9月になったら夏も終わり、などと柄にもなく(笑)

 リクエストなど無いだろうと思っていたが、意外や意外、大宰府在住の畏友燐さんから、うりちゃんの話の続きをあてにせず待っていますというお返事をいただいた。普段のワタクシの行動や言動を見ていると、こいつはあてにならん、特に必ずやります、続きを書きますなどというときほどあてにならない、と思われていることは必定であるが、そして、『帰ってきた過去への旅路』も中断して長いが、必ず続きをアップします、とどさくさまぎれに言い訳しながら、9月のうりちゃんのライブを楽しみに今度はファーストサイドの曲について一言二言。

1. マドロス横丁
 タイトルを始めて見たときは、カルメン・マキの港町シリーズ(笑)を連想した。ちなみに港町シリーズとは「かもめ」「アフリカの月」「にぎわい」の3曲である。PVはモノクロで昔の無国籍日活映画風に仕上げているが、曲もそれ風な感じ。マイナーなメロディーから転調していくところが気に入ってます。歌詞も港の酒場の女と客という設定で、まいったなぁ、上手いなぁと思ったのは「今度はいつまた会えるのかしら、野良犬があくびしてる」の部分である。女性のいる酒場で客と毎回同じ言葉をやり取りしているんだろう、野良犬さえあくびするようなマンネリのセリフ。最初聴いたときは、中島らもの『今夜すべてのバーで』を思い出してしまった。

2. つぎの駅はパラダイス
 サードアルバム『ケセラ Que Sera』のオープニングナンバー。軽快なスカのリズムとアコーディオンの絡みが聴きどころ。余談だが、歌詞の中に「汗かきべそかき 迷った」という箇所があるのだが、長年のパンタファンとしては「汗かきべそかき」とくれば「ブギウギ」(by 「ロックもどき」)と歌ってしまう。パブロフの犬である。この曲も最初はマイナーで始まり、途中からメジャーに転調し一気に盛り上げる。彼女のツアーを収録したDVDがあり、そこではブラスセクションと一緒に演奏していて、この楽曲の持つ力強さを十二分に堪能できた。『勝手にしやがれ』あたりが演奏しても面白いかもしれない。ちょうとYOU TUBEにその動画があったので貼っておく。



3. 黒猫・白猫
 中山うりの猫好きは有名だが、この「黒猫・白猫」は彼女には珍しく歌の無いインストナンバー。ジプシー・バイオリンが先導するメロディーをアコーディオンが追いかけていく。あ、今はジプシーとか言うたらあかんのか。ロバ、違ったロマというのか。ということはシェールのヒット曲は「悲しきジプシー」ではなく、今は「悲しきロマ」と言い換えないといけないのか。「悲しきロマ」ってまるで「間抜けなロバ」並みにアホっぽいタイトルだ。おっと脱線したが、中間部でホーンセクションが曲を盛り上げ、再度アコーディオンとバイオリンがメロディーを奏でてエンディング。

4. カーニバルの午後
 短調の曲が続いたが、ここで明るい中山うりの世界を1曲。カーニバルとかサンバとか、ラテン系のお祭りをよく歌の題材にしている彼女であるが、ここでは日常の暮らしからお祭りに向かう楽しさが歌われている。間奏のパーカッションとホーンセクションはニュー・オーリンズのマルディグラをイメージさせる。歌と演奏の見事なコンビネーション。ま、これは彼女の楽曲のほとんどに共通する特徴ではあるが。またこの楽曲は初期の彼女のお気に入りみたいで、ミニアルバム『夏祭り鮮やかに』とオリジナルサードアルバムの『ケセラ Que Sera』、そしてDVDにも収録されている。確かに歌も演奏も楽しそうで、ライブでやっても盛り上がること間違いなしの鉄板楽曲なんだな。

5. Viva Viva
 カバー作品を集めた『セブンカラーズ』の次に出されたアルバム『Viva』のアルバム・タイトル曲と言ってもいいのかな。自分で選んでいて今更だが、この曲はファーストサイドというよりミディアムサイドの曲集に入れるべきだったかもしれん。彼女のアルバムはこの次の『ホロホロ』とその次の『鰻』、さらには初めてのギターアルバム『ぼっち』と立て続けに名作が続いたので、このアルバム『Viva』の印象が少し薄れていて、それでも歌詞のミドルの部分、♪ビバビーバから明るく転調するところがすごくアップテンポな曲だと思い込んでいたが、いま聴き直すと実にしみじみしてしまう。もちろん、いい歌であることには違いはない。

6. まさかさかさか
 先日、『ブラタモリ』を見終わって、さてチャンネル変えるかとテレビの画面を見たら、突然この曲がかかってきて驚いた。まさに「まさかさかさか」であった。どうも某国営放送の番組のテーマ曲に採用されているようだ。初期の「早起きラジオ」や「雨晴れ曇り」なんかと同じような小世界を歌っている。生活の中のちょっとした焦りや粗忽が題材かな。中山うりの言語感覚は鋭いものがあって、これは僕だけの間奏感想かもしれないが、あの偉大なる忌野清志郎に共通するところがある。清志郎もごく普通の言葉を反復することで、その言葉の持つ意味を解体し全く異なる世界観を提示することがあるが、それと似ているんだよね。RCのアルバム『OK』に収録されている「うんざり」とこの「まさかさかさか」の言葉遊びの感じは似ているとあえて断言する(ここ梶原一騎風に)。

