清志郎の個展に行って来た



エレベーターのドアが清志郎の自画像になっていてびっくり。会場は三つのブースに分かれていて(上映室を入れたら四つ)、絵画や写真、絵本、ツアーグッズにステージ衣装などバリエーションに富んでいた。

これまでに様々なメディアに発表したものがほとんどだったので、新たな発見はなかったが、それでも充実した展覧会だった。タイマーズのヘルメットも展示してあったが、カッティングシートで、いかにもお手製という感じだった。結構ちゃちかったので、あれでは敵対党派のゲバをかけられたら頭をカチ割られてしまうだろう。

あれ、と思ったのはLPレコードのコーナーで、時系列に並べてあったけど、ところどころ虫食い状態だったのとEPLPが展示されていたこと。あのベストアルバムは、RCがレーベルを移籍したどさくさ紛れに出されたもので、確か清志郎もあんなレコードは買うなとMCで喋っていたはずだ。

それと、これはワタクシが悪いのだが、会場の様子を携帯で撮ったら受付のオッサンに怒られた。写真を撮っていいのは入口ともう一箇所だけで、他は許可が出ていないとの事だった。著作権とかあるのは分かるが、うるさいジジイだぜ、全く。と清志郎が生きていたらきっとそう言ったにちがいない。


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母と子の会話からインスパイアされた恐るべき人生の真実

 先日、FBで毎回鋭く現状批判の問題提起をするSさん(女性)が、微笑ましい記事を投稿していた。内容がとても良かったので、サークルの先輩だという権力を行使して勝手にアップします。Sさんゴメンね、怒らないでね。

 それは母と子の会話で、コドモから『「ぱぴぷぺぽ」で始まるのは外国の言葉か?』という質問に対し、その通りだと答え、その実例としてパイナップルとかをあげたのだが、コドモのカウンター・クェスチョンで、「ほな、ポンカンはどないだ」と来て「えらいこっちゃ、いっぺん調べてみるわ」で終わっていた。実に心が洗われるようなほのぼのした話だ。ほら、これを読んだあなたも一日の仕事の疲れをすっかり忘れて一服の清涼剤のような気持になったでしょう。なったはずです、人の子ならば。

 しかし、しかしです。性格がひねくれているというか、根性が曲がっているというか、世の中を斜めに見ることしか知らないワタクシ。すぐにこういう会話を連想しました。

 「なあなあ、『ぱぴぷぺぽ』で始まる言葉は全部外国語やろか」「そうや、ピーナッツもピーマンも外国語やろ」「…、ほんならパンパンは?」「こ、コドモはそんなこと知らなくてもよろし」「なんでやねん、どっかの市長さんもこの話題が大好きやてみんな言うてるで」「あんな品性下劣な市長の話題なんか出さんといて、耳が腐る。とにかく、あんたもいつか分かる日がくるから、それまで待っときや」「うそついたらあかんで、『しーしーあーる』も『いつかなんて絶対来-ひんさかい、今のうちやりたいことやっとかんとアカンで』って歌ってるで」「なんでコドモのあんたが、その昔流行ったアメリカのR&Rバンドの歌を知ってるねん、あ、多分、別館とか言う不良が溜まり場にしているとこ行ったんちがうか。あれほど私立大学のサークルがたむろしている建物に出入りしたらあかんいうたのに。それもレコード音楽研究会なんてしょうもないとこに(以下省略)」

 という、ホンマにしょうもないお話。Sさんの感動小話をお下劣ネタにしたワタクシをお許しください。




それどころやなかったんや

 子供が入院した。EBウィルスの感染症らしい。昨年末に、配偶者が原因不明のリンパ系の疾患で入院したが(もっとも医者も驚く回復力で1週間で退院した)、こちらはどうなるか予想がつかない。1か月くらい前から「体がだるい」とか「疲れた」と口にすることが多かったが、最近はやたら「胃が痛い」と言ってよく腹をさすっていた。市販の胃薬を飲ませると、飲んですぐはいいのだが時間が経つとすぐまた胃痛を訴える。素人判断じゃどうにもならないと思い、先週の火曜日に僕が毎月1回通っている病院に連れて行った。その時はまだまだ元気で、「あの先生大丈夫ね。爺ちゃんで頼りなかったが」などと言っていた。胃痛で病院に行ったのだが、その時すでに首のリンパも腫れていて、しかも風邪気味だったのだが先生は本人が言うまで気がつかなかったらしい。診てくれた先生は胃のほうばかり気にしていて「エコーで調べようか」などと言ってくれたらしいが、「お金がかかるなら今度でいい」と流石にルンプロの僕の娘だけあって断った。

