34年前の今日の出来事

 34年前のことだが、今でもはっきり覚えている記憶がある。その日はとても寒くて、例によって別館4階のBOXにいて暇をつぶしていた。僕とM原とH本の3人と、ほかにも何人かいたかもしれないが、麻雀を打てるのは、その3人しかいなかった。もう一人来たらメンツが揃うので、そうしたら室町今出川にあったグリーンと言う雀荘に行って麻雀を打とうと思っていたが、そういう時に限って誰も来ない。ランチも終わって時間も経っていたので、このまま待っていてもきりがないと思い、3人でビリヤードに行くことにした。店の名前は覚えていないが、別館の近くにあったビリヤード場で、受付がちょっと可愛いけど少し頭の弱い女の子だった。ローテーションを3人でやっていたが、そのビリヤード場には暖房が入ってない代わりに、少し大きな石油ストーブが置いてあり薬缶がしゅんしゅん言いながら湯気を立てていた。

 その石油ストーブの横に、これまた大きな家具調のテレビがあり、画面ではアフタヌーンショーで芸人たちが何やら芸能ネタをやっていた。僕たちはゲームに夢中だったので、テレビは気にしてなかったが、たまたま僕が黒板に点数を書いていたとき、突然アナウンサーが妙なことを言った。「ビートルズファンにはショッキングなニュースが入りました。ジョン・レノンさんが殺害されました。射殺されたようです」。その瞬間、3人とも固まった。じっとテレビの画面を見ていたが、アナウンサーは同じことを2回繰り返しただけで、番組はまたおちゃらけた笑いに包まれた。僕たちは、3人とも顔を見合わせ、「今、ジョンが死んだって言ったよな」「射殺されたて言うてましたやん」「鉛の弾をぶち込まれて死んだなんて、いかにもジョンらしいな」「ま、オレはポールのファンやし」「あれ違うか、実はそっくりさんやったいう落ちや」などなど。僕たちはそのままビリヤードを続けたが、アフタヌーンショーが終わるあたりから、ジョンの射殺についてニュースで取り上げられたり、だんだん現実だということが分かってきた。しかし、射殺されたということしかわからなかったので、どう反応していいか良く分からなかった。

 僕の悪い性格で、どうしていいか分からないときはひねくれたものの言い方をしてしまったり、ニヒルを気取ったりしてしまうのだが、ビリヤードが終わってBOXに帰ったらI橋がいた。「おい、ジョンが殺されたで」と声をかけると、彼も一瞬何のこととハトが豆鉄砲を食らったような顔をした。僕たちは「だから、ジョン・レノンが死んだってこっちゃ」「ピストルで撃ち殺されたらしいで」「まあ、ある意味ジョンらしい死に方かもしれんな」などと勝手なことを言っていたら、I橋は8時20分の眉毛を作り駆け足でBOXから出ていった。しばらくしてBOXに戻ってきた彼は、手に雑誌を持っていた。当時、小学館から発行されたばかりの篠山紀信が作った写楽という雑誌だった。表紙がジョンとヨーコで『ダブル・ファンタジー』を出したばかりの特集だった。その雑誌を手にI橋は銀閣寺の下宿に帰り、数日間はBOXに顔を出さなかった。ジョンの葬式をやっていたようだ。

 愛と平和のジョン・レノンは好きじゃなかった。狂気のロックンローラーのジョンが好きだった。時代で言うとロスト・ウィークエンドの頃が一番好きで、あのまま酒と女とハードなロックンロールを展開してくれたら、もっと好きになっていたと思う。などと書いたが、やはりジョンは大好きだ。ヨーコの芸術とやらはごめん蒙るが、やはり不世出のミュージシャンだったと思う。しかし、あの日からしばらく、というかかなり長い間、「イマジン」は嫌いだった。今も積極的には好きじゃない。「イマジン」や「ジェラス・ガイ」を歌うジョンより、「マザー」を「ゴッド」を「アイソレーション」を歌うジョンが好きだった。でも、チープ・トリックのメンバーと一緒にやった「アイム・ルージング・ユー」は大好きだから良く分からん。



スポンサーサイト

コメント

訃報を聞いたのは

職場の6歳上の人からでした。彼は 特に音楽好きではなかったけれど、ビートルズのLPは持ってました。私は「えっ!? 何で?」って反応をしたと思います。理不尽な死で、犯人への憤りが強かったですね。ジョンの魂とイマジンは たまに かけます。12月8日が命日ってのは 忘れませんが、年々風化してます。サラリーマン生活や家庭とかのゴタゴタで 亡くなったミュージシャンの死を偲ぶ余裕が無いからかな? その人は、16年位前、一緒に韓国に行った2ヶ月後に 白血病で亡くなりました。昨晩も その人の事を思い出してました。「Yさん、ジョンの死を聞いたのは あんたからだったね…」などと。ガロのマークも65歳で亡くなったし、我が人生 70歳が 関の山だろうと 再度思いました。

ガロのマークは

ショックだったですね。確か、爆笑問題がやってるテレビかなんかで、トミーの遺志を継いで音楽活動を再開するみたいなのを見ました。昨年のアルバムも凄く良さそうだったので買おうと思いながら、ついそのまま。最近は、70年代に活動していたミュージシャンが協力しあってライブすることが多くて、ガロと古井戸が合体したガロ井戸なんて名前で活動していたようですが、しかし、無念、残念。合掌。
非公開コメント

プロフィール

drac ob

Author:drac ob
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

QRコード

QR

鳩時計

フリーエリア

ブログ内検索