7. コバルトブルー
 今度は一転して、まるでユーミンが作りそうな軽快な曲。アルバム『ホロホロ』に収められている曲だが、あのアルバムの1曲目の「ホタル」の重さ暗さを一気に吹き飛ばす明るいナンバー。彼女の伸びやかな声とバックの軽いサウンドが非常にマッチしているし、アレンジもいいな。そういえば演奏の感じは、まるで『ミスリム』の頃のティン・パン・アレイぽいのも、ちょっと笑える。そういえば、このアルバムからうりちゃんのアコーディオンがミニタイプのシャレオツなものに変わった。アルバムの中のスナップに、その小さいアコーディオンを持った彼女が写っている。

8. ガパオNo.5
 中山うりのセールスポイントは、彼女のミラクルボイスにあることは間違いない。が、しかし、数少ないインストゥルメンタルの楽曲もいい曲、いい演奏が多い。そう、中山うりはシンガーであり、同時に卓越した演奏家でもあるのだ。この曲は、「マンボNo.5」
を意識しているのか、良く分からん。本人のコメントに「昨年はなぜかタイ料理のガパオにはまり、このタイトルしか思いつきませんでした。」とあるので全然関係ないかもしれない。名盤『鰻』に収録されている作品だが、このアルバムはスティールパンが実に効果的に印象的に使われている。この演奏でもその雰囲気は味わえると思う。

9. 夢を売る男
 彼女のオリジナルではなく、他人の作品を歌っているが完璧に自分の色に染めている。まず曲のタイトルがいい。歌詞の内容は何だか良く分からないが、それこそ夢を見ているようなストーリー。しかし最初に聴いたときに「レディオ体操」ってのには、ちょっと驚いた。まるで喫茶店でトマトジュースを注文するのにトメィトゥジュースというようなものか。こういう英語風な言い方がいまどき風なのかは良く分からない。とにかく良く分からないが明るくて楽しい歌であることは間違いない。歌詞の中にある「無くした自分のサムシング」のところはエド・はるみのネタを思い出した。そういえば、エド・はるみもナックもいったいどこに行ったのだろう。マーイ・シャローナ!!



10. カリオカの夜
 あれ、この曲もスキャットとインストゥルメンタルだ。ブラジル音楽のショーロの代表曲の一つで、ジャコー・ド・バンドリンの作曲。ブラジルのジャズと呼ばれるショーロだが、何故彼女はこんな曲を知っているのか。まあ、高田渡の「生活の柄」や添田唖蝉坊の「お前とならば何処までも」などという古い歌を堂々とアルバムに入れる彼女だけに、音楽の懐は深いんだろう。ま、スタイルとしての古さや新しさよりも大事なのは独創性、いわゆるオリジナリティだと思うが、中山うりの音楽は最新のものから超古典のものまで間口が広い。もっともそれが気に入って聴きこむようになったともいえる。



11. トロントさん
 名盤『鰻』の名曲でラストナンバーである「石神井川であいましょう」の前に歌われるのが、このトロントさん。最新作の『ぼっち』ではアコギ一本で歌われて、全く別の曲みたいに聴こえるが、オリジナルはこういう風に軽快な、そして賑やかな楽曲。本人の解説によると「誰にアピールするわけでもなく、とんでもなく天使のように優しい人」は、トロン、とした優しい目でぼーっとして」いたそうです。そういう人を彼女はトロントさんと呼びようになったそうです。「目をこらせば、耳すませば、トロントさんはすぐ隣にいるのかもしれません。」うーん。僕は学生時代にトロツキストと呼ばれたことがあるが、それとは全然関係ないみたいだな。

 などと、勝手なことをほざきつつスローサイドからファーストサイドまで計21曲を選んでみた。大体、彼女のこれまで発表した作品からバランスよく選んだつもりだが、よく見るとセカンドアルバムの『エトランゼ』からは1曲も選んでいない。そうなのだ、実はこのアルバムだけまだ購入していない。でもいいんです、このアルバムはライブ当日に買って、うりちゃんのサインを貰うと固く心に決めているのだ。ま、実は『鰻』にサインはもらっているけど、今度は直接、じかにもらうのだ。ああ楽しみだ。

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コメント

お〜い

ずっと待ってるんだけど。
まじに元気なうちに頼むぜ。

すいません、すいません

昨日、メッセージ送ったけどなんだかんだとあわただしくて、続きも途中まで書いてデスクトップに置いたままです。何とかライブ当日までの話を書いてアップします(汗)。

ファーストサイドありがとう。
私のやや古い友人も彼女の曲の大ファンでした。
エトランゼは、数日前に届きました。
今や初期のアルバムと言えますが、このあたりの無国籍感が素晴らしい。
私も福岡公演が待ち遠しいです。

レス遅くなりました

燐さんのアピールのおかげで、今回ついにうりちゃんが宮崎に来ます。どんなライブになるか楽しみです。職場の人たちにも、このCDを無理やり聴かせています(笑)。
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