 とりあえず胃薬と風邪薬を処方されて帰ってきたが、その夜から元気が無くなり寝込んで部屋から出ようとしない。普段は学生生活とアルバイトと遊びに全力投球の子であるから、部屋にこもりっぱなしなどという状態は初めてである。もともと耳や鼻が弱く、たしか副鼻腔炎で通院したことがあったので、翌日は耳鼻科に連れて行くよう配偶者に指示をした。次の日の午前中に、配偶者が以前診てもらった耳鼻科の病院に行ってみたら、何と廃業。もう一軒のこれまた良くお世話になった耳鼻科は休み。平日に何で休みだと聞いてみたら、学校での検査を請け負っていてそちらが忙しいため病院は臨時休業したらしい。その段階では子供はかなりぐったりしていたし、前日の夜も食欲が無くうどんを二口、三口食べたくらいだったので、家のすぐ近くのホームドクターともいえる内科に連れて行って点滴をしてもらった。そして、ネットで市内の耳鼻科を調べて評判のいい病院を見つけたが配偶者も午後から仕事があったため、上の子にもしこの子がきつそうだったらその耳鼻科に連れて行くよう頼んでおいた。

 仕事中の僕の携帯に上の子供からメールが入った。タクシーで妹を耳鼻科に連れて行ったが検査をたくさんしたので母親から預かったお金ではとても足りない、何とかしてくれ父親だろう、みたいなことが書いてあった。金と力は無いのだが、我が子二人が困っているのに知らん顔は出来ないので、銀行でお金をおろして病院に向かった。下の子は思ったよりは元気そうだったが顔色が冴えず、声にも力が無い。心配していた副鼻腔炎は全く問題ないが、リンパの腫れや鼻水などから診断して漢方の薬を処方してもらっていた。熱も少しあって37度4分だったので頓服の薬も処方してくれていた。これで原因も対処も出来たと思い、薬局の近くに美味しそうな洋菓子屋さんがあったので、子供二人を連れて好きなものを買いなさい。ゼニカネの心配はいらんぞ、あ、お父さんもシュークリームとラスクは食べるから一緒に、え、お母さん、お母さんは甘いものを食べるとブタになるからいらん、いらんというのにむりやり買わされた。まあそれでも、これでなんとか快方に向かうと思っていた。

 家に帰るとそれまで元気そうだった下の子が、やはり疲れたようですぐ部屋で横になった。その時に気がついたのだがテーブルの上に何やら上の子の字で数字が書いてある。かかりつけの先生が点滴を処置してくれた時に、異常を感じたらしく血液検査をしていたのだ。午前中に検査を受けたが、その結果が電話であったらしい。白血球が異常に増えており、リンパや血小板も異常値を出している。何より肝機能の数値が悪すぎる。まるでアル中時代の僕の肝機能の数値だ。さすがにγ-GTPこそ、そこまでなかったがGOTやGPTがかなり高い。こりゃ相当しんどいはずだ。いやな予感がして子供の部屋に入るとぐったりして横になっている。話しかけても返事をしない。せっかく買ってきたショートケーキも食べないという。

 その夜、子供が嘔吐した。頭が痛いというので処方された頓服を飲ませた何分か後だった。嘔吐感は以前からあったらしいのだが、つばやタンを吐くことで誤魔化した来た。今回は薬を飲んだので吐いたらいけないと我慢したそうだが、胃液があがってくる感じが激しくてついに吐いてしまった。こりゃ単なる耳鼻咽喉科の病気じゃないのではという感じがする。その時自宅の電話が鳴った。配偶者が取ると昼間点滴してくれたホームドクターからで、耳鼻科でどんな処方をされたかの確認と今の体調を気にしてわざわざ連絡をしてくれたのだ。飲ませた薬を全部もどしてしまったことを伝えたら、明日もう一度点滴と血液検査に来るよう言われた。

