ワタクシとiPhoneの再会

 報告が遅くなったが、とりあえずWCに水没したiPhoneは無事復活した。WCに流した後、補償はどうなっているかいろいろ調べてみたら、モノが出てくれば新品交換してもらえるが、出てこない場合は全額負担で買いなおすしかないことが分かった。それまでずっとかけていたソフバンの安全補償なんたらは、iPhoneに変えたときに解約し、2年間限定のアップルの補償に入っていたので、どういう補償になるかすぐにはわからなかったのだ。しかしながら買いなおすと口で言うのは簡単だが、最初に購入した時に本体代金は24回払いにしているので、それとは別にまた本体代金を払う事を考えると目の前が真っ暗になった。もういっそのことiPhoneを止めて以前のガラケーに戻すという考えも浮かんだが、それでもローンは残る。モノがないのに金だけ払うというのは愚の骨頂である。とにかく、モノが出てくるかどうかで進退を決めるのだと、その夜は悲壮な決意で寝た。翌日に、優秀なる設備業者の努力もあり、下水管に流れ込むことなくブツが無事に発見されたので、そいつを回収しアップルの代理店に急いで出かけた。水没したのが日曜日で、その翌日に行くわけだから当然月曜日である。僕の携帯は通話料の値引きの関係で名義が配偶者になっている。手続きの関係上、配偶者も連れて行ったほうがいいとソフバンのショップ店員が言ったので、その通りにした。結論から言うと、配偶者は全く不要だった。良く良く考えてみれば名義を変えるとか、そういう話ではないので僕だけで良かったのだ。

 仕事の後に時間を待ち合わせ、アップルの代理店に行った。K村カメラが、地元ではアップルの代理店になっている。店名の通り、本業はカメラ売りだが、お店の左側の壁際に3人ほど接客できるカウンターがあり、そこで店員とお客さんがiPhoneを手にしながら熱心に話し込んでいた。受付の要領がわからなかったので、お店にいた店員に話しかけると相談用の発券機のところに案内された。番号札を受け取ると52番と書いてある。発券機に表示されている数字は50番で待ち時間は39分と出ている。仕方がないので待った。お店は間口も奥行も狭く展示品のカメラやiPhoneのグッズやアルバムなどを眺めていても5分も持たない。手持無沙汰だったので、自分のiPhoneを見ようと思ったが、そいつはビニール袋にくるまれて正座している(いや、そういう風に見えたのよ)。そうそう、ここに来る前に配偶者が待ち合わせに遅れそうだからと、僕のiPhoneが水没したことを忘れて電話したら呼び出し音がしたらしい。つまり、水没したが作動はしている。となると、新品交換ではなく修理ということになり、自分のものなら我慢もできるが、どこのだれが排出したか分からない、ええと、社会主義的リアリズムで表現すると赤の他人のウンコ・小便にまみれたiPhoneを修理されても使いたいという気持ちは起きない。これは多分、10人中8人には賛同してもらえるのではないか。全員の賛同はありえないだろう。なぜなら残り2人は隠れスカトロジストではないと誰が断言できるのか、え、そりゃ分らないじゃないか、人の性癖は十人十色だ、オレは大嫌いだが人様のウンコ・小便が大好きだという人間がいることは知っている。だからといってそういう人を、いやいや、オレは何をコーフンしているのだ。とにかく、今はお客さんが空くのをひたすら待つだけだ。

 ショッピングモールの中にあるお店なので、少し離れたところにベンチがあり、そこでひたすら待った。かれこれ30分近く経過したと思うが、カウンターから席を立つ客はいない。逆に新しく来店して、発券機から番号札を取る人間はどんどん増えてくる。中には番号札の数字と発券機の数字を見比べ、ため息をついて店を離れたかと思ったら5分もせず、またやってきて状況変化がないことに再度ため息をつく若者もいる。やれやれ、若い人は我慢とか忍耐とかいうことを知らんな、オレも若くて元気のいいパンクスの頃は待たされると激怒して、唾を吐いたりポゴダンスを踊ったりしたものだ(ウソ)、などと急に人格のできた人のふりをしながら、さりげなく発券機に近づいてみると、表示されている数字は50番で変化なく、しかし待ち時間が55分と伸びている。てめー、このやろー、ふざけるんじゃねーよ、動物じゃねーんだぜ、と頭脳警察の歌のセリフが頭に響き、店内にクソまみれになったiPhoneを投げつけてやろうかと思ったが、ぐっとこらえ冷静に考えてみると、この待ち時間というのは今番号札を取った人に「あと55分くらいかかるから、その間、ショッピングモールのどこかで時間調整したらどうですか、2階にはおいしいコーヒーショップがありますよ、それともおなかが減っていたらパスタのお店もラーメンもうどんも何でもあります、売上貢献」みたいなことをアピールしているのではないか、だってオレはもうかれこれ小一時間は待っているんだから、もうそんなに待つことはないだろうと、これは希望的観測であった。

