世の中、バイ菌だらけになっていくのか ※10/20追記有 ※さらに追記有

 つい先日、若松孝二監督が交通事故で入院したというニュースをネットで知り、FBにリンクを貼った。そして今朝、携帯の目覚ましで起きてネットのニュースをチェックしたら突然の訃報記事だ。最初のニュースでは「はねられて重傷」だが「命に別状はない」とあったのに、実際は12日の夜に事故に遭い、救急車に乗せられた時は自分の名前を言えたが、それから意識不明だったようだ。三島の映画を見たばかりで、次は中上健次の作品を映画化するというので楽しみにしていたのに。この間のカンヌでは「自分は映画で戦うしかない。東電の原子力(原発事故)の話を死ぬまでに必ずやりたい。国が隠そうとしているものを全部ぶちまけたい」と相変わらずの若松節を聞かせてくれて大いに楽しみにしていたのに。心からご冥福をお祈りしたい。しかし、それにつけてもWebに巣食うコメントマニアの性質の悪さは何とかならないものか。監督の訃報記事がアップされていたのは未明の1時過ぎだったが、その時から「横断歩道じゃないところを渡るから自業自得」とか「タクシーの運転手は悪くない」とか「酔っ払いが道路で寝てはねられるのと同じ」とか。こんなコメント書くお方はさぞや交通ルールをきちんと守り、社会の約束事(そこには国民の三大義務の順守ももちろん含まれるぞ)を堅持し、安定した人生を送っていらっしゃるのだろう。社会の弱者に対する視線だとか、ご都合主義の分捕り合戦で割を食う人たちのことなど何も考えない、というか想像すらできないんだろう。

 若松監督の話で展開していくと、レフト・アローンになりそうなので、今日はもう一つ大変腹が立った話を書いておきたい。僕の住んでいる街の話だ。それもついこの前起こった大変な悲劇に関する話だ。先ずは、地元紙のHPの記事を引用する。

農水副大臣「菌生きている」 口蹄疫で事実誤認発言

口蹄疫からの復興支援を要望するため農林水産省を訪れた西都市の橋田和実市長ら県内1市5町の首長らに対し、吉田公一農水副大臣が「まだ(口蹄疫の)菌が生きている」などと、風評被害を招きかねない事実誤認の発言をしていたことが17日分かった。

 要望は埋却地の原状復旧に対する支援を求めたもので、16日に実施。


 これだけでは何のことだか分かりにくいと思うので、上の記事の続きを本日の宮崎日日新聞から引用する。

 要望は埋却地の原状復旧に対する支援を求めたもので、16日に実施。橋田市長や同席者によると、要望書を手渡された吉田副大臣は「宮崎は口蹄疫は初めてでしょ」と語り掛け、橋田市長が2度目と指摘すると、副大臣は「じゃあ、まだ菌が生きてるな」と述べた。
 この発言に、川南町の日高昭彦町長は「衆院農林水産委員長の経験があると聞いていたが、口蹄疫に対する認識がどれだけか分かり、悲しくなった」と落胆。都農町の河野正和町長も「農水副大臣でありながら、その程度の認識だったことは残念だ」とコメントした。
 橋田市長は吉田副大臣から良く17日に「不手際があり申し訳ない」と電話で謝罪を受けたが、「宮崎の安全をアピールする立場の副大臣でさえ間違った認識をしており、風評被害が心配」と憤っている。
 同席した道久誠一郎衆院議員(九州比例)は「発言は副大臣個人の誤解や言葉不足によるもの。政府、農水省はきちんと理解している」と説明。その場にいた農水省職員に吉田副大臣は「口蹄疫のような伝染病は用心するに越したことはない」との意図があったと説明したという。
 口蹄疫はウイルスを撲滅する全ての措置が終了後、2010年8月に県が終息宣言を行ない、11年2月には国際獣疫事務局(OIE)が日本の「清浄国」復帰を認定した。


IMG_20121018235455.jpg

 さて、この発言をした副大臣殿であるが続きがある。宮崎の人間のような忘れっぽい、頭の悪い連中にしっかりせんかと忠告してやったんだぞ、ありがたく思えとしか受け取りようのないお言葉を再度、新聞社のHPから引用する。

吉田農水副大臣、会見で「失言ない」

 吉田公一農水副大臣は18日の定例記者会見で、本県の口蹄疫の状況について事実誤認の発言をしたことについて、「失言をした覚えはない。終息宣言をされたと言いながらも、まだまだ油断できないのではないかというつもりでお話した」と述べた。
 一方で、口蹄疫の病原体を「菌」と表現するなど、実態を把握しているのか疑念を抱かせる発言もあった。