 翌日、仕事から帰ると事態はますます悪化していた。子供は部屋で固まったようになって全く動けない。付き添っていた上の子に聞いたら、スポーツドリンクやお茶などを飲ませるが、すぐに嘔吐してしまうという。嘔吐下痢症みたいな状況だ。かかりつけの先生に電話したが、すでに19時前で緊急の処置をするなら夜間病院に、もし状態が収まるようだったら翌朝紹介状を書くので大手の病院で詳しく検査を受けるよう言われた。そうこうするうちに配偶者が帰ってきた。その間に二回ほど嘔吐している。このままではマズイと話し合い、もう一度かかりつけの先生にお願いして今から受け付けてくれる病院は無いかと相談した。30分ほどして電話があり、家からは遠いが全ての診療科目が揃っている大手病院が入院の準備をすれば受け入れてもいいと言ってくれたらしい。

 オンナコドモというのは、どうしてああいうとき時間がかかるのか。男の僕には分からない。さっさと着替えや身の回りの物を準備して車に乗ればいいのに、やれコンタクトの洗浄液だの、やれ小さなバッグだの、やれメガネ、いやこれじゃなくてあっちの、なんたらかんたらで病院に着いたのは確実に1時間以上経過した後だった。受付にいた事務員にかかりつけの病院からの紹介だというと、既に紹介状がFAXされておりスムーズに受け入れてもらった。もっとも僕もやや動転していて、子供の生年月日を書くときに間違えて配偶者の誕生日を書いていたりした。看護師の方も待機していて、事務処理が終わるや否や血圧だの、尿検査だの、血液検査だのさまざまな検査と担当医の問診があり、すぐにウィルスによる症状だと診断され、そのまま入院。期間は二週間になるか三週間になるか予定は未定である。しかし、その時の医者の話が「これは誰でも持ってるウィルスです。私も持ってる、お父さんも持ってる、お母さんも持ってる。誰でも持ってるんです。そして、ほとんど悪さをしないんですが、あ、いや大抵は小さい時に暴れて、それでも風邪をちょっとこじらせたかなくらいの症状なんですよ。たまに成人近くの人の体内で暴れることがあるんですが、その場合が今回のような症状を引き起こします。とりあえず点滴と安静にすることで自然治癒力を回復させることが一番です。まれに重篤な、あ、いや、ちょっと重くなることもありますが、その時はすぐ連絡します」。いや、連絡よりも治療を優先してくれと言いたかったが黙っていた。

 しかし、今回の入院でつくづく感じたことだが、男親はクソの役にも立たん。というか、いざとなると母親べったりである。あれだけ普段は良くしてやっているのに全然ありがたみを感じていない。オレは何か必要なものがあったら、買いに走るだけ。病院の手付金を払うだけ。え、普段はクソババアとかウザ母などと言ってるくせして、こういうときはママ、ママである。父親ってなんだよ、コノヤロ。と思うことばかり。ま、いいんだけどよ。男は誰もみな無口な兵士だからよ。

 そうそう、今回の入院騒ぎの最中でちょっと不思議なことがあった。配偶者が一日病室で付き添っていた時に本人から聞いた話だ。部屋で苦しんでいた時だから、多分2日目か3日目の夜だと思う。食べることも飲むこともきつくて、とにかく部屋で寝ていたとき、何故か泣きながら「ママ、一緒に寝て」と甘えて来たので配偶者が手をつなぎながら一緒に寝た。その時に夢を見たらしい。その夢に出てきたのが、皆、死んだ人ばかりだったという。僕の亡くなった親父や弟も出て来たという。弟とは面識があるが、親父は上の子が生まれる前に亡くなっているから本人は遺影の写真くらいしか知らないはずだ。それでも楽しく話をしたという。そして僕の弟の話だ。僕の弟は脳梗塞で倒れて、約3年程植物人間状態で入院していた。最初は点滴で栄養を取っていたが、次第にそれでは間に合わなくなり胃ろうを付けたりした。毎週日曜日になると、僕は子供を連れて弟の見舞いに行っていた。もちろん相手は意識が無いので話など出来ない。子供たちはまだ小学生で、遊びたい盛りだったのに文句も言わずついてきた。特に下の子はベッドのブレーキを外して、病院内をベッドと一緒に散歩したりした。

