地元の話

 新年早々、地元の話である。まさか正月からこんな話を書くとは夢にも思わなかった。しかしながら、生まれてから現在に至るまで初めての経験であったのでこの話を抜きに2016年は始まらない。ところで地元の話とは何か。あ、これ漢字を「ジモト」と呼んでもらうと困るのだ。正月だから地元の田舎に帰省して、ああやっぱり田舎は良いな、普段は悪意に満ちたコンクリートジャングルの中での生活だが、田舎は本当の山や木々に包まれ癒される、スピリッツに満ちたパワースポットに包まれた生活が、などという自称ナチュラリストやスピリチュアリストの話ではない。では、「ジゲン」と読んでしまったらどうか。アニメファンからは「ジゲン」は「次元」だ、誤字じゃないのか、え。というクレームが来そうだが、実は僕はルパン三世、一度もまともに読んだ(見た)経験がないし、興味もない。峰不二子に全く興味がないというとウソになるが、まあ現実社会で出会うこともないだろうから気にしない。あ、akikoのルパン三世のテーマなんかはいいけどね。



 では、「地元」の話とは何か。これは「ジガン」と読んで初めて意味が分かる。「ジガン」つまり「地獄の元日」のことである。何でも略すのは日本人の悪い癖だと、その昔、清志郎師匠に指摘されたものの、略すと簡単でいいし、符牒としても分かるやつは分かるという使い方が出来て便利なのだ。ま、それはさておき「地獄の元日」とは何か。その前兆は前日の大晦日にあった。我が家の大晦日は実家で家族そろって食事をする。大晦日が親の誕生日なので、まずはそれを祝って、その後それぞれ作ってきたり買ってきたりしたおかずを食卓いっぱいに広げて会食する。そのあと自宅に帰り、時間が来れば年越しそばを食べて新年を迎えるというパターンである。今年も(正確には昨年も)セイムタイム、セイムメンバーでセイムディナーを摂った。刺身や空揚げや天婦羅、煮しめや煮豆、酢の物、サラダなどをハイボールとともに摂取した。実家だったので酒は少なめに、それでもビアジョッキに3杯ほどハイボールを飲んだ。

 それから家に帰り、今度は落ち着いて買い置きのライムを絞ってハイボールを作り、ネットを見ながら、そうそうGYAOで『デスノート』をやっていたので、久しぶりにそれを眺めながら、あ、主人公のライトとライバルのエルというのは、いわゆるRとL。つまり右翼と左翼の比喩だったのか。それで男組の神竜剛次イデオロギーに近いライトが、人民救済主義者のエルにしてやられるのか、そうか、そういう話だったのか、気が付かなかった、などと考え、しかし、やはり今の自民党独裁政権のこの世の中はライト的な思想と行動が大事ではないか、アベのシンちゃんの名前と顔は分かるからオレがあのノートを手に入れたら真っ先に書いてやるのに、この野郎などと酔っ払いならではのハチャメチャ言動を取りつつ、はっと時計を見ると23時半を過ぎていた。

 いかんいかん、そばを湯がかねばと席を立ち台所に入った、今年の年越しそばは大晦日に急ごしらえの販売所で売ってるゆでめんのそばではなく、普段よく食べている乾麺のそばに決めていた。配偶者はおなかがいっぱいだからいらないというので、バカ娘2人分と僕の分の合計3人分作ればいい。しかし、バカ娘たちは温かいそばがいいと言うし、僕は今年はせいろでいただきたいと思っていたので、えいやっと4人前湯がいた。ツユは既に作っていたので、どんぶりに娘の分を継ごうとしたら麺は少なくていいという。それで0.7人前くらいのそばを2杯作り、残ったそばはそのまませいろとして僕が食べることにした。焼きのりをハサミで刻んで、地元で採れた細ネギを目いっぱいぶち込んで、さらにそうだてんかすがあった、それもいれて冷やしたぬき風にしたらいいぞと勢いつけてぶち込んだ。食った、上手かった。お酒を飲み過ぎていたのとストーブの熱気で部屋が暖かかったせいもあるが、冷たいそばは美味しく何杯でも食べられる感じだった。しかしながら2.6人前のそばは流石に多くて、最後の三口あたりになったときに、もうやめておこうかという考えが浮かんだ。しかし、その時にMOTTAINAIという我が国古来の美徳が浮かび、男がいったん食べ始めたものをラップなどして冷蔵庫にしまうのは敗北主義だ。それでなくてもオレはロックは好きだがラップは嫌いじゃと叫び最後のそばを思いきって掻き込んだ。

 多分、それが原因だったのだろう。翌朝、目が覚めたら腹が痛かった。いや正確にいうと痛いというより膨満感というか、なんだかやたらおなかが重く感じた。お酒を飲み過ぎていたのでのどは乾いていて、起きてすぐにペットボトルの水を飲もうとしたが、上手くのどを通っていかない。うーん、これは少し飲みすぎたかなと、その段階ではハライタには気が付いていなかった。そして、便意を催したのでトイレに行った。思い切り力んで出した。かなりの量の大が出た。それからまた布団に戻り寝た。30分くらいうとうとしたが、またもやトイレに行きたくなり寒いが我慢して行った。出た。前回とほぼ同じくらいの量が出た。うーむ、人間出そうと思えば結構な量が出るな、とこの段階ではまだ余裕があった。それからまた布団に入ったが、次に目覚めたのは自分の声だった。「うーん、うーん」とうめく声で目が覚めた。どうしたんだへへい、べいべ、ばってりーはびんびんだぜという気持ちにははるか遠く、胸やけというか腹やけというかあきらかにおう吐感がある。口の中を酸っぱい唾液が上がってくる。オレは実存主義者ではない、したがってサルトルには興味はない、そ、そ、ソクラテスかプラトンか、に、に、ニーチェかサルトルか、などと歌ってごまかそうとしたがダメだ、人間は下水管に目鼻といったのは確か山下洋輔だと思うが、けだし名言である。などと考える暇もなく腹が痛くて吐き気がする。

