったとさんざん言われるが、じゃ、どうしろというのだ。何の指示も方法論もなく、突然その日のその時になって客を整然と並ばせろなど無理な相談だ。文句言うならてめえがやれや。後からこうすりゃよかったなんて何とでも言えらあ。その時、その瞬間、その現場でどうするか、それが現実というものだ。まあ、4月だというのに気温も高く倒れた人が出なかったのは不幸中の幸いであった。ここまで書いたら、また影の話を思い出したので一旦終わる。続きは多分、そのうちアップします。

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