 僕の子供は、夢とはいえやはり違和感があったのだろう。弟に「おじちゃん、ずっと入院してたがね。何回も何回もお見舞いに行ったとよ」「うん。わかっちょったよ。ありがとう」という会話をしたそうだ。さらに驚くのは配偶者の母とも会ったという。配偶者の母は僕も面識がないというか、配偶者と知り合ったときには既に亡くなっていた。何度か法事や墓参をしたことはある程度だ。僕の子供がイメージとして配偶者の母親を連想することはありえない気がする。しかし、その配偶者の母に「お母さんを生んでくれてありがとう。おかげで私も生まれたっちゃが」とお礼をいったらしい。すると相手は「そうね、役に立ったね。良かったね」と返事をしてくれたらしい。

 この話を聞いたとき、不覚にも涙が出てしまった。普段は無神論だ、アナーキーだなどと好き放題言ってるが、やはり見ている人は見ているんだな。というか、いや、そのオカルト話をする気はないし、まあ、こういう不思議なこともあるんだと思えばいいだけのことだが。そうそう、業務連絡しておかねば。リアル社会でワタクシ及び配偶者と接する機会のある方はこのエントリー、もし読まれても一切この話題に触れないで頂きたい。というか、こちらから話をするまで知らぬ顔の半兵衛でいて欲しいのだ。理由は分かるでしょ。今、配偶者と何かと波風が立っておるのだ。まあ、所詮、女子と小人は養い難しという話だが。

 ところで話は全然変わるが、『河原ノ者・非人・秀吉』という本を読んだ。表紙の犬追物の絵と秀吉には子供がいなかったという帯のフレーズが図書館で目に入り、手に取ったら面白い。特に面白かったのはサンカの話で、ページ数は少なかったが気になる部分があった。というのも、サンカという呼び名は九州ではほとんど使われておらず、代わりにカズヤンという呼び名があったという箇所。僕が子供の頃にもカズヤンとミイヤンといういわゆる乞食の人がいた。その時のことを思い出して、連想すると中々に楽しいストーリーが浮かんできた。また秀吉に実子はいなかったという論理展開は非常に興味深く、大阪の陣の不思議さもなんとなくわかるような気がしたが、これはあくまで気がしただけ。

 最後に、このエントリーのタイトルは知る人ぞ知る、F田敏雄君の名フレーズ。首を左右に軽く振りながら、発音してもらうと感じが出ると思う。

おまーら、さっさとクソして寝ろ~

 谷岡ヤスジが生きていたら、多分こういっただろう。麦価じゃねーの、こいつら。あ、間違えた、バッカじゃねーのこいつら。ここに貼ろうと思ったけど、埋め込みできないので、ここをクリックしてください。

休みの日の美術館で



高校時代の同級生から、「今日の世代展」に作品を出したとメールを貰った。連休終盤にゲージツ鑑賞もヨカではないか、とやって来て、大変なことに気がついた。

オレは絵心が無い。美術がワカラン。いや、ポップアートとかアンディ・ウォホールとかはわかる。てか、好きだが教科書に出て来るような絵が皆目ワカラン。花鳥風月なんてのに縁がない。

それでも会場に入ると、その世界に浸るから不思議なものだ。そして一枚の絵の前で立ち止まった。絵の中に文章が書いている。読んでみると…。えるえすでぃの歌だった。そういえば、あの歌が好きだったボスが亡くなったのも、何年か前の黄金週間の始まりの時だったな。合掌。