 しかし、カウンターの客は帰らない。3人が3人ともなんだかんだと店員に話しかけて、店員は熱心に説明し、ときどき書類を出したり。iPhone本体を操作して説明している。それでもようやく1人が立ち上がった。店員から袋に入ったiPhoneを受け取り、ご機嫌そうな顔つきで出ていった。よっしゃ、次は50番だ、その次は51番でそのあとがオレだとルンルン気分で待っていたが、それからまたしばらく誰もたたない。その間に新規の相談客はどんどん増えてきて、待ち時間を見てため息をついたり、狭い店内をうろうろして自らの存在をアピールしたりしているが、状況は変わらない。そして、トータルで1時間半は確実に過ぎて僕の番号が呼ばれた。そそくさと席に座り、昨日WCに落として今日ようやく発見されたと話すと、カブトムシみたいな目をした若い店員は、「動きますか」と聞いてきた。「いや、取り出したのは業者だし、僕はそれを受け取っただけだから何もしていない」と答えると、ビニール袋の中からiPhoneを取り出し、カバーを外し本体をあちこちいじっている。「あ、それは実はコーウンにまみれていたから、少しバッチいし臭いもあるから素手では触らないほうがいいんじゃないかな」という言葉はぐっと押さえて、冷静なふりをして彼の様子を見ていた。「本体のボタンの動作が若干悪い感じはしますが、修理でいけますよ。それとも新品交換にしますか。アップルの補償に入っているから、7,800円で交換出来ますが、これは2年間に2回しか使えないサービスです。どうされます」。「も、もちろん、7,800円、即金で払うから新品にしてくれ」と冷静さを失った僕は早口で答えた。この様子を見て、もしかしたら店員の兄ちゃんはこのiPhoneがクソまみれのものだったと確信して僕に反逆してきたのではないかという疑惑がわいてきた。いや、たぶんそうに違いない。

 店員は何やら書類を出して、こことここにチェックしてサインしろみたいなことを言ったかと思うと、スタッフルームに入り、すぐに出てきた。手には新しいiPhoneの箱を持っている。カッターでテープを切り新しいiPhoneを取り出し、設定を始めた。4,5分くらいすると、一人でぶつぶつ言いながら設定していたその手が止まった。「あれ、あれ」とか、何だか情けない声を出している。気のせいか少し手が震えている感じもする。それまでの作業の様子を暖かく見守ってきたワタクシであるが、どうも店員の様子がおかしいのでだんだん疑惑のまなざしで見つめていたら、「あ。すいません。このマシンもちょっとおかしいので、今度は新しいのを持ってきます」と言ってまたもやスタッフルームに姿を消した。その時は何も考えなかったのだが、「今度は新しいのを持ってきます」ということは、もしかしたら新品更生した中古品だったのではないか。要するに故障だ、調子が悪いとか何とか言って持ってくるiPhoneのうち、これは絶対アップルに送るとクレームになり、下手すると代理店のライセンスを取り上げられ、哀れ従業員全員が職探しということにならないように、ちょっと見だったら新品と言っても大丈夫なものを持ってきて、その実、メーカーには交換したといって、その差額を懐に入れようという姑息な策動ではなかった、と誰が証明できるのか、いや、そんなアコギなことするわけがない、アコギといってもアコースティックギターの話ではないが、そんなん、言わんでも話の流れで阿漕とわかるやろおっさん、堪忍やキャインキャインと殿山フレーズをはさみながら、しかし、その時の僕は待たされすぎて頭は全然動かず、あろうことか、こいつはわざわざ新品を2台も持ってきてくれたが勤務評定が悪くなったりしないのか、申し訳ないことをしたななどと人のいいことを考えていた。