 本来、こういう場合は吐いてしまえば楽になることをこれまでの体験上よく知っているだが、いったん吐いてしまうと、そのあとはとめどを知らず吐き続けてしまう。権力に捕まったやつがいったん下呂ったらとことん行くのと一緒だ。吐いて吐いて吐きまくるのは楽だが、人生は安易な道をいったんたどると終わりだ、などという訳の分からない理屈が頭をよぎり、ひたすらおう吐感を我慢していたが、その時に洩れた声が「うーん、うーん」といううなり声になっていたようだ。そのころになると配偶者もバカ娘2人も、こちらの様子がおかしいことに気が付き、声をかけるが親身になって心配しているというより、何度同じことをやったら学習するのだこのアホはという、どこか冷たい感じがする。正月元旦は大晦日と同じく実家に家族一同集まり、年賀の挨拶とお年玉の配布という重大事業が待っている。待ってはいるが、この体調ではとても無理である。仕方がないので、年賀とお年玉のお金を彼女らに渡し、祝儀袋に僕の名前を書いて持って行くよう頼んだ。家族が出かけたら静かになって、ようやく少し楽になった。しかし、そう思ったのは一瞬であってそれから夕方まで一切何も食べず、ごく少量の水だけを飲んで元日が終わった。

 昔から痛いことには慣れていて、若い頃には自然気胸と言って肺に穴が開いて、そこから漏れた空気が肺を圧迫して激痛を招いたことがあった。その時は2週間、入院して安静にしていたら、それこそ自然と治った。が、あの時の痛さは強烈だった。また、やはり若いころ尿管結石を患ったこともあった。あの痛さは女性の出産の痛みと同じだと医者から言われたが、残念ながら出産の経験はないので比較はできない。しかし、あれも痛かった。最近痛かったのは、昨年の大腸内視鏡検査だった。技師がへたくそで、内視鏡が腸を突き抜けるのんじゃないかと思うくらい痛かった。あ、そのあとも、健康診断でバリウム飲まされ、それが出てこなくて1日半悶絶したこともあった。そういう鋭角的な痛みではなかったが、今回のハライタはへヴィー級に痛かった。ボブ・バックランドからボディスラムを食らった感じといえばいいのか、とにかく痛重い(これは勝手な造語で、痛くて重いという意味)経験だった。これはやはり厄払いをしていないからだと思い、本日、初詣に行ったついでに厄払いをしてきた。これで今年は万全のはずだ。

 しかし、正月早々ついてない。しまった、オレのblogは音楽ネタが少ないと昨年コメントもらったばかりだった。えーと、仕方ないので野坂先生のこの歌を貼っておく。



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コメント

今は無いレコード

2時間位前に レコード棚を見てて、あれもこれも もう無いな 残念と テンション下がっておりました。その中の一つが 野坂昭如のライブで、彼が亡くなった時も ああ あのライブ聴きたいな〜と思ったものです。当時 BOXでも よくかけてたし。貴エントリーを拝見して、ブランクあったものの さすがに 長い付き合い、以心伝心・テレパシーかと びっくりしました。有難うございます。 散々な年越しでしたが、原因菌が GARY BENと共に 流れ去ったことを願っております。今年もよろしく哀愁トゥナイト…

野坂のライブ盤覚えています

BOXのレコードラックに置いてあって、いったい誰がこんなレコード持ってきたんだと驚いていました。バージンブルースも良かったけど、やはりマリリンモンローノーリターンですね。そういえばBOXのノートにT原さんがマリリンモンローノーリターン・Sカケンザブローノータリーンと落書きしていたことも覚えています。そうそう、中年御三家のライブ盤も持ってなかったですかね?

お具合いかがですか

あけましておめでとうございます。

今年も田舎に帰れず、さらに12月30日まで用事で出社せねばならず、正月の支度は大晦日にやっと済ませ、やれやれと思っていたら明日から仕事です。

でまあ今さらですが、前からご紹介したかった音源がYouTubeで見つかりましたので下に。
・小沢昭一的こころ「正月気分は反戦気分」
https://www.youtube.com/watch?v=WRrvGu0EQmc
22年前の正月に放送された番組です。当時古本屋のバイト店員でリアルタイムで聞いていました。CDも出てて、たしか民放連の賞ももらったはずだがWikiには書いてないや。
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A000535/VICG-40074.html
もしご希望でしたら闇ルートで音源を。

今年もよろしくお願いします。

ご心配おかけしました

おかげさまで本日も元気よく出勤し、今は疲れて果てて布団の中で本でも読もうかという気分です。YOU TUBE拝見しました。いやー、実に鋭い、素晴らしい。小沢昭一的こころは高校生の頃から、タイミングが合えば聴いていましたが、このシリーズは知りませんでした。1993年の放送ですから、かれこれ22,3年前になりますが、見事に今の時代を照射していますね。音源宜しくお願いします。いつももらってばかりなので、こちらも何かお返ししたいのでご希望のものがあればぜひ。昨年だったら、告井軍曹のライブやミチロウのライブなどがあります。あ、遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もまた宜しくお願いします。

この小沢昭一の動画はより多くの人に見てもらいたいので、FBにもアップさせてください。
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