悲しみは突然やってくる

 7年間使ってきたプリンターが昇天した。以前から、電源を入れると妙な音がしたり、LANを組んでる配偶者やバカ娘のPCから印刷しようとするとエラーが発生したり作動しなかったりとか、予兆はあった。そしてついに「エラー 6A00 プリンタトラブルが発生しました」という文字が表示されるようになって、全く動かなくなった。最初は、プリンターとして使えなくてもスキャナーとして使えれば、とりあえずはいいかと思っていたが、何とプリンターの機能だけでなくスキャナーの機能も使えない、要するに全く作動しない状況であることに気がついたときは少し焦った。困った。大変に困った。これを読んでいただいている皆様の中には、『買いかえればいい。今は価格も安いし、機能も充実している。何より大きさが全然違う』という正論を吐かれる方もいるだろう。

 しかし、バット、しかしである。壊れたプリンターを電気屋に持って行って新しいものに変えるには、悲しいかな、このシホン主義の世界ではオゼゼがかかる。つまり、所詮は金よ、金ねーか、となる。僕が使っていたのはキャノンのMP800というタイプで、購入した時は確か3万以上したと思う。MP500の方が安かったけど、CDへの印刷とか機能面を考えたときにMP800の方がいいと判断したのだ。もっとも、今のプリンターはかなり安くなっていて、単に印刷するだけなら5000円もしないくらいだ。しかし、スキャナーとして使うこともあるし、年賀状を両面印刷することもあるから、その手の機能のあるものだと安くても15,000円くらいはしそうだ。アベノミクスに抵抗する我が家の経済状況ではかなり厳しい金額なのだ。

 買い替えが無理なら修理、というのは当然の判断であってメーカーの説明書を見てもA600と出たらメーカー修理を依頼しろと書いてある。5年以内なら購入したお店のサービスを受けることも可能だが、7年経過しているから全額自己負担である。しゃーないな、いくらかかるんだと調べたら、一律13000円だという。なんでや、え、なんでや。新品こうても15000円、修理で13000円て、勘定合わんがな。そんなんやったら、修理せんで新しいのをこうたほうが早い。でも、モノを使っていると魂が宿りはじめるんと違うか。プリンターの神様が夜中に、お前は何でモノを大切にせんのや、なんでもかんでも新しいモノこうたらええというのはあかんぞ、新しくてええのは嫁と畳だけや、などという人生の真実を知るかもしれんが、そういうことをいうと家庭に波風が立つ。波風立ってもええもんはええんじゃ、と開き直る力がオレにあれば、ああ、人生が2度あれば、いや、話がおかしな方向に行っているので軌道修正。

 困った時のネット頼みで、エラーコードで検索したらいくつかのサイトにヒットした。それらを読んで分かったことは、「パージユニットのフィルムの汚れ」であり、それを取り除いたら復活したという成功体験が載っているではないか。しかもご丁寧に写真までアップされている。こりゃラッキーとばかり、早速やってみた。綿棒だと汚染箇所まで中々届かないので割り箸にティッシュを巻いて、そこにアルコールを湿らせて拭くと勝手がいいと書いてあったので、その通りにしてみた。いや、アルコールが無かったので、インフル対策で購入していた消毒液も似たような成分なので、それをティッシュに含ませて拭いてみた。いや、面白いようにインクの汚れが取れる。サイトの説明を読むと数十分はやったほうがいいと書いてあったので、何度も何度もやった。普段、根気が無いとか飽きっぽいとか書き始めたエントリーを途中ですぐ放棄するとか、いわゆる辛抱がきかないタイプだと思われがちなワタクシであるが、そんな事はない。やるときはやるのだ。オバケ煙突を掃除する男の気持ちになって、一生けんめい拭きました。あ、この部分は永島慎二の『漫画家残酷物語』を読んで、ワタクシの気持ちを推し量って頂きたい。