 2台目のiPhoneを持ってきた後は、こちらに話しかけることもなく黙々と作業をして、時々、「はい、カメラ機能です。写真撮りました。大丈夫ですね。ハイ消しました」みたいな、多分はアップルのマニュアルで必ず顧客に確認することみたいなポイントを押さえつつ、「設定終わりました」と言って、「フィルムとかどうします」と聞いてきた。やはり、フィルムはつけておいたほうが傷が付かないと思い、頼んだらトータルで1万切るくらいの金額になった。こんなもん、WCに落とさなければ絶対出さなくていいお金だったのに、と悔やみつつ、まあしかし物は考えようでこれでブツが出なければ全額自己負担だったから、それから考えれば三分の一くらいで済んだわけだから、と自分を慰めようとしたが、それでもやっぱり無駄金使ったという考えは消えなかった。大体、なんでWCにiPhoneを落とす羽目になったか、もう一度よく思い出してみると、それはディーラーのお店で車の点検が終わるまで待っていた時に、急に差し込みが来て(うーん、時代劇なんかで使われるフレーズだが、今どきの人は使うのかね。良く旅姿のお女中が急に座り込み、それを見ていた遊び人風の男が「姉さん、どうなすった。急な差し込みかい?」なんて声かけるのだが、お女中は「いえ、大丈夫です。我が家の直伝のけろりん丸がありますゆえ、大事ございません」なんて会話している間に、抜刀した浪人たちが周囲を囲んで、っていつまで東映時代劇をやっているのだ、オレは)、まあ、要するに「猪木ピンチ」の状態になり、WCに駆け込み最新式のウォシュレットで快適に排便をしていたら、iPhoneが鳴り出した。見ると全然知らない番号なので無視していたが、鳴りやまない。もしかしたらディーラーのサービスマンが点検が終わって僕を呼び出していたのかもしれないと思うと、ゆっくり便座に座っているわけにもいかず、お尻を洗って便器に水を流して、さてズボンをはいて出ようとしたときに、何としたことか胸ポケットのiPhoneが飛び出してしまい、ジャンプイントゥザワーター。つまり、あの時、誰かが僕に電話しなければこんなことは起こらなかったわけだ。

 そして、僕は電話したのはディーラーの誰かだと思い込んでいたのだが、その後の出来事を考えてみると実はとんでもない奴が犯人だったのではないかという気がしてきた。WCにiPhoneを落とした日曜の夕方に、もしかしたら僕に電話やメールをしてきた可能性のある人たちにPCからメールを送ったり、FBに簡単な状況報告をアップした。すると、マス坊から「F田敏雄さんを発見したメールは届いてませんか」とカキコがあり、クリビツテンギョウ。何、あのDRAC最後の大物、千三つのF田敏雄君が、あの大学生活大好きなF田敏雄君が30年ぶりに発見されたのか、それは一大事とマス坊に事実確認の電話をしたら、『日曜の午後、暇だったのでF田君の実家にダメもとで電話したら本人が出てきて、2時間ほどしゃべりましてん。全然変わってまへんわ』という。その時に僕の携帯番号を教えたので、多分僕に電話したはずだという。マス坊がF田敏雄君と電話した時間、話していた時間、そして僕の番号を知った彼が僕の携帯番号に電話した時間を計算すると、まさしく僕がWCに入っていた時間と一致する。ということは、このやろー、「一緒にご一緒しませんか」のF田敏雄が真犯人だったのか。そして、話は30年ぶりに電話で話をしたF田君の新たな伝説の始まりにつながるのだが、今日はここまで。最後にiPhoneをWCに(いや、別にWCに限らなくてもいいが、要するに水中に)落とした時のまとめを書いておこう。

 ※まとめ
 意外と、iPhoneはタフなので多少の水没でも作動に支障はない(ような気がする)。バックアップは必ず取っておいたほうがいい。僕は購入してすぐに、iTunesにバックアップを取っていたので、新しくなったiPhoneにデータ移設は簡単にできた。もし、BUを取ってなければちょっと面倒なことになっていたと思う。一番手こずったのが、キャリアメールの設定。いろいろ検索して一括設定でようやくクリアした。しかし、結論を書くと、水中に落とさないことが一番大切だ。「水中、それは苦しい」というのは人間を含めた哺乳類に限らず、iPhoneも同じことだった。



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コメント

お久しぶりです(^-^)

blog、楽しく読ませていただきました(^-^)
お元気そうで嬉しいです。

イマンさん、お久しブリーフです

実は先日、昔のエントリーをチェックしていて、そういえばイマンさんはどうしているかなと考えたばかりでした。こちらは相変わらずのおバカな毎日を送っています。そうそう、キャンプ仲間がカゴンマでラーメン屋始めました。良かったら行って見てください。また、近況をメールしてもらえると嬉しいです。
https://www.facebook.com/kirin2013

店員も

それでも一応は動いたんですね(驚)

素手で触るとは相当ですね。激務ゆえにそんなこと忘れちゃうんでしょうか?あの業界は過当競争で大変そうです。覚えることも多そうだけど、いちいち覚えていられなさそう。変なマニアが来て、そいつが得意げに全部いやみったらしく自分で手続きすることもあるのかも(デジタル家電の世界はいやみなマニアが多い。マニアなんてどこもそんなもんかもしれないけど)

AKさん、業界コメントありがとうございます

激務という表現は当たっていますね。僕がその代理店に行って、相談を終えて帰るまでにたぶん2時間ちょっとだと思いますが、その間、窓口の人はずっと出ずっぱり。最後のほうは、手の空いているスタッフが発券機のところに来て、番号を読み上げ、そのまま相談に入っていました。立ちっぱなしで(カウンターの後ろにストゥールみたいな椅子があるかもしれませんが)、お客としゃべりっぱなしなので、大変そうだというのは痛感しました。デジタル家電の嫌味なマニアってのは、想像つきそうです。小太りでニヤニヤしながら話しかけてきて、スタッフがちょっとでももたついたり、勘違いの説明などすると、鬼の首を取ったようにしゃべりだすんでしょうね。しょうもないことしか書いてないblogですが、またのコメントをお待ちしております(笑)。

おっとすいません

AKは私の頭文字です。うっかり書いちゃいました(笑)。
業界話は私のいとこの別れただんながケータイ屋勤務だったのでうすうす感じてたのと、デジタルマニアの嫌味さは趣味の会のメンバーのキヤノン販社社員(小太り!)の気持ち悪さという実被害&デジカメのモニターになったときの実体験です(笑)。

ぜひ

ラーメン屋さん、ぜひぜひ行きたいです!(^-^)週末行こうかなぁ。。
私の、近況。。。
仕事で壁にぶつかっています(^-^ゞ
頑張らねば。の日々です(笑)

ああ、 Walker-brosさんでしたか

なるほど、それでどこか初めての来訪者って感じがしなかった(笑)。携帯ショップに勤めていた人を、僕も何人か知ってますが、全員、年齢よりはるかに老けた感じというか、いつも疲れている感じがしました。まあ、次々に出る新商品の知識もそうですが、一般人にはとても理解しがたい支払方法や割引(ホンマに割り引いているのか、実は割高じゃないかって気がしますが)のノウハウも覚えないといけないから、そりゃ疲れます。キャノンはトイレが嫌いです、。あ、違ったお手洗いが嫌いです。これでもなかった、御手洗が嫌いです。

それでは、是非行ってみてください

その際は「宮崎の海原雄山(カイバラユウザン)から教えられてきた。あるじ、この店で一番旨いラーメンを出せ、う、なんだこれは、麺の上に乗っているのはニブタではないか、愚か者め、ニブタと焼き豚の違いが分からぬものに旨いラーメンが作れるわけがない。顔を洗って出直してこい」と言って、テーブルをひっくり返してください。

すぐに110番されること請合います(笑)。いや、マジで僕から聞いたと髪の毛がない男の人(ロシア革命で有名な人に外見が良く似てますが、決して「レーニンさんですか」などと聞かないように)、彼がオーナーですが、言って見るとチャーシューの1枚くらいはサービスしてくれるかもしれません(笑)。

分かりました(笑)

勇気があったら、話しかけてみます(笑)
ありがとうございます(^-^)

久しぶりに、blogおじゃまさせていただきました。ありがとうございました(*^^*)また来ますね。
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