 確かに「終息宣言」しても全然終息していない人災事故が北関東であったと思うが、あの宣言をしたのは国家の最高権力者で副大臣殿の上司にあたるお方ではなかったか。こういう腐った連中を若松監督ならどんな喜劇に仕上げてくれただろうか。考えると歯がゆくて悔しくてたまらない。言いたいこと、書きたいことは山ほどあるが、はっきり言いたいのはいつまでも舐めとったら承知せんど、ボケということ。



 ところでこのニュースは全国的には全く無視されているようで、地元紙以外は報道していない。まあ、そんなもんだろ。日本全国、のど元過ぎたら熱さ忘れる体質に慣れさせられているのだろう。しかし、足を踏まれた痛みは忘れないのが人間だ。今日の地元紙の社説が、いいこと書いているので丸々引用する。

口蹄疫 農水副大臣失言 2012年10月20日

事実の誤認を猛省すべきだ

 どん底から立ち上がろうと力を振り絞っている人たちが、冷や水を浴びせられた。

 口蹄疫からの復興支援を求めて農林水産省を訪れた県内1市5町の首長らに、吉田公一農水副大臣が「まだ(口蹄疫の)菌が生きている」などと妄言を吐いた。

 2010年の発生から感染拡大、終息、そして現在の復興途上まで、どれだけ多くの県民が悲しみ、苦しんだことか。国の責任ある立場の副大臣が一連の経過を知らないでは済まされない。厳重に抗議する。

風評被害招く恐れも

 首長らが農水省を訪れたのは16日。殺処分された牛や豚の眠る埋却地について、現状復旧の支援を要望したところ、吉田副大臣は「宮崎は口蹄疫は初めてでしょ」と話し掛けた。西都市の橋田和実市長が2度目であることを指摘すると、「じゃあ、まだ菌が生きているな」と述べた。

 事実誤認、理解不足も甚だしい。本県では00年、国内で92年ぶりに宮崎市で口蹄疫が発生。肉用牛繁殖農家3戸の35頭が殺処分されている。

 10年4月の2度目の発生時には8月に県が終息宣言、11年2月には国際獣疫事務局(OIE)が日本の「清浄国」復帰を認定した。国際的にも認められた終息を吉田副大臣は否定したことになる。さらに言えば、口蹄疫はウイルスが病原体で細菌ではない。

 00年は早期に終息したが、畜産関係者は風評被害の恐ろしさを身を持って知った。吉田副大臣の軽率な発言で、県内の関係者がそろって猛反発したのは当然である。ウイルスがまだ存在しているという誤解を生みかねず、再び風評被害を招く恐れもあるからだ。

 今も防疫に懸命な畜産農家の気持ちを踏みにじった吉田副大臣は猛省すべきだ。

全国の支援にも失礼

 10年の口蹄疫感染拡大で殺処分された牛や豚は29万7808頭。感染を防ぐためにさまざまな行事が自粛や中止を余儀なくされ、畜産だけでなく観光、飲食、運輸など県内の幅広い産業に被害が及んだ。県の発表では経済的損失は総額2350億円という。

 心に傷を負った県民を励まそうと、全国から温かい支援がたくさん寄せられたことを私たちは忘れてはいない。復興に力を貸してくれたそんな全国の人たちに対しても、吉田副大臣の思慮を欠いた発言は失礼極まりなかった。

 本県同様復興途上にある東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の被災地に関しても、政治家による不謹慎な発言が繰り返されている。国民に寄り添わない政治には、不信が増殖していくことを肝に銘じるべきだ。

 私たちが苦しんだ口蹄疫の記憶を風化させてはならない。なぜなら、二度と悲惨な経験をしないための教訓だからである。今回のように誤った形で不安を呼び覚ましては何の意味もないのだ。


 後日談だが、この副大臣は大臣から「アホか、お前は。波風立つようなこと言うな」と説教されたそうです。もっとも説教したほうも単なるアリバイ作りかも知れないが。そのような、さまざまな偏見や風評被害にも負けず和牛のオリンピックと言われ、5年に1回開催される全国和牛能力共進会で我らが宮崎牛は何と連覇を達成。全国の心ある皆様の支援のお蔭で宮崎の畜産は復興の第一歩を踏み出しました。東北、とりわけ福島の原発人災事故で苦しむ皆さん、共に闘わん。
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コメント

相変らず続く政治家の心ない発言。こういう無能者はさっさと罷免しろ。税金がもったいない。

天然痘のように撲滅されたわけじゃないから、地球上では確かに生きているけど、少なくとも現在の日本国内には生き残っちゃいねーよ(そもそも病原体は日本産じゃなくて他国から紛れてきたもんだ。それに、副が着くとはいえ仮にも農林関係の大臣やってんだから、菌とウイルスの違いくらい知っとけと)。それも、関係者の文字通り血を流すような努力と膨大な命の犠牲の結果、清浄国復帰を果たしたというのに、あの時は多くの人に地元の悲鳴が聞こえたというのに、この人には何も聞こえてなかったわけですね。苦労というものを知らないから平気でこういう発言ができるんでしょうね。

口蹄疫禍の時に書いた詩を思い出して読み返したけど、自分で書いたものを読んで泣いてしまいました。
http://kuroki-rin.cocolog-nifty.com/dreamtime/2010/07/post-c384.html

知ったかぶりが身を滅ぼす

というか、どうしてこういう余計なことを言うのか神経を疑います。だいたい「口蹄疫が初めて」なのか、「二回目」なのかくらい事前に確認しておかないのか、副大臣もアーパーですがその周囲の官僚は何をしているのか。勘ぐればキリがないのですが、2000年の時の口蹄疫は当時政権を取っていた自民党の故江藤隆美議員(悪人顔でした)の素早い対応で被害は最小限に抑えられたのですが、民主党が政権を取った時にその時の事実関係は継承されなかったというか、あえて「オレ達は自民党と違う」というしょうもない面子があって無視したのかもしれません。55年体制以降、日本をめちゃくちゃにしてきた自民党ですが、それでも口蹄疫と原発事故の対応は民主党以外が政権を持っていたらとつくづく思います。

それにしても、現地に来たこともないし畜産農家の人たちがどんな思いで「殺処分」を受け入れたのか、また実際の作業を地元の役場の人たちを始め数多くの人たちが行ったわけですが、そのときの気持ちを考えたら事前に少しは予習しておくのが人間でしょう。なにやらご自身は専門的な勉強をしてきたから詳しいのだという言い訳もしらじらしい。これでいいのだ、とはとても言えない「のだ」。

今日は、泉谷が口蹄疫からの復興を祝って3年目の「水平線と花火と音楽」というイベントをやるのだが、とんだケチがついてしまった。そうそう、燐さんの詩は僕も涙と一緒に読ませてもらいました。ありがとう。

感染経路が問題だわな

要するに、鳥インフルエンザもそうなのですけど、感染経路が問題でして。

鳥インフルエンザの場合には、インフルエンザの発生源となる豚とアヒルなどを含めた鶏を同じ場所で飼育する中国大陸と日本の間を、渡り鳥が季節により往復してまして、これが感染経路になっているのですね。従って、鶏インフルエンザの感染経路を遮断するためには、体育館のような施設で外部と完全に遮断して、鶏を飼う必要があります。まぁ、フランス料理に使われる鳩、鴨などは、売値が高いのでこのような施設で肥育できますけど、値段の安い普通の鶏はそうはいきません。中国の奥地で伝統的な農業をしている以上、感染経路を遮断することも困難ですし、日本だけの努力でどうなるわけでもないのです。

口蹄疫に関しては、感染した牛から感染するので、こりゃもう検疫体制を強化するしかないですね。口蹄疫の感染力は窮めて感染力が強いため、いったん被害が発生するとその地域を特定して、全当処分するしかないのはご存知の通りです。まぁ、牛の場合、日本では鼻紋を登記登録して、優秀な血統の精液などを冷凍保存しているので、完全に改良された品種が死滅することはありませんが、復旧に膨大な時間と手間が掛るのはご存知の通りです。

ぶっちゃけ言って、偽装米事件でも富の宝山を醸す宮崎の焼酎蔵などが大打撃を受けており、全く政府の無策のおかげで、宮崎県民何度苦しめられるんでしょうね? もう、阿呆の民主党政権は打倒するしかないのではないでしょうか?

ほんまに、そろそろ切れてええと思いますw

未だに畜産農家は

自宅周辺や農場内に石灰を撒いて、自己防衛しています。やはり、2年前の惨劇を覚えているので、皆さん警戒は怠ってないですね。もっとも僕自身も2000年の口蹄疫の時は全然知らなくて、偶然発生地の近くを車で移動したことがあり、消毒スポットや移動チェックのスペースを見かけて、そうか、何やら伝染病が起こったと言ってたな、と他人事でした。逆に言うと、それだけ速やかに発生地区を特定し、元から断ったのでごく一部の損害で済んだわけですが・・・。

>宮崎県民何度苦しめられるんでしょうね?
ごもっともです。しかし、自分で言うのもアレですが、人がいいというか怒りの持続が出来ない県民性なんです。昨日も泉谷が口蹄疫復興のイベントをやりましたが、そこでこの件の怒りの糾弾は無かったようです。
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