 で、部屋のごみ箱には汚れたティッシュと、そのティッシュを固定していた輪ゴムと割り箸が投げ込まれた。つまりかなりな時間ワタクシは清掃作業をしていた。もういくらなんでも大丈夫だろうと思って、電源を入れて見た。ウィーンといういつものプリンターが動く音がしてガチャと紙の排出口が開いた。しかし、しかしである。表示窓には相変わらず「エラー 6A00 プリンタトラブルが発生しました」という表示が出る。いや、わかっとるちゅうのに、プリンタトラブルは最前から発生している、正確には多分1週間くらい前から発生していたっちゅうに。そして、それを解決するためにオレは一生懸命、割り箸にティッシュを巻いて、消毒液を吹きかけて狭いプリンターの中のへなへなのビニールの汚れを取った、取って取って取りまくった、挙句がこれか。え、一片の誠意もないんか、クソ、キャ×ン。お前、社長が隣の大分出身やからいうてえばるなや。ブラック企業っちゅうことは心ある人は皆知ってるぞ。お前んとこ、エコやリサイクルやなんや耳触りのいいこといいやがって、なんやねんな、あのインクのバカ高いのは。しかも、カートリッジは使い捨て。常に新品を高い値段で買わせやがって。そんなもん、ワシらのようなプレカリアートはよう買わんのや。そやから、互換性のあるインクを、ハッ、そういえば、安いインクを使い始めてから、プリンターの調子が、いやいや、そんなことはない、そんなん偶然の一致や。

 という闘いの日々が過ぎて、結局、プリンターを買いなおしました。経営陣が全員降格されたという某格安電気店で下調べをして、もちろんそれ以外の電気屋もリサーチして、やはり×マダ電機が一番安かったので、そこで買うことにしたのだが、故障したプリンターは引き取ってくれるのかという問題があった。店員に聞くと燃えないゴミで出せという。要するに処分は自己負担ということ。しかし、まだまだ出来る人間が修理すれば使えるかもしれないし、またオレは出来ないが、中にはこの手の機械いじりが好きで簡単にバラして必要部品だけ取る人もいる。粗大ごみで出して捨てられるのは如何なものか。普段、パンクなワタクシではあるが、リパブリックとかリメンバーとかリアップとかなんたら、よくエコ、エコ言うてるクソババアが資源の再利用には4つのRがあるとかなんとか言うのは知ってる。こりゃせっかくなので、そういうところにでも譲った方がいいだろうと考え、以前壊れた家電品を無料で引き取ると書いてあったチラシを思い出し、そこに電話しようとしたその時、テレビで『本を売るならブック×フ~』という能天気な歌声が聴こえた。その昔、若い頃はアナーキーなフォークデュオだった元あのねのねの片割れが歌っているCMソングだった。そこから連想したのがハード×フという家電品リサイクルの店だった。物は試しで電話したら、壊れて動かないプリンターも引き取るし、買い置きしていたインクも引き取るという。言葉は引き取るだが、僕達大人の間ではこれは「買い取る」、つまりオゼゼを払って引き取るという裏の意味があることはすぐにわかる。

 こうなりゃ、人間、打算が先に立って、倉庫にしまいこんでいたプリンターの紙箱をガムテープで組み立て、コード類やドライバーのCDや取説、全て詰め込んで車でハード×フに向かった。店に入ると中古品を扱っているお店独特の、ちょっとすえたようなにおいがした。車から箱を取出し、カウンターに持って行くと家電品は二階の窓口だという。エレベータなどないので階段を上って、なんとか二階まで運んだ。受付の兄ちゃんに「これ、動かないけど付属品全部あるし、インクも付いてる」と説明しようとしたら、ニヤリと笑った兄ちゃん、すっと番号札を渡し後で呼ぶからみたいなこと言う。

 待つこと十分くらいだったか、番号が呼ばれたのでカウンターに向かった。何やら紙に書いてある。「プリンターが五十円、インクが二十円です。良かったらサインしてください」。え、ちょ、ちょっと待ってよロクンロール(by Panta)、合わせてななじゅうえん????僕は一瞬立ちくらみを感じながら、頭の中で考えた。これがシホン主義なんだよ、唾棄すべき拝金主義なんだよ、商品を安くで買いたたいて高くで売る、ショーバイってそんなもんなんだよ、ゼニの花は白いんだよ。結局僕はジュース代にもならない小銭を受け取り、紙にサインし、本人確認の免許証まで提示してハード×フを出た。そして、今、僕の足元には新しいキャ×ンのMG5430が座っている。以前のマシンに比べると半分の大きさで機能は全然引けを取らない、と思う。悲しい連休の一日、罠のような午後の